「Tirolチロル伯領」＝北・東・南チロルと、トレンティーノ、ベッルーノ(ドロミテ街道)
オーストリア(チロル州、ザルツブルク州、チロル州[東チロル])。
イタリア(トレンティーノ・アルト・アデジェ州(ボルツアーノ県=南チロル、トレント県)、ヴェネト州(ベッルーノ県)

【全体(赤色)がチロル伯領。南チロル(緑)、トレンティーノ(青)、黄色がイタリアに。東チロルは北チロルと接していない】

【コルチナやアラッバなどドロミテ街道周辺地域は、ベネト州ベッルーノ県に】

オーストリアと、イタリアにまたがる「Tirol チロル」という場所は、中世以来　ハプスブルク家の所領の一つ「チロル伯爵領/Count of Tyrol/Graf Tirol」でした。

フランス・ナポレオン軍がヨーロッパ各地で領土争いをしていた1803-1815年頃、同盟国ドイツ・バイエルン王国に割譲されたチロルを救おうと、「Andreas-Hoferアンドレアス・ホーファー」は、ナポレオン軍を２度も破り、現在でもチロルの英雄として慕われていて、この地元の結束・愛着も高めています。

第一次世界大戦末期、中立国イタリアは、秘密協定を結び連合国軍に参戦。1919年9月10日、敗戦国オーストリア帝国と戦勝諸国の間で結ばれたサンジェルマン条約で、チロル伯領の内、ブレンナー峠のあるアルプスの分水嶺に沿って、南側をイタリアに割譲させたのです。同一言語・文化の国・地域を、地理的条件で分離しイタリアに併合したのです。

右図のように、「南チロル/Sud-Tirol/Alt-Adige県」、「トレンティーノ/Trentino県」、コルチナダンペッツォやアラッバなどドロミテ街道周辺を「ベルーノ/Belluno県」に・・

これは大きな問題をいくつも発生させました。
まず、オーストリア側では、東チロル(Ost-Tirol)エリアは、インスブルックなど北チロル(Nord-Tirol)と同じチロル州ですが、周囲をアルプスに囲まれた飛び地のへき地になってしまいました。
　⇒1967年になってトンネル(Felber Tauern Strasentunnelフェルバータウエルン・トンネル)が完成。チロルの州都インスブルックには、ザルツブルク州を経由して行く事になります。

イタリア側では、解決に長時間を要する問題を発生させました。
南チロルはドイツ語圏なのですが、強硬なイタリア化政策＜言語・苗字の変更、ドイツ語人民を国外退去させるなど＞で迫害する政治にチロルの民衆は戦ったのです。＜●南チロル問題　も参照＞
・・すでに100年経過しましたが・・徐々に・・今でも

コルチナ・ダンペッツォ周辺は、チロルでも有数のドロミテの山の展望と、国際的な有名観光地だったのです。ところが、ここ周辺は少数言語「ラディン語」地域だったので・・、イタリア語政策でラディン語の谷を分割。コルチナ・ダンペッツォ、　コルディ・ラーナ、　コッレ・サンタルチアは、ベッルーノ県に併合。オルテガゼ、ガルティーナなどは南チロル県、ファッサ、カナツェイなどはトレンティーノ県に行政分割させられたのです。

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問題解決に向けての100年・・の経緯は順次・・

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2018年all-map

2018年の旅・・チロル伯領(北東南チロルとベッルーノ、トレンティーノ)の谷・峠を巡り、ハイキングを。
21の峠、18の谷先端、14個所でのハイキング、走行距離約1850km、23日間の充実した旅。
⇒2018年(X18-st)

[北村峠一](Kitamura)

　●＜＜＜=2018.7.23

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