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Col de St. Pantaleon
【v13a.jpg:サン・パンタレオン峠:アオスタの谷と下山祭り】

サン・パンタレオン峠Col de St. Pantaleon(1655/1645m)

アオスタ3峠のひとつ。チェルヴィーノが展望出来るはず【●峠DBへ
アルプス下山祭りの牛たちの脇を、ヒヤヒヤ・ソロソロ と

イタリア:アオスタ州】  [北村 峠一].(Kitamura)      

Aosta
【v063.jpg:グラン・サンベルナール峠を下りSt.Oyen〜Etroubles付近】

 グラン・サンベルナール峠をイタリア側に下ります。前回は高速道路のトンネルでスイスに戻ったため、このGrand Saint Bernard渓谷をアオスタに向かって下るのは初めてです。

 毎回感じることですが、イタリアはEU加盟、ユーロ通貨統合などの影響でしょう、建物や道路などがきれいになりました。物価の安いこの国から大量の農産物などの輸出が行われるようになったためでしょう。僕たち旅行者にとっても歓迎できることです。
Aosta
【v069.jpg:St.Oyen〜Etroubles付近:新しい石ぶき屋根の家ばかりになり、古い石ぶき民家は本当に少なくなった。旅情はあるが】

Aosta Aosta
【v070.jpg:南東方向:谷の先に見えるのは、アオスタとピエモンテ州境の山?】 【v075.jpg:】
Aosta-map
【アオスタの谷にある3つの峠
:左からSt.Pantaleone(1645m)/Joux(1640m)/Zuccore峠(1623m)】

 このアオスタに1500mを越える峠が3つあることを見つけたのは、1998年のCerviniaチェルヴィニアへの旅の後でした。余り有名でもないこの付近の峠、あまり見所もなさそうで、多分以前に知っていても立寄らなかったでしょう。でも峠制覇のためには、行ける所から少しずつ走っていかなくてはという使命感。

 その3峠は右の地図にあるSt.Pantaleone(1645m)、Joux(1640m)、Zuccore(1623m)。こんな目標を立てるのでアオスタの町にある古い遺跡見学はまたも素通りになります。

Aosta
【v105.jpg:南:Gran-Paradiso方面の山だろう。9月はじめで、すでに頂上に雪が見える】

Aosta
【v115.jpg:もうすぐアオスタの谷に入る】

warning-vest  このアオスタの谷には98年には工事中だった高速道路が開通済み。でも目的地が近いことと、「イタリアの高速道路に乗るときは警告反射ベスト着用」のルールが最近できたことを、スイス・チューリッヒのレンタカー営業所で聞いたのですが、「イタリア内は一般道のみ走り、ベストをわざわざ購入するのは止めよう」と10eur(1400\)ほどの節約を決めていたからです。
 アオスタの町からの一般道(26号線)約20kmは、前回(1998年)に比べて車が少なく道路整備もされた快適な道。高速道路への誘導が進んでいるのでしょう。

<アオスタAosta付近のサイト>

 ☆http://www.valledaosta-japan.com/【Valle d'Aosta観光ガイド】
 ○http://www.aostavalley.com/【Aosta Valley】
 ○http://www.regione.vda.it/turismo/contact_i.asp【Aosta Valleyを地図で地域ごとにリンク】
 ○http://www2.comune.aosta.it/default.asp【Aosta】

−−−
Col de St. Pantaleon
【Google-Earth:パンタレオン峠からMt.チェルビーノ(モンブラン)が展望できるという。
Chambave村からは丘の斜面をよじ登っていく】
 峠への登り口Chambave付近から見上げるアオスタ谷の北側斜面は、こんなところに道路や人家があるのだろうかと思えるほど張り出した壁面。26号線のChambave村の分岐を入ったところからすぐに、急な壁面をジグザグによじ登っていきます。

 氷河期(200万年前以降)、アルプスの各地の渓谷が削られ、その岩くず(モレーン)がポー川流域を埋め尽くし、今まで海だったピエモンテやロンバルディア一帯を陸にしたとのことです。
 (U字谷のできかた、氷河期のようす氷河のモレーン(堆石、氷堆石)なども参考に)
 その削られた斜面を登っていくのです。


【col-st-pantaleonには、Chatillon西のChambave村から急な壁面を登っていく。
丘の斜面の雰囲気は、Googleの3D写真でイメージがつかめます】

 丘の南斜面は低木のリンゴ畑が広がっている、見晴らしのいい道路。ただしアオスタ渓谷を背に、青空に向かってジグザグに登っていくので、方向がわからなくなります。時々現れる礼拝堂の塔と、集落の名前を地図で見ながら、道を間違えていないか確認しながら。

