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テルチ Telc
【r658b.jpg:テルチの旧市街は3方を池に囲まれ、その水はドナウに】

モラビアとボヘミヤの分水嶺:テルチTelc周辺

東はドナウ川、西はモルダウ〜エルベ川。実はベトナムの人・・

チェコ:モラビア地方】 [北村 峠一].(Kitamura)      

●RYBNIKため池とルピナスの群生


 日本を出発する前、ここテルチ付近にある西のVltavaヴォルタバ(モルダウ〜エルベ)流域、東のディジェ川(Dyje〜ドナウ)流域の分水嶺、海抜700mほどの丘陵地、蛇行した川、草原、湿地(?)などはどうなっているのだろう、是非現地に行ってみようと思っていたのです。
エルベ川:ドナウ川流域 【赤は分水嶺:北西Vltavaヴォルタバ流域、東ドナウ流域】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【赤い線が西=ボヘミヤ(モルダウ〜エルベ川流域):東=モラビア(ディジェ〜ドナウ川流域)
の分水嶺。テルチから緑のルートでドライブ】
 町の観光案内所で、「この付近の分水嶺・・Dyje川-ドナウ川:Vltava川:エルベ川に関連したものはないか」と聞きます。Infoの中にいた5人いた女性全員が集まってガヤガヤ・・そして、
「Water-Boader・・その分水の地理は知っているが、全部低い丘ばかりで、アルプスのような・・分水が分かる山や峠や斜面、観光などはないです。・・そんなことを聞く客も居ません・・」と笑われてしまいます。

 でも懲りずに翌朝、泊まったホテルのお姉さんに、白地図に分水嶺を赤く書いた図を見せながら話を聞きますが・・やはり、
「この付近はDyje川でドナウ川に流れていますが、どこがVltava川との分水なのかなどは知らない」とのこと。北に北海、東に黒海に流れていく分水といっても、たった7-800mほどしかない丘は何の変化もないものなのでしょう。

 結局日本で自分で書き込んだ分水嶺地図、30万分の1の地図に流域の境界をマーカーペンで書き込んだ地図だけを頼りに、うろうろとドライブに出発です。

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【r619.jpg:Rasnaラスナ地区】

 テルチTelcの北西のRasna(ラスナ?)付近で中高校生がキャンプを終え、バスに乗ろうとしているのを目撃、そのキャンプサイトのような看板付近に車を停め、林の中に入って見ます。やはりそこはRybnikという自然公園、かわいい小学校の低学年の子供たちが先生に指導されながらゲームをして遊んでいました。貯水池では日光浴や泳ぎをしている人たちもいて、この付近の自然の中の遊び場です。

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【r625.jpg:左の林の中に貯水池・自然保護エリア。右側にキャンプサイトがある】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺 モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【s825.jpg:林の中で幼稚園?小学校低学年の子供たちが先生に指導されながらゲームをしている】 【s827.jpg:prirodni rezervace自然保護エリア、velky大/Good、Rybnik地名、Hranice prirodni pamatky自然保護区域】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺 モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【s826.jpg:Rybnikリュブニク自然保護エリア図】 【s823.jpg:Rybnik自然保護区。テルチ城の水はここから流れている】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【s829e.jpg:Rybnikの貯水湖。日光浴や水浴びをしている人たちも見えた。左が塞き止めた堤防】

 その北の分水嶺付近の道路わきには、ルピナスの群生が一杯です。このマメ科の植物の学名はLupinusルピナス、ラテン語の「lupus(オオカミ)」が語源とか。しっぽの形から来ているのでしょう。さらにどんな土地にも育つたくましさからつけられたものと言いますから、この付近は、それほど肥沃な土地ではないのでしょう。

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【s836e.jpg:分水嶺付近にはルピナスの群生があちこちで見られる】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【s837.jpg:ルピナス、マメ科、学名Lupinus、ルピヌス属/ハウチワマメ属:Lupinus(ルピナス)は、ラテン語のlupus(オオカミ)が語源】【●花図鑑へ

 Kaliste/Jihlavka付近の木陰で車を停め、周り360°の景色を見ながらお昼にしました。分水嶺なのですが、確かに両側に向かって急な傾斜が見られるような地形ではありません。でも若干は。北西のJihlavka方向から、10代の若者が何人か雑談しながら坂を上ってきて、反対方向の集落のほうに過ぎ去っていきました。学校帰り、駅から家に帰るところなのでしょう。のどかな田園風景です。

 道傍に立つ三角形の石には僕たちには読めない字。Darovalはチェコ人の名でしょうか、裏側の「了/3」のような字は何と読むのでしょう? そして1923/1929年・・第一次から二次世界大戦の合い間、この付近にはどんなことがあったのでしょう。

