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【d02.jpg:サン・ペッレグリーノ峠の教会】

Passo di S.Pellegrino サン・ペッレグリーノ峠(1918m)

ここの峠には、あのミネラルウォーターの聖人の名前が付いています。【●峠のDBへ
Moenaモエーナの町で水・果物・非常食などを補給して・・

ドロミテ:Pale S. Martinoパーレ サン・マルティーノ・エリア】  
[北村 峠一].(Kitamura)     


 2日前に下ってきた峠道を西に戻ります。途中にある立派なParrocchia di S. Sebastiano 聖セバスチャーノ教会に立ち寄った後、北西に分岐し次の峠へと向かいます。残念ながら今日は雲り、周囲の山の眺めもあまり・・まあ、ガスった山もまた幻想的ですが。
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 数kmで貯水池と標識が現れました。Venetoヴェネト州と、Trentoトレンティーノ州の境です。周りを見渡しますが、峠の看板は見つかりません。まだなのでしょうか?

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【121/101.jpg:S.Pellegrino峠のSS346道路。左:Veneto側/右Trento側】

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【100.jpg:北側の眺め。貯水池がある。右がFalcade方面】

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【111.jpg:南の眺め。左がVeneto州Agordina】

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【123.jpg:峠の表示は、州境から2-3km西側】
 多分晴れていれば、周囲には雪をかぶった山や、ロッレ峠付近にあったような奇岩も見えるのでしょうが残念です。そして2-3km走った先で、おもむきのある教会と探していた峠の標識「Passo S.Pellegrinoサン・ペッレグリーノ峠(1918m) 」が現れます。【●峠のDBへ

 石壁を円柱状に積み上げ、三角の屋根を載せた教会は、なかなか歴史がありそうな建物ですが、鍵がかかり中には入れません。周囲の山に向かって、何本ものスキーリフトが走っていますから、Vallesヴァッレス峠なども含めた大きなスキーエリアなのでしょう。

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【145.jpg:峠の南側の眺め。東(左)方向がファルカーデ。正面霧の中の山がCol Margherita(2548m)のようだ。スキーリフトがある】

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【134.jpg:峠の北側の眺め。西(左)方向がモエナ】

 ところでこんなふうに、州の境(行政上の境)と分水嶺(地形的な境)が離れているところは、きっと歴史的ななにかがあるはずです。国境の場合は、だいたい大戦に関連するもの。モンスニ峠や、モンジュネーヴル峠のように、フランス・イタリア間の第二次大戦激戦地・休戦ラインに沿って、フランス領がイタリア側に侵入している箇所などがその例です。

 ところがここは州境、第一次大戦のチロルとイタリア国境の影響でもないようです。なぜでしょう。(仮説:峠の西側の勢力が強かったのでは?)

<サンペレグリノ (S.PELLEGRINO)
 の ナチュラル・ミネラルウォーター>

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 サンペレグリノは、イタリアでもっともポプュラーな炭酸入りのナチュラル・ミネラルウォーター。
この水に含まれる重炭酸塩が胃の調子を整え、消化を助ける働きがあり、また、きめの細かい泡が、適度に胃を刺激して食欲の増進に効き目があるのだそうです。

 サンペレグリノはロンバルディア州、ミラノの北東約70km、ベルガモから23kmのVal-Brembanaブレンバーナ谷の山の中。
1131年(または1224年)頃、この地で「聖職者ペッレグリーノ」が生まれ、殉教した。13世紀にはすでにこの地の鉱泉は有名で、1395年には現在のSan Pellegrino社も設立された。
レオナルドダヴィンチも、この水を飲んだ記録とのがある。
 この峠の名と同じ「S.Pellegrino -Passo di サン・ペッレグリーノ」は、ここから約200km西のBergamoベルガモの北にある村の名前。聖ペッレグリーノ(1131年頃〜)の出身地、かつ有名なミネラルウォータが湧き出る場所です。【●アルプスの聖者へ
S.Pellegrino -Passo di サン・ペッレグリーノ

 なんでそんなことを知っているのかというと・・実は、
 以前Webの読者(いちごさん)から、
「ガス入りの水で有名な、San Pellegrinoのふるさとに行ってみたい。ボトルにはSan Pellegrino Termeサン・ペッレグリーノ・テルメと書いてある。ぜひ訪れてみたいが、どんな手がかりでもいいので教えて欲しい」との質問をもらい、地図やガイドブックなどでその場所を調べ回答したのです。
 もう何年も前のことですから、きっといちごさんはあの村に行き、3カ所の泉源の水を飲み、温泉にも入ってきたことでしょう。

