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pesarina渓谷の傾いた教会

Sella-Valcadaセッラ・ヴァルカーダ峠(958m)、
 Val-Pesarinaペザリーナ渓谷  【●峠のDBへ

 この先の峠ルートは、あまり迷わずに西に向かいます。1975年の大地震はこの地に約千人もの死者を出したのです。傾いた教会、再建した家々・・峠を越えてから宿を見つけようと先を急ぎます。
[北村 峠一].(eu-alps)      


 Timauティマウ村が見えてきました。「パオロ・サントニーノ」はこの村で泊まり、ティマヴスという泉、銀鉱山のことを書いています。銀が取れるという割にひなびた村です、今はもう掘り尽くしてしまったのでしょうか。

plocken
【83.jpg:峠の直下のTimau村。国境の警備隊の建物もあるらしい??】

it-at-all-map
【イタリア・フリウリ州、ヴェネト州、オーストリア南部の峠全体図】


【フリウリ→ヴェネト間の通過峠の検討:ピンクのルートにしよう】
 この先、フリウリ州からヴェネト州の境にある、いくつかの峠の走り方について検討が必要です。が、前回悩んだようなことは少なく、今回の判断は比較的即断できました。目標としている1500m以上の峠をつないで走るルートです。そのためには、Paluzzaパルッツァ村付近で西に向かうのです。

この周辺の目標峠と優先度検討:◎は優先度大
標高
(1500m以上は◎)
峠名道路名
ランク
分水嶺ランク:川名
(大分水嶺は◎)
優先度
1797m◎
(49-2位)
Sella-Ciampigotto
チャンビゴット峠
R619中分水嶺:
Tagliamento川支流→地中海:Piova→Piave川→地中海
必須
1760m◎
(52-6位)
Sella-di-Razzo
ラッゾ峠
R619中分水嶺:
Tagliamento川支流→地中海:Piova→Piave川→地中海
必須
1542m◎
(65-4位)
Forcella-Lavardet
ラヴェルデート峠
R465中分水嶺:
Pesarina→Degano→Tagliamento川→地中海:Frisan→Piave川→地中海
必須
1425m
(72-C位)
Pura -Passo-di
プーラ峠
林道レベル?小分水嶺:
Tagliamento川支流→地中海:同支流
優先度低
1295m
(82-2位)
Mauria -Passo della
マウリア峠
R52:国道レベル中分水嶺:
Tagliamento川→地中海:Piave川→地中海
優先度低
0958m
(104-2位)
Sella-Valcadaヴァルカーダ峠R465小分水嶺:
But→Tagliamento川→地中海:Degano→Tagliamento川
優先度低

 比較的すんなりと分岐点もわかり、Comegliansコメリアンス方面の道路標識も出てきます。しかしこのR465の道、狭いのです。特に民家のある村の道幅は・・・。ビデオで見る写真は、もうすぐ雨が来そうな風景ですね。実は午後の太陽をほぼ正面に見るため、逆光であまり風景も良くないのです。暗い村、狭い道、少し憂鬱になってしまうようなドライブです。

 Sella-Valcodaセッラ・ヴァルカーダ峠(958m)【●峠のDBへ】は多分このあたりだと思われるのですが、標識も出てきません。もっとも1000m以下ですから、いちいち標識出す意味もありませんが。

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【193.jpg:Paluzzaで西へ。Sutrio、Cerciventoの狭い道が続く】

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【1c0.jpg:Sella-Valcodaは多分このあたりか? Comeglians村の家並み】

 明るい家並みが見え始めました、Comegliansコメリアンスの村です。
 この村、1976.5.6に大地震があり、壊滅的な被害を受けたのです。約千人もの死者が出、石造りのほとんどすべての家・教会が崩壊したのです。その記録写真から見る悲惨さ、世界中からの支援、復興の記録を、村はWebに記録として残し、感謝と追悼をしているのです。

<●イタリアの地震関連の情報>


イタリア国内の過去100年以内に発生した主な地震の発生場所
   (日本地震工学会の資料から)
 ・http://www.regionefvg.com/terremoto/
  【1976.5.6の大地震とその復興の記録写真:Avanti→で。約千人の死者が出た】