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【r632es.jpg:Kaliste/Jihlavka付近の360°:北〜東方向に若干下っている?】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【r628es.jpg:Kaliste/Jihlavka付近の360°:南〜西方向に若干下っている?】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺 モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【r634.jpg:Daroval人名?】 【r626.jpg:3のような字は何と読むのでしょう?Siskowinach?1929/1923年はこの付近ではどんな時代?】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【r652.jpg:Kaliste/Jihlavka付近:の花は、日本の花と同じようなものが。しゃくなげ、オオイヌフグリ、アブラナ科・ムラサキハナナに近似?、スミレ】【●花図鑑へ

 ぐるっとこの分水嶺周辺を走って気になったのが、さっき見た野生の青いルピナスの花の群生。草原のあちこちに群れて咲く花たち、放っておくのがもったいない感じです。

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【dv975.jpg:Meziricko/Kunzak周辺:道に沿ってルピナスが続く】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【hv982.jpg:】

 大掛かりな道路工事が行われている幹線道路の南の道を、東にDaciceの町付近で北に曲がり、またテルチの町に帰ってきました。

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【r642.jpg:Daciceの教会】
モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【s846.jpg:】

モラビア:ボヘミヤ分水嶺
【s852.jpg:Daciceの村】


●テルチ城、取り巻く池に映る鏡絵


テルチ
【テルチ城内】
 城の教会ではミサが行われていていました。今日は西側のカソリック系教会では聖体節の日。多分ここでもそれに関連した礼拝なのでしょう。城の周りは、今日走ってきた分水嶺から流れてきた川が作る池。城を取り巻く庭から見る夕暮れ時の風景は、見事・・建物・屋根の色、逆光の木陰のコントラスト、水面に映った鏡の風景・・これが世界遺産のテルチです。

テルチ Telc テルチ Telc
【r651.jpg:教会ではミサが】 【s893.jpg:城の庭から見る夕景】

テルチ Telc
【r655.jpg:鏡に映った城は美しい】

●実はベトナム人が。夜遅くまでのダンス音楽は


テルチ Telc
【hv604.jpg:広場の一角にある衣類のみやげ物屋。こういう店は必ず東洋人が店員】
 チェコのいくつかの観光地にある衣類の店の店員は、どこも中国人かと思われる人たちでした。そして村の街道脇の小さな家? 小屋にも衣類が一杯の店が並んでいました。日本のTVで見た「中国衣類のEUの問題」が、チェコでもきっと問題になっているのかと感じます。

 ここテルチ城内の衣服屋も同じでした。そして城内に何組も入ってくるバスツアーの人たちの中に、かなり多くの東洋系の人たちが見えたのです。これから推測してきっと中国の人が経営し、旅行にもきているのかと思ったのですが、旅の後のほうで知り合ったチェコ人に話を聞くと、
「ソ連管理の時代、ベトナムとの国交があり、貿易・人の交流が当時からあった。彼らはベトナム人、どこの町の道路わきにも小さな家を作り安い衣類を売っている」というような話でした。

 かなり夕方も遅くなり涼しくなってきた頃、城に向かって正装した人たちが入って行きます。多分町の名士たち、そして時折東洋系の実業家夫婦のような人たちも礼服で入って行き、城の中からは懐かしいダンス音楽が流れます。音楽会でもあるのでしょうか。

 夜9時-10:45はW杯のドイツ:ポーランド戦でした。ロスタイムの3分に開催国ドイツが得点し終了。呆然としたポーランドのゴールキーパーを残して観客・選手が退場するTVのシーンで、窓からの騒音に気づきます。それは城の窓から流れてくる大音響。ムード音楽ではなく耳が痛くなるほどのビートの利いた曲、速いテンポ、ブラスが絶唱し、耳をつんざくほどのスピーカー。さっき正装していた人たちは、きっと汗びっしょりになって踊り狂っているのでしょうか。深夜になればなるほどその音量は大きくなっていきました。

テルチ Telc
【s885.jpg:村の名士? たちが、礼服で城のダンス会場へ】


<関連するサイト>

 ☆http://www.medy.cz/naturismus/【Lhotka地域の写真など】
 ☆http://www.dacice-mesto.cz/【Daciceガイド】
 ☆チェコ語辞典リスト【チェコ語◇学習サイト、辞書など】
 ○http://slovnik.seznam.cz/【Seznam Slovnik(チェコ英・英チェコほか。記号なしでもチェコ語検索)】
 ○http://www.tranexp.com:2000/Translate/result.shtml【Inter-Tran:[自動翻訳]Translation Experts社のデモページ。短文、URL指定も可能。対応言語は実に40言語以上(英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ギリシア語、ハンガリー語、アイルランド語、イタリア語、日本語、ノルウェー語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、セルビア語、スロベニア語、ウェールズ語、スウェーデン語、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、ブルガリア語、オランダ語、フィンランド語など)】
 ☆チェコウェブリング

<関連書籍・地図>

本:『チェコとスロバキア―歴史と現在』大鷹節子著、サイマル出版会
チェコに関する書籍・音楽など
チェコに関する洋書


<チェコのビール>

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<チェコのワイン>

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<関連HOTELなど>

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<ボヘミア、モルダウ川/エルベ川流域のチェスキー・クルムロフ方向へ・・>
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