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Ponte di Legno
【d633.jpg:ポンテ・ディ・レーニョの中心広場とプレザネッラの雪山】

Ponte di Legnoポンテ・ディ・レーニョ

ガビア峠、トナーレ峠の分岐のリゾート地。
ホテルのマダムは窓から指を差しながら、駐車場を案内してくれます・・まるで見えているかのように。町の暖かさも感じる心打たれるシーンです。

ロンバルディア州ブレシア県】   [北村 峠一].(Kitamura)      


 世界遺産のCapo di Ponteカーポ・ディ・ポンテ(「橋の先端」の意味)から、目的としているGaviaガビア峠へ行くには、国道42号線を北上しPonte di Legnoポンテ・ディ・レーニョ(「木の橋」の意味)で分岐、北に向かうのです。

【(下中)Capo di Ponte〜Edolo〜Ponte di Legno〜Gavia峠(上)】
●クリックで拡大

 途中のEdoloエドーロから西に向かう道は、N-Site(2001年)に通過した道に合流します。ここからトナーレ峠方面への道は、すれ違いが出来ないほどの狭いトンネルを通過するのですが、前回はここに「ガビア峠はClose通行止め」と出ていたのです。今回は無事「Open通過可能」の看板がかかっています。

 さらに東の郊外に出ると広い街道に入り・・・ヴァル・カモーニカ渓谷にそったルート・・・Vezza d'Oglioヴェッツア・ドリオの避暑地の村・・・正面にトナーレ峠の南の山、La Presanella(3200mクラス)の雪山・・など、前回と同じように空も晴れ渡り山もくっきりと見えています。

Edolo Edolo
【N-Site(2001年)通過時のEdolo〜Ponte di Legnoの道です。クリックでN-Siteへ】

【Ponte-di-Legnoの市内:クリックで全体を表示】



 そしてPonte di Legnoポンテ・ディ・レーニョの町に入ります。まだ3時、ガビア峠を越えることも可能なのですが、若干疲れも出てきたし、せっかく楽しみにしてきたガビア峠。前回道路閉鎖でいけなかった峠ですから、明朝ゆっくり堪能しようと今日はこの町で泊まることにします。

 まずは宿探し、インフォメーションで宿をいくつか紹介してもらい、価格と相談です。地図で見ると、町の中心部は一般車通行止めになっていて、宿も1☆か2☆の低ランクのホテル、周囲の交通の便の良い場所に3☆、4☆ホテルが分散しています。どこのリゾート地にもいえることですが、車が入れず宿の拡張も困難な旧市内から、徐々に周囲にホテルは移っていくため、町の中心には安く、そして設備も良くない宿が残るのです。

 1泊だけ、そして夕食も町の中のスーパーなどで購入し自室で食べようと決め、2☆の宿を訪ねてみることにします。
Ponte di Legno Ponte di Legno
【d743.jpg:この建物の間をぐるっと回ったむこう側に宿の駐車場がある】【d741.jpg:インフォメーションで宿をいくつか紹介してもらう】

 「Albergo Bella Milano宿ベッラ・ミラノ:<地図の8番の位置>」は、町の通りに面した古ぼけた商店のすき間、その階段を登ったところに、ホテルの受付があります。が、出てきた40歳ほどのおばさんに、ちょっと異様なものを感じます。話しながら観察して気づいたことは、目が完全に白濁していて、何も見えていないのです。でもそのマダム、
「空き室あるよ」「値段は一人33.5eur(≒\4600)」「朝食は7:30から」・・
 僕たちの質問に次々と答え、あたかも見えているかのように、価格表や、朝食の部屋、説明の掲示物などを指差すのです。最初一瞬どうしようかと思ったのですが、この全盲にもかかわらず宿を切り盛りしているマダムに感心し、ここで引き返すわけにはいかないと泊まることに決めます。

「キーはこれ。部屋はこの上のフロアだよ」  目が悪い方でも、毎日のことで慣れれば出来ることなのだと感心していたのです。 いくつかの質問の後、
「車はどこに置いたらいいのか?」と、質問してしまってから「目の見えない人に、ちょっとまずい質問をしてしまった」と反省します・・が、マダムは、
「私についてきなさい」 と階段を登り、僕たちの泊まる部屋をキーで開け、西側の窓辺に立ちます。
「あのインフォメーションの脇を下り、すぐ横にある、あの建物の間をぐるっと回って下側に駐車場があるので、そこに停めて・・」
 彼女は、あたかも見えているかのように、数10mほど先のインフォメーションと建物を指差しながら話すのです。

