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トラヴェルセッテ峠からイタリア側を見下ろす

Traversette -Col de la トラヴェルセッテ峠のイタリア側
 ・・・いつかここを、歩いて下ってみたい・・・想定の旅・・・  【
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ハンニバルの進軍状況  しかし、約1万人の死者を出した原因は、急な勾配だけだったのでしょうか?・・・
イタリア:ピエモンテ州】 [北村 峠一].(Kitamura)     


 トラヴェルセッテ峠へは、今回の旅では行けませんでした。アニュエル峠に車でしか・・・いずれきっと歩いてみたいところです。・・・で、想定のページを作ってみました。

 イタリア側の下りの写真(J-p159/185)を見ると、その傾斜、冷気の吹き上がり、残雪、雪崩、土砂崩れなどこれは大変そうです。


 ハンニバルがこの峠を越えたのだとすると・・・トラヴェルセッテ峠の源流に沿っての勾配は、アニュエル峠の傾斜よりさらに急です。峠の頂上から、川に沿って1Kmごとにプロットしてみると、最初の1kmで474mもの下りです。47.4%・・・約30°近い傾きです。

 イタリアに向かっての下りの行軍で、ハンニバル軍は 約1万人の死者(歩兵9千,騎兵9百,象3頭と推定:kitamura)を出したのです。何が原因なのでしょう。傾斜による滑落が主原因なのでしょうか?

 この傾斜・・・急ではありますが、通常の山の頂上付近の地形・勾配と同じ程度ではないでしょうか。大量の死者が出た本当の理由は?
   ・・・それは「凍死」ではないでしょうか・・・
◎参考:歴史上の「山岳・凍死」事件

 

 

 

 





【「トラヴェルセッテ峠の
地形の勾配」と
「Agnel峠の勾配」を
比較してみても
大変なところです。】

●クリックで拡大します

  
  【黒実線:峠前後5kmの川に沿ったルートと高度。
   赤点線:GR58Cハイキングコース 】
    ●クリックで拡大します





Mondbergさんから、この峠の情報を頂きました。(2003.10)
 峠からイタリア方面を見下ろした眺め
●関連Web-Site:
Oasi Pro Natura - La torbiera di Pian del Re【Pian del Re(2020m)周辺の写真、説明など】
Oasi Pro Natura - La torbiera di Pian del Re【Pian del Reからのモンヴィーゾの写真】
Urlaub-im-Piemont【Pian del Re(2020m)の写真、宿情報など】


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Elephants

●ハンニバルと象が「トラヴェルセッテ峠」の下り(推定)を進軍した状況など

 −− ポリビオス(BC200-BC118)の記述による。「」は推定の地名 −−
 ●前のポイント「Belvedere-du-viso2」← 【●ハンニバルの有力推定ルート】 →●次のポイント「Po川上流平地」




