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【2da2.jpg:東に大きく輝くCivettaチベッタ山(部屋からの展望)】

Falcade ファルカーデ村

体力・気力回復のため、二日間をこの村でのんびりと。
このシェフは、いきりたって?・・何を言っているのだろう?

ドロミテ:Pale S. Martinoパーレ サン・マルティーノ・エリア】  
[北村 峠一].(Kitamura)      


 ここ数日は大忙しでした。海抜差の大きな表・裏のドロミテ街道一周の高山病のような苦しいドライブのことは以前に書きました。そのあとのチビアーナ村での3泊は、若いYさんとご一緒だったので、つい山歩きにも張り切り、遅くまで動き回り、峠めぐりなどのあともピエーヴェや壁画まわりなど、いつもなら3-4時には部屋でのんびりするペースが、夕食時間ぎりぎりまで動いていたのです。

 ここRolleロッレ峠からVallesヴァッレス峠を越えた後、またも車酔いのような頭痛感が出てきました。妻もかなり疲れきっているようで、峠でも車から降りない状態が続き始めます。次のS.Pellegrinoサン・ペレグリーノ峠に向かう間、ここFalcadeファルカーデ村でしばらくのんびりし、体力を回復させたいと谷を降りてきました。

 村はやはりシーズンオフで閑散としています。村の中心にあるツーリストオフィスも大工事中で休み。仕方なくホテルを探して少し走ってみましたが、村役場の正面の宿「Stella-Alpinaステッラ・アルピナ」がよさそうかなと立ち寄ります。

 よくあることですがフロントには誰もいず、レストランのほうにまわり、おばさん(どうやら宿の老マダム)に声をかけ、しばらくすると娘(多分老マダムの孫)が出てきます。学生風で英語の話せるこのぽっちゃりした娘は、久しぶりの英語にうれしそう。角の眺めのいい部屋を見せてくれます。ハーフペンション(夕・朝食つき)で2人で70eur(\9800)/泊と安い。それになんといっても、このファミリーの人懐っこい雰囲気が気に入って、これから2泊の宿をすぐに決めたのです。まだ2時すぎです。

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【1153.jpg:水辺のラン科の花
[ダクティロリザ]。
葉には蛇のような模様】
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【1174.jpg:宿の部屋から見る村の中心。右の建物が村役場、ちょうど大工事中。その左は歴史的建物。一番左は銀行など】
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【1d19.jpg:Focobonフォコボン山(3054m)と宿「Stella-Alpina」】

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【Falcade付近のmap:】
 日中からひと寝むりしたあとの風呂上り、村の中心にある200m四方以上もある大きな公園を散歩してみます。冬のクロスカントリー競技などのためにあるのでしょう、田舎とはいえこんな大きな公園を村の中心に持てるのは、本当にうらやましい限りです。

 その広場の南にある小川に向かって、横の岩山からきれいな水が流れ込んでいます。南西に見上げるFocobonフォコボン山(3054m)の分水嶺からはじまる流れ、Cordevoleコルデーヴォ川からPiaveピアーヴェ川を経て、アドリア海にそそぐ流れの源流です。夕日にたそがれてくる山の輪郭を見ながら、明日もまた山を見ながらのんびりとしようと決めます。
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【1126.jpg:Focobonフォコボン山(3054m)から流れ出す水が岩肌を伝って光る】

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【1116.jpg:北側の山並みが梢の向こうに見える。Cime.dell' Autaチーメ・デッラーウタなどだろう。右端はチベッタ】

Plan-Change
【当初計画ルート(緑)と、
計画変更ルート(赤点線)】
−−−−−−−−
 翌日の朝食後も、妻はまだ寝足りないとベットにもぐりこみました。旅に出て10日間、目一杯動いた疲れが出てきているのです。私のほうもまだ若干、頭の芯にドライブ疲れが残っています。当初想定していたルートと日程は、やはり無理、変更する必要がありそうです。

 ベッドの上に1m四方の白地図(1/30万地図のコピーを張り合わせた手製地図)を広げ、検討します。今日が18日(金)、22日(火)午前中に、Padovaパドヴァで古い礼拝堂の壁画見学を予約しているのです、この間の3日をどう動くか?