 その調査中に、北側の山脈Alpi-Orobieオロビエ・アルプスを越える「S.Marcoサン・マルコ峠(1985m)」を見つけ、今回の旅のルート計画に含めていたのです。しかし、ファルカーデ村での計画変更で、今回は見送りにしましたが・・

 今いるサン・ペッレグリーノ峠とその聖者との関係を、Webなどで調べてみると、
「1358年、この峠にHostel(ホステル)と教会が建設され、聖者ペッレグリーノの名誉ある名前をつけた」
との記録を見つけます。ホステルとは、ローマなどヨーロッパ各地にむかう巡礼の旅人が、悪天候などで遭難することの多い、険しい峠に設けられた避難・救援所です。セントバーナード犬で有名なCol du Grand Saint Bernard グラン・サン・ベルナール峠には、すでに11世紀末には設けられていました。さらに、
「現在の建物は、1915年第一次大戦でオーストリア軍に破壊され、1934年に再建されたもの」とありますから、この教会や近くに見えるホテルも歴史を持った建物だったのです。
s-pellegrino 【101.jpg:Patrimonio:教会基本財産】

 さっき通過した州境の標識を、改めて読んでみると「Patrimonio(伊)=Patrimony=教会基本財産」という文字が出ていました。この峠一体は、サン・ペッレグリーノ教会の敷地だったのです。そしてその行政区域がトレンティーノ州側のため、峠という分水嶺と州境が離れていたのです。

 最近「富士山の山頂は浅間神社の所有地」とのニュースがありましたが、この裁判の結果、山頂一帯は浅間大社のある静岡県富士宮市になったのでしょうか?

 風はないのですが湿った霧が押し寄せ、少し寒くなった峠を、西にVal di S.Pellegrinoサン・ペッレグリーノ渓谷(Adigeアディジェ川流域)を下ります。

−−−−
 Moenaモエーナの町で少し食料や水などを補充しましょう。市街地で無料駐車場を見つけるのはかなり苦労するのですが、タイミングよくおじさんが出るところでした。中心広場で比較的大きいスーパーを見つけ中に入ります。

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【154.jpg:Piazza C.Battisti中心広場の東側。左端がFamiglia-Cooperativa、右の赤の建物Central Hotel】

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【172.jpg:中心広場の西側】

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【d05.jpg:Bancomat銀行の壁にある壁絵。見たことがあるような・・誰の作品だろう?】

 レシートから、買ったものを列記してみました。
 ・ガス入りの水(1.5L)2本:0.51eur(約70\)+0.47(65\)
 ・サクランボ1箱(500gほど):2.42(330\)
 ・ナッツ2袋:1.45(200\)+1.75(240\)
 ・コーヒーアメ(150g):1.3(180\)
 ・パン(ミニ・クロワッサン4個):2.1(290\)

 水は1日1本のペースで飲んでいるのですが、ガス入りのほうがのどの渇きが取れうまいのです。こちらのサクランボは、安いしうまいと絶対お勧め。ナッツは私の健康食品兼非常食。アメは妻のもの、パンは昼用。

 日本のスーパーで同じものを買ったら、アメとパン以外の値段は多分倍はするでしょう。なぜこんなに価格差があるのでしょうか? ほとんどを輸入に頼り、輸送や中間業者への経費、関税の高い日本と比較し、こちらEU内の流通の違いなのでしょうか。

<San-Pellegrino峠/Moena関係のサイト>


 ○http://www.hotelmonzoni.it/【S.Pellegrino峠にあるHotel-Monzoni】
 ○http://www.girovagandointrentino.it/【San-Pellegrino峠、Falcade、Moena付近の歴史も】
 ○http://www.filibertoputzu.it/col_margherita_im_3495.htm【S.Pellegrino峠とCol Margherita山へのロープウェイ・ハイキングなど】
 ○http://www.passosanpellegrino.it/【S.Pellegrino峠周辺のスキー、ハイキングガイドなど】
 ○http://www.sanpellegrino.com/storia.asp【サンペレグリノ社のサイト:ナチュラル・ミネラルウォーターの歴史なども】
 ○http://www.comune.sanpellegrinoterme.bg.it/【本家:San-Pellegrinoの町:聖者の歴史など
 ○http://www.valdifassa.to/hotels/moena.htm【Moenaの市街地Map】
 ○http://www.fassanews.com/foto/index.asp【Fassanews.com:Galleria-Fotograficaには美しいWallpaper壁紙がたくさん】

<10時半、空は相変わらずどんよりとしています、雨にならないといいのですが。次のCostalungaコスタルンガ峠へと急ぎます・・・>

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