<ここまでの経緯>

 約5カ月前、スペインを出たカルタゴ軍は、ようやくアルプスの最後の峠に到達する。

 しかし地元部族の奇襲などで疲労し、さらに食糧は底をつき、また、雪・寒さで軍の士気も衰えていた。

 前日、ハンニバルは全部隊の指揮者を集め、眼下のイタリアの谷を見せ、翌朝の進軍を指示した。

 雪山での行軍を経験していない彼ら・・・山に本格的な雪が降り出した。

 軍の規模は、歩兵2万9千、騎兵6千9百、象20頭。




ハンニバル軍と象
<紀元前218年10月22日:アルプスの登り道から12日目。イタリアの平野まで残り3日>

○前夜からの雪はさらに激しくなった。風も吹き吹雪となった。
○朝、寒さ・飢えなどで動けない兵士が多発する・・・彼らを置いて先に行く・・・凍死へ。
○歩きだした兵士達は、寒さに耐えるためすべての衣類を身につけ、足元も革、布でくるむ。・・・しかし雪・氷は、その衣類を冷たい水で冷やし、足を麻痺させる。
○隊は、吹雪の中を下りだした。・・・ゆっくりした行軍・・・吹雪でさらに冷える・体温下がる。
○前方の偵察隊は道を見つけ、各所で氷・雪の層に足場を作る。
○狭い危険な道が続く。足を踏み外し、滑り落ち、岩に打ち付けられるものがでる・・・怪我→凍死へ。
○大量の荷を積んだ動物は、不安定な場所で、雪・氷に足を踏み抜く。動けなくなる・・・凍死へ。
○地すべりで大きく山肌がえぐられ、大きな垂直の崖に行き当たる。
○工兵たちは、少し上方に道を作る。・・・待つ兵士の体温はますます下がる。
○しかしそこを通過するうちに、氷・雪とともに地すべりが起きた。通過中の多数の兵・荷役動物が滑落。・・・怪我・凍死へ。
○夜間になり、移動が危険になり野営することになる。
○兵の中に絶望感が出始める・・・・勝手な移動・・・凍死へ。
○斜面・尾根で野営・・・かなりの軍は、フランス側の比較的平坦な地に戻る。
○寒さ対策のため、フランス側の森林のある下まで木を集めに行き、運びあげ、薪火で暖をとる。
○さらに雪は降り続き、吹雪も続く。・・・体温下がる・・凍死へ。

−−−−
<紀元前218年10月23日:アルプスの登り道から13日目。イタリアの平野まで残り2日>

○朝、寒さ・飢えなどで動けない者が多発・・・凍死へ。
○吹雪はまだ続く。
○まだ暗い時間から、工兵は新たな道の建設を始める。
○少しずつ軍は動き、下る。・・・ゆっくりした行軍・・・吹雪でさらに冷える。
○途中に大きな岩がありそれ以上進めなくなった。巨大で動かず、ハンマー・つるはし・斧などによる程度では壊れなかった。
○絶望がさらに全軍に広がる・・・独自の行動・パニック・・・凍死へ

  ・・・大吹雪が続く・・・ハンニバル軍に大きな絶望感が広がる・・・


●高度と温度
 山では100mの高度を増すごとに気温は0.6度Cずつ下がり、これに風が吹くと風速1mごとに体感温度が1度下がる。
 海抜0mの地中海から2700mの山(アルプスの峠)で、16度の気温差。風が5mあるとさらに5度・・・計21度の気温差
・・・もし10月末、海抜0mの地上が0〜10度なら、海抜2700mで5mの風が吹いていると、-21度〜-11度の体感温度になる。

●高山病
 標高2000m以上の山から起こる。頭が痛くなったり、吐き気が症状。治療には、そのまま横になるのではなく、一旦標高の低い所に下りて安静に。高い山に登るには、中腹で一泊し、高度に慣れてから山頂を目指した方が良い。

●凍傷
 凍傷は体の組織が凍結しておこる傷害で、気温が氷点下以下で起こる。

●凍死
 凍死は体温が低下(だいたい32度以下)して、体が正常に機能しなくなって死ぬことをいう。気温10度でも、雨風で体熱がどんどん奪われる状況下だと死に至る場合もある。

・参考URL:「山の基礎知識」
◎参考:歴史上の「山岳・凍死」事件

 ●前のポイント「Bbelvedere-du-viso2」← 【●ハンニバルの有力推定ルート】 →●次のポイント「Po川上流平地」
・・・皆さんの想定、推測情報などありましたらお願いしますハンニバル応援

参考資料:
 この記載情報はポリビオス(BC200-118)の記述による。これをもとにルートを推定・解説している本は以下のものである。
 ・Gavin de Beerギャヴィン・デ・ビーア 『ALPS and ELEPHANTSハンニバルの象』時任生子訳:博品社(G-page)
 ・John Prevasジョン・プレヴァス『HANNIBAL CROSSES THE ALPS ハンニバル アルプス越えの謎を解く』村上温夫訳:白水社(J-page)
 ・Hans Baumannハンス・バウマン『ハンニバルの象つかい』大塚勇三訳:岩波書房:(H-page)
 ・The Green Guide:『French Alps』2001 Michelin:(M-page)
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<ポー川の平原に下ります・・・・・>
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