 当初の予定では、これから先10ほどの峠をつないで、かなり険しい山道を南下する予定をしていたのですが、この体力・平衡感覚・まだ半月以上も続く旅のことを考え、残りのドロミテエリアの峠はまたの機会に回すことにします。この宿で2泊の後、もう一箇所眺めの良さそうなところで2連泊し、高速道路で直接パドヴァへ向かうことに決めました。

−−−

 この先の計画を決めてしまうと、とたんに頭痛もおさまり、やっと目が覚めた妻にハイキングを誘います。歩けばこの平衡感覚は直るのです。宿でもらった近隣のハイキングマップを手に、昨日買っておいたパン、リンゴ、水などを持って散歩に、山を見ながら昼食にしようと。

 隣の村Caviolaカヴィオラの北斜面を一周する、2時間ほどの散策ルートが良さそうです。少し頭痛から来た寒気もあったので、安全のため厚手のシャツを着、さらにウインドヤッケのいでたちで歩き始めましたが、この日差しと温度ですぐに半そで一枚でも汗をかくことになります。

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【2193.jpg:Caviolaカヴィオラ村への道。ちょっとしたアパートにも宗教画の壁絵が描かれている】
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【2210.jpg:Caviolaカヴィオラ村を見下ろす。正面の尖った山はCma.Papeパペ山(2503m)】

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【2d41.jpg:右Cime.dell' Autaチーメ・デッラーウタ(2624m)】

 Cime.dell' Autaチーメ・デッラーウタ(2624m)の岩の連なりや、谷の向こうのCma.Papeパペ山(2503m)を見ながら、そして道傍のたくさんの花<●
アルプスの花図鑑へ>を撮影しながら、少し高いところまで歩いてきました。Focobonフォコボン山(3054m)がしっかり見えるTabiadon-di-Val谷のタビアドン集落(1260m)、Tabi旅をしている僕たちのためのような地名です。その木陰で持参した食糧でお昼にします。

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【2d47.jpg:左から:Lilium bulbiferum(ユリ科)/Dactylorhiza Fuchsii/Majalisダクティロザリ・マジャリス(ラン科)/?/?/?/Vicia-sylvatica(マメ科)/Phyteuma(キキョウ科)     <●アルプスの花図鑑へ>】

falcade falcade falcade 【2d36.jpg:Focobonフォコボン山(3054m)とTabiadon-di-Val集落(1260m)】 【21d3.jpg:新しい家にも家族の団欒の壁絵などが】 【2258.jpg:村はずれの祠にはマリアの絵も】

 3時間ほどの散歩のあと、またも昼寝をする妻。私はベランダで次の旅ルートの検討です。

−−−

 夕食後の8時半から、村の散策に出ます。夕日が山の先端だけ光らせ、周囲の景色の美しさに惹かれたからです。それに昨日から2/3以上寝てばかりいる妻が、夜寝れないのではと心配したからです。

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【2d93.jpg:西側の眺め:左:Focobonフォコボン山(3054m)】

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【2d96.jpg:東側の広場の眺め:正面はCivettaチベッタ山】

 日本ならいくら夏でも夕方9時には真っ暗ですが、ここドロミテは緯度が高いことと、夏時間で本来の8時、たそがれ時の村の風景も十分に楽しめます。この昔ながらの木の牧草小屋を、きれいに保存しながら住んでいる人には、ドイツ系の顔立ちの人が多いように見えます。3日ほど前に行ったゾッペ村でもそうでしたが、このように眺めのいい村の古い建物に移り住み、壁絵も含め見事に保存、村全体すらも美しくする才能が彼らにはありそうです。
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【2da3.jpg:夕日に浮き上がるFocobonフォコボン山(3054m)】 【2da9.jpg:木の牧草小屋がこの村の特徴的建物。今でも農耕用に用いられているのは珍しい】

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【2db0.jpg:牧草小屋と同時に、宗教画の壁絵もいくつか見られる】 【2db8.jpg:】
−−−−−−−−−−−−−

 この宿の食事のことで、印象に残る事がありました。2人で夕・朝食つき70eur(\9800)は日本では信じられない価格、さらに直前に泊まったチビアーナ村の72eur(\1万)より安いのです。ここの食事の味のよさもまた皆さんへお勧めです。下の写真がその2回の夕食。いつも食べ始めてから思い出し撮影するので、見栄えはよくありませんが、味はすばらしいのです。 最初の日の夕食時は、あの部屋を案内してくれた娘が席に来て、イタリア語のメニューを英語で説明してくれ、注文したのです。

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【1d21.jpg:初日(17日)夜:パスタ(バジリコ・オリーブオイル/ツナ・トマトソース)、ポークステーキ、メロン・ハム、フルーツ盛り合わせ】
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【2da5/2da6.jpg:18日夜:わざわざ英語の手書きメニューを作ってくれた。
きのこ、パスタと豆のスープ、小エビのカクテル(ソース添え)、鶏胸肉】

 そして2日目の夕食、席に用意されているイタリア語で書かれたメニューを読んでいると、ウエイトレスが英語の手書きメニューを持って来てくれます。どうやらあの英語の出来る娘が今晩は用事があるため、事前に英語で書いておいたもののようです。

 さらに驚いたことに、なんとメニューの内容がイタリア語のメニューとも違い、僕たちだけのためにわざわざメニューまで変えて作ってくれたようです。こんなことは初めて、普段は読みにくいイタリア語、ドイツ語のメニューを元に注文していたのですから。大感激です。