 ・地中海周辺の地震年表
  【1693年以降のイタリアの主な地震と死者の数】
   1693/01/11:南部・島:8万人、
   1908/12/28:南部・島:11万人
   1915/01/13:中部:3.3万人
   1976/05/06:北東部:930人
   1980/11/23:南部:4,700人
   2002/10/31:南部:29人

 ・日本地震工学会
  【Molise,ITALYの地震】

 ・ヨーロッパの地震地質構造
  【日本地下水学会:V.V.Beloussov他】


 イタリアは火山帯で、かつ南からのアフリカプレートに押し上げられているので、日本と同じように地震が多いのかと思ったのですが、それほど多くないようです。さらに南部に比べ北部アルプスエリアはさらに少ないようですね。
(僕たちのヨーロッパでの旅総日数(150日以上)の間にも、一度も感じたことがないのです)
 しかし、イタリアの古い民家のかなりが、石造り。さらに高い塔や、丸屋根の教会はあそこで地震に遭遇したら、一目散に逃げだしたほうがよさそうです。

(参考:オーストリアの大型地震年【東部アルプスエリアに多い】)


 Comegliansコメリアンス村でR335を横切り、道はさらに西へ。急に前方に険しい山並みが見えはじめます。手前がMt.Plerosプレーロス山(2314m)、遠方がCreta-Forataクレタフォラータ山(2463m)。午後の逆光であまりはっきりとはしない、雪なのか白い岩肌なのか?・・・この付近の岩山もドロミテ連峰と呼ぶようで、Strada-delle-Dolomiti-Carnicheドロミテ・カルニッシュ街道という周回の観光ルートが出来ています。

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【1d0.jpg:R355の分岐点に左に。そして右にPesarina渓谷へ】

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【1d8.jpg:Mt.Plerosプレーロス山(2314m)、Creta-Forataクレタフォラータ山(2463m)の恐ろしげな岩山が、午後の逆光の中に見える】

 Pesarinaペザリーナ渓谷の入口の家々もまた、新しそうな木造の建物と教会が目立ちます。やはり地震の後で作り直したものなのでしょう。「旅愁?どこに行っても同じような建物?」などという贅沢を言うのは止めなくては・・・

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【215.jpg:Avausa村】

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【219.jpg:Avausa村の新しい教会が見えてくる】

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【233.jpg:またも正面にあの山が・・・Mt.Plerosプレーロス山(2314m)、Creta-Forataクレタフォラータ山(2463m)】

 Prato-Carnicoプラト・カルニコの村の教会、一瞬何かが変(?)と思ったのです。近づくにつれその建物が左に傾いているのがはっきりとわかります。「Saint Canciano聖カンチャーノ」の古代の教区教会。きっとあの地震と、川に沿った地盤のせいなのでしょう。

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【238.jpg:Prato-Carnicoの教会、よく見てください・・傾いています。地震と地盤の関係でしょう】

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【250.jpg:村の観光のために駐車スペースをやっと作った感じです】

 午後3時をかなり回って、そろそろ今晩の宿を見つける時間になっています。しかし、Prato-Carnicoプラト・カルニコの村、その先のOsais村、Pesariisペザーリイス村と、探せば宿はありそうでしたが、かつて地震があったという情報、あの傾いた教会、狭い道・・・ちょっと脇に駐車して宿を探そうという気が起きずに・・・

pesarina pesarina
【265/279.jpg:Prato-Carnicoの村】

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【285.jpg:Osais村からPesariis村】

<セッラ・ヴァルカーダ峠Sella-Valcada(958m)、ペザリーナ渓谷Val-Pesarina周辺のWebサイト>

 ○http://www.valpesarina.org/mappa_carnia.htm
  【Val Pesarinaの観光ガイド】
 ○http://www.regionefvg.com/cittaepaesi/UD/citta%20nordovest.htm
  【http://www.regionefvg.com/→Citta e paesi del Friuli Venezia Giulia/Udine/UD-Nord-Ovest】

 村のはずれに来てしまいました。そして恐ろしげな峠道に突入です。少し薄暗くなっても来ました。

<Venetoヴェネト州、Cadoreカドーレとの境界の峠はすぐそこです・・・>
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