Col de St. Pantaleon
【v130.jpg:東方面:Chambave村から急な壁面をジグザグに登っていく。アオスタ渓谷にボールの壁面のように張り出した丘の面は周囲の見晴らしがいいが、方向がわからなくなる】

Col de St. Pantaleon
【v138.jpg:南:アオスタ渓谷と対岸の2500-3000mの山。南斜面にリンゴ畑が広がっている】

Col de St. Pantaleon
【v182.jpg:St-Denis付近の礼拝堂】

Col de St. Pantaleon
【v186.jpg:村に着くと分岐点を確認して】

 急に見晴らしのいい高原に出ます。Grand Villa(大きな村という意味)の牧草地と集落を越え、右手の山の背にある峠に向かいます。

Col de St. Pantaleon
【v200.jpg:Grand Villa(大村)風景。目的の峠は右方向】

Col de St. Pantaleon
【v203.jpg:集落ごとに礼拝堂の塔が建っている】

Col de St. Pantaleon
【v205.jpg:球状の丘の斜面なのでこんどは西の山が見えている】

<峠の名前にある聖パンタレオンのこと>

●峠の聖人】も参考に
・聖パンタレオンSt.Pantaleon(?-305年ごろ)。
・記念日:7月27日
・パンタレオンは、ニコメディアのローマ貴族の家に生まれた。父の意思によって医学を学び、またある司祭との出会いからキリスト教について学び、洗礼を受けた。医者となってからは、人々からも慕われ、評判が高まり、時の皇帝の宮廷づき医師となった。そして父の財産を継ぐと、それを貧しい人々や病人、孤児などに与えた。
 ニコメディアでキリスト教の迫害が始まると、彼の名声をねたんでいた医師たちは、彼がキリスト信者であると訴えた。そのため、彼は残酷な拷問を受け、処刑された。パンタレオンは、その名(憐れみに満ちるという意)が示すとおり、医学と愛の行いによって多くの人々を信仰に導いた。医師の守護の聖人とされている。

 ☆http://www.pauline.or.jp/【聖人カレンダー(7月)】
 ○http://www.in2greece.com/【Greeck Orthodox Saints】
 ○http://www.itmonline.org/【Body Theology】
Col de St. Pantaleon
【v212.jpg:村の教会には壁画も】

 林の中の道を走り峠らしい場所に到着しますが、標識はありません。ローカルな峠はそこに向かう標識はあるのですが、峠そのものに標識は無いことが多いので仕方ありません。【●峠DBへ

Cervin
【1998年に見えたチェルビン
(モンブラン)頂上】
 そしてやはり、楽しみにしていたモンテ・チェルヴィーノ(マッターホルン)は見えません。木々が茂り見晴らしがあまりきかないのですが、見えるのは雲の切れ目に少しだけ見えるアルプス方面の山と、Valtournenche渓谷の一部だけと、観光化するのはちょっと物足りない峠です。

 周囲には2−3台の車が停まり、何人かの村人が、籠などを持って周囲の林に入っていきます。土曜日で天気もいいので、家族連れでキノコや木の実など秋の収穫に山に向かっているようです。
(残念ながらトラブルのたあめ、峠周辺で撮影したデジカメ・データはでありません)
−−−

 峠を北に下り、比較的大きなスキーリゾートAntey-St.Andreの交差点に出ます。ここから南に下る406号線は、アオスタとチェルビニアの町をつなぐメインルートです。

 そのメインルートにもかかわらず、前方に牛の行列が道一杯に続き、数台の車がすでに渋滞です。実はこの土日、各地で「Alpabzug/アルプスの下山祭り/牛おろし祭り」が行われるとの情報は、日本でも把握していたので、ちょっと楽しみにしていたのです。秋、高い牧草地に草が無くなるので、冬の間低地の牧場に牛たちを下ろすのですが、その行列を祭りにしているのです。

 前方のトラックについてゆっくり付いて行きます。車のすき間からたくさんの牛の行列が見えますが、スイスの祭りのような牛への飾りや牧童の民族衣装は見えません。でも行列の最後にかわいい小学生が、棒を持って子牛を追うお手伝い姿が見えました。