 ところが話はこれからです。
 出発の朝食時に、いかつい体格の料理人が僕たちの席に来て、イタリア語で何かをまくし立てるのです。はっきりはわからないのですが、どうやら、
「昨夜の料理は、何を食べたのか?」と聞いているようです。
なんの目的かわからないのですが、昨夜の料理を思い出しながら、持参した「料理の5ヶ国語変換表」を見せながら回答します。
「一人が豆のスープと、パスタ。もう一人が小エビと鶏だったはず」
が、そのシェフは
「そんなはずはない。昨夜のメニューの中に、小エビなどの材料はない」と。

 写真に撮った証拠を見せようと思ったのですが、残念ながら昨夜のうちに映像データはMOにバックアップして、カメラからは削除してしまっていました。しかたなく、さらにいろいろな単語を見つけて説明しますが、彼は頑として納得しません。 少し馬鹿にしたようなその態度に、こちらもむっとして、
「昨日のウエイトレスを呼んでくれ」と

 しばらくして昨夜来たウエイトレスが出勤して、この料理人とかなり激しい口調で話した後、状況を理解したらしく、やっと、小声で
「あなたの言っていたことが正しかった。ソーリー」と言いに来ました。

 状況から、いろいろなことを想定して見ると・・
・この料理人がこの宿のシェフ(責任者)で、
・数日滞在する客については毎日何を食べたかを記録に残し、次の日の料理などに反映させることにしているのだが、
・まだ今シーズンの営業を始めたばかりだったため、昨日までは部下の料理人が作っていた。そしてこのシェフはこの朝が初出勤。
・この日本人が何を食べたかの記録が残っていない。昨夜のウエイトレスたちもまだ出勤していない。そこで客の僕たちに直接聞きに来た。
・ところがチンプンカンプンの会話。食べたはずの無い料理名を言うので、つい馬鹿にしたような態度に・・・?


 出発の荷物を整理しながら、すごくフレンドリーで大満足だったこの宿の人たちの思い出が、この横柄なシェフの態度ですっかり台無しになってしまったことを感じます。 チェックアウトするとき宿のオーナーに、あのシェフの態度の悪さを一言クレームしようと、こんな風に言おうと言葉を見つけながら、ホテルのフロント・カウンターに降りていきます。
ホテルの老マスター
【クリックで鼻毛のあるサイト一覧】

 ところが、そこに出てきたフロントの人の外観に唖然として、クレームを言うのを止めてしまいました。多分70歳近いお歳でしょう、でもしゃんとした老人です。雰囲気からみてこの宿の老オーナー。あの老マダムや、時々見た奥さんや、親切な孫娘たちのおじいさんと見受けられました。

 なにがそんなに唖然としたか・・・それは彼の立派な「鼻毛」です。
 それは鼻ひげではなく、鼻毛です。生まれてはじめて見る・・圧観なのです。

 鼻の穴から、白髪交じりの剛毛が、フデ先のような束になって、なんと2-3cmほども飛び出しているのです。不慣れな手つきでパソコンを操作しながら、クレジットカードの処理をするその手先と同時に、実に立派なこの鼻毛をじっと見ていると、あんな小さなクレームのことなど些細なこと、という気がしてきたのです。

falcade falcade
【22a8/22d6.jpg:西の丘の上にあるParrocchia di S. Sebastiano 教会と、第二次大戦の慰霊碑】

<Falcade関係のサイト>


 ○http://www.stellalpina.com/【泊まったファルカーデの宿:Hotel-Stella-Alpinaアルプスの星「エーデルワイス」】【●ドロミテ・エリアで利用した宿紹介
 ○http://digilander.libero.it/parrocchiafalcade/【Parrocchia di S. Sebastiano, Falcade 】
 ○http://www.falcade.com/【ファルカーデ村の案内】

 ○http://www.summitpost.org/【Marmolada Groupマルモラーダ山群の解説】

 ○http://www.newcastle.edu.au/discipline/fine-art/pubs/lavater/lav-p23.htm
 【DIGITAL LAVATER:(Johann Caspar Lavaterジョハン・キャスパー・ラーバター(1741--1801)スイスの神学者)のたくさんの作品=肖像画
  :イラストを見ても、鼻ひげはあるが、鼻毛の絵は見当たらない】

 ありがとうファルカーデ村。ありがとうHotel-Stella-Alpinaステッラ・アルピナの宿のみなさん。

 イタリア語の辞書を引いてみたら、Stella-Alpinaはアルプスの星、「エーデルワイス」の意味でした。立派な鼻毛のおじいさんをはじめとする3世代の家族の、親しみのある態度が、旅人の疲れを取りかつ元気にしてくれたのです。 あのちょっと態度の大きなシェフも、あと2-3日いれば彼のいい面もたくさん見えたかもしれません。またチャンスがあれば遊びにきましょう。このエーデルワイスの宿に。

<活力がかなり回復し、S.Pellegrinoサン・ペレグリーノ峠に向かいます・・・>

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