 普通ならサングラスのようなもので隠すだろうその目を、堂々とお客に見せ、質問に具体的に指差しながら説明するその姿、そしてその話を聞いている自分自身。数歩後ろに居て、この光景を見ているもう一人の自分を感じながら。・・・こんなすばらしいことが現実に、目の前にあるのだと、感動のシーンでした。

Ponte di Legno
【d739.jpg:Albergo Bella Milano宿ベッラ・ミラノの窓から見下ろす、町の中央通り】

 パスポートを一時預かり、その番号をテロ対策などのチェックのために写し取るのですが、駐車し荷を宿に持ち帰ってきたときには、10歳くらいの女の子が、お手伝いで書き写し返却してくれました。その下の弟や、まだ4−5歳の妹も宿の手伝いをしていましたから、夕方の宿泊客の受け入れ時から朝食までは、このマダムと子供がいれば何とかなるのです。翌朝のチェックアウト時には、多分ご主人と思われる人がクレジットカードの処理をしてくれます。その時間帯だけ手伝えばやっていけるパターンのホテル経営が確立しているのでしょう。

 今までアルプスエリアで200泊ほども宿をとったのですが、目の悪い方が、そればかりか完全に目が見えない人が中心になって経営しているホテルに泊まるのは初めてでした。想像するに、親が経営していた宿の娘として生まれ育ち、目が悪いなりにホテル業の手伝いをしてきたのでしょう。町の人たちの暖かい支援もたくさんあったに違いありません。そして結婚、3人の子供が産まれ、両親が老齢となった今、彼女が中心になってその宿を切り盛りすることになったのではないでしょうか。

 10年ほど経てば、あの長女も育ちあがり、徐々に宿の設備なども改善出来るでしょう。そして2☆から3☆へとランクが上がっていくことを期待しています。その頃またこのホテルに泊まりに来たいですね。

<Albergo Bella Milanoベッラ・ミラノ の情報>

・☆☆、B&B:33.5Eur/人(2004.6現在)
・Corso Milano 26:添付地図の8番・・町の中心通り
・Tel:90.04.99/Fax:90.05.09
・bella-milano@numerica.it
Ponte di Legno Ponte di Legno
【d634.jpg:町の中を流れるFiume-Oglioオリオ川】 【d636.jpg:教会の壁面の聖人たち】

Ponte di Legno
【1028.jpg:Oglioオリオ川と屋根付きの木の橋。市民の通路】

 この町から見る周囲の雪山はすばらしいものです。東南に見えるのは、トナーレ峠からも見えたLa-Presanellaプレザネッラの3000m以上の雪山の連なり。南にはAdamelloアダメッロ連峰の山々が夕日、朝日を浴びて輝きます。この風景と雪にとりつかれ、たくさんのスキーヤーがこの町に泊まるのです。

Ponte di Legno Ponte di Legno
【e620.jpg:東南の山:トナーレ峠からも見えるLa-Presanellaプレザネッラの3000m以上の雪山(午後の陽を受けている)】 【d738.jpg:宿の部屋から見る山。今日もいい天気になりそうだ】

Ponte di Legno
【d746.jpg:南:Adamello連峰の山々(朝の陽ざし)】

<Ponte di Legno付近のWeb-Site>

 ○http://www.comune.ponte-di-legno.bs.it/【Ponte di Legnoガイド】
 ○http://www.artemotore.com/alberghi/pontedilegno.htm【Ponte di LegnoのHotel】
 ○http://www.vallecamonica.info/【Valle Camonica情報】
 ○http://www.berann.com/panorama/archive/image/PN_I_097.jpg【Ponte di Legno付近のパノラマ地図】
 ○http://www.dovesciare.it/cartinatonale.htm【Tonale峠/Ponte di Legno付近のパノラマ地図】
 ○http://www.pontedilegnoturismo.it/img/foto/mappapiste.jpg【Ponte di Legno付近のスキー/ハイキングマップ】

<翌朝、期待通りのすばらしい青空です。楽しみにしていたガビア峠に向け出発です・・・>

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