Col de St. Pantaleon
【v222.jpg:前方、牛の行列。小学生が子牛を追っている】

 前のトラックが牛の脇に入り、この行列を追い越そうとしています。でも僕たちは以前の「ひつじの群れの中でのショルダー・アタック事件」があったので、ずっと後ろをゆっくりと付いていくつもりです。小学生の坊やがビデオカメラに気づき、ちょっと大人っぽく・・気取って・・子牛ばかりか、親牛をつついていうことを聞かせようとします・・・が、完全に無視されます。親牛にとって、子供なんか自分より格が下だからです。

Col de St. Pantaleon
【v233.jpg:ビデオカメラを意識している。親牛は子供のいうことは聞かない】

 子牛は脇道があるとすぐに遊び半分、道草に行こうとします。さすが牧童の子供、動きが早く通せんぼ。牧羊犬もすぐに走ってきますが、この犬あまり賢くないですね。さっきから牛に無視されていますから。

Col de St. Pantaleon
【v250.jpg:わき道に行こうとする子牛を、すばやく通せんぼ。さすが牧畜に慣れている。犬もすぐに走ってくる】

 しばらくゆっくりと牛の後をついていったのですが、道幅が若干広く前方の見通しもいい場所で牧童から「追い越せ」の指示が出ます。これほどたくさんの牛、怖いですね。でも「そろ、そろ」と進み、牛の脇に。おとなしい牛は右側通行で端を歩くのですが、気の荒そうな、ちょっと親分肌の元気者(牛)は道の真ん中、それも自由気まま。牧童が棒で突付いても、なかなか言うことをききません。車のすぐ前に「のっし、のっし」。あわてて牧童が駆け寄り、押し戻し・・・あの角が当たっても、レンタカーに保障は付けてはあるのですが。でも気が気ではありません「ひや、ひや」。

Col de St. Pantaleon
【v265.jpg:牧童が僕たちの車を、牛の群れの左脇を通そうと指示する。いうことを聞かない牛もいて、我が物顔に道路一杯に。大人の言うことだってなかなか聞かない】

Col de St. Pantaleon
【v271.jpg:この大きな牛の脇を通るのは、ちょっとヒヤヒヤもの。羊の例もあるので慎重に】

Col de St. Pantaleon
【v289.jpg:道脇のレストランでは、このシーンを楽しむお客さんたちが】

 その追い越しも、なんとか行列の先頭まで来たようです。一方、道の脇にあるレストランでは、この「アルプス下山祭り」の行列を、片手にワイン、片手にカメラ持ちながら楽しく見物。僕たちも早くどこかで宿とってワイン飲みたいですね。

動画動画

 牛のでかい迫力は、羊の比ではありません。あの身体でショルダーキックされたら??
「カウベル」「子供のお手伝い」「わがまま牛」「犬の吠え声」
  ・・・車中・逆光・ガラス越し撮影で、画質など良くありませんが、臨場感はあります。
 ●動画:MPEG4(mpeg4-05910.asf、1.73MB、2分17秒)を作ってみました。

 <●動画index、解説、トラブル対処なども参考に>

<アルプスへの牛・羊などの放牧(春・牛追いAlpaufzug)祭、下山(秋・牛おろしAlpabzug)祭 関係情報、サイト>

 ・時期:
  アルプスへの牛追い祭り・・6/11-26頃の土日:スイス・グリメンツGrimentz、ヴイソナVeysonnazなど。
  アルプス下山祭り・・9/10-25頃の土日:スイス・ハスリベルクHasliberg、シャルメイCharmy、グリメンツGrimentzなど。

 ○http://www.stoss.ch/fotoarchiv.html【スイス・Stoss村:アルプスへの牛追いAlpaufzug祭り(6/7頃)、下山Alpabzug祭り(9/17頃)】
 ○http://www.aeschi-tourismus.ch/【スイス・Aeschi村】
 ○http://www.regione.vda.it/【イタリア・アオスタ:牛追い:古い写真】
 ○http://images.google.co.jp/【Google画像検索:Alpaufzug(春)】
 ○http://images.google.co.jp/【Google画像検索:Alpabzug(秋)】

羊/ひつじ/Sheep、山羊/やぎ/Goat、その仲間(アイベックス/Ibex、シャモア/Rupicapra、シロイワヤギ/Oreamnos)なども参考に

<サン・パンタレオン峠Col de St. Pantaleon、Antey St.Andre、Chatillon付近のサイト>

 ○http://www.salitomania.it/【Col de St. Pantaleon峠紀行】
 ○http://www.antey.it/【Antey-Saint-Andre村観光情報】
 ○http://www.comuni-italiani.it/【Chatillon情報】
 ☆アオスタ付近のホテル検索クールマイユール付近イタリア全域のホテル:地図から検索も】

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