ヨーロッパ アルプス 峠ドライブ紀行 TOPに戻る この旅のtopへ戻る 前ページに戻る 次のページへ English-Translation-site count

Issime
【r239.jpg:Issimeイッシムの教会15枚のフレスコ画・祠】

gressoney
【v528.jpg:SR44:Valle del LYSリス渓谷は開通している】

Val-Gressoneyグレッソネイ渓谷

谷の行止まりのStaval(1823m)まで、モンテローザの氷河を見に・・
イッシムの教会のフレスコ画は見事【●峠DBへ

イタリア:アオスタ州】  [北村 峠一].(Kitamura)      

Val-Gressoney
【Val-Gressoneyは南北に長い谷】

 Pont Saint Martinポン・サン・マルタンをベースキャンプにした3日目、あまり芳しくない曇り空でしたがLysリス渓谷(Gressoneyグレッソネイ渓谷)を北に向かいます。

 この渓谷、旅の前のネットでの事前調査でも、現地「アオスタ観光ツアー」にも出てくるような人気のあるルート。
・イッシムの教会
・サヴォイア城
・グレッソネイ・サン・ジャン
・モンテローザの山見物
などがその見所のようです。

 さらに私にとっては、途中から西のAyas渓谷に抜ける「Ranzola峠(2170m)」が本当に通過できない道なのか? の確認もしたかったのです。
・・ネットで調べた状態では自動車道路は無いようなのですが・・

 リス川に沿って登っていくと、あのローマ橋の小型版のアーチ橋や、道路に対してバルコニーがオーバハングしている家並みの村も現れます。 さらに対岸の山の斜面には、自然の巨岩の下に造ったような家も見えます。

gressoney gressoney
【v552.jpg:リス川にかかるアーチ橋と教会。オーバハングの軒・バルコニーの家並み】 【v597.jpg:古い家々が山の斜面に。自然の石の下に造った家もある】

 10kmほど谷を遡ったところが海抜953mのIssimeイッシム村。真後ろにそそり立つM.Nery山(3076m)の直下に、例のツアーコースにもなっているS.Giacomo Maggioreサン・ジャコモ・マッジョーレ教区教会があります。

 そしてその教会の壁と、正面の15個のほこらに描かれているフレスコ画のすばらしさは、アルプスエリアの中でも秀逸の物です。【●アルプスの壁絵・壁画へ

issime
【r254.jpg:海抜953mのIssimeイッシム村の広場。後ろにそびえるM.Nery山(3076m)の直下に立派な家が連なる】

issime
【r250.jpg:広場右手にS.Giacomo Maggioreサン・ジャコモ・マッジョーレ教区教会】

issime issime
【r238/r246.jpg:16世紀建造のサン・ジャコモ・マッジョーレ教区教会の壁面には、すばらしい・カラフルなフレスコの壁画が描かれている】

issime
【r245-4.jpg:教会正面には「十字架の道:Via Crucis」のフレスコ画の15のほこらが並んでいる】

issime
【v611.jpg:左の生誕から、右ユダの裏切りで捕らえられる8シーン】

issime
【v619.jpg:左の十字架を担ぐ道行きから、復活、昇天し神の王冠を受けるまでの7シーン】

Val-Gressoney
【Val-Gressoneyは南北に長い谷】
issime issime
【r247.jpg:第7シーン:捕らえられ兵たちに鞭打ち・傷つけられる】 【r243.jpg:教会内部にはたくさんの色鮮やかな母子像などが安置されている】

 ところで、ここGressoney渓谷は、Walserヴァルサー人の村が点在するのです。13世紀にスイスからモンテローザのアルプスの峠を越え、このアオスタの地に移住してきたのだといいます。 【●Walser(ヴァルザー人・ヴァリス人)の居住地と道

<Walserヴァルサー人とGressoneyグレッソネイ渓谷>


walser-costume
【ヴァルサーの民族衣装(Costumi tradizionali dell'area Ladina)】
 13世紀、Walserヴァルサー人がスイスの地から、モンテローザのアルプスの峠(Teodulo:3315mプラトローザ西/Lys:4248mモンテローザ西)を越え、このアオスタの地に移住してきた。
 さらに一部は、東にOlen峠(2881mGressoney-La-Triniteの東)を越え、AlagnaやRiva-Valdobbiaへ移動した。

<関連サイト>
 ○http://www.qui-montagna.it/【WalserのGressoneyへの移動ルート】
 ○http://www.augustaissime.it/【WalserとIssimeの方言・民族衣装など】
 ○http://www.centroculturalewalser.com/【Walserの文化研究など】
 ○http://www.prolocoissime.it/【IssimeとWalserの歴史】
 ○http://www.tlfq.ulaval.ca/【Walser解説・イタリアの分布】



 そこをさらに北へ10kmほどで、渓谷の西の深い林の中に、「サヴォイア城」が見え隠れします。この城に行こうと道を探しますが、これがちょうど 「Ranzola峠(2170m)」への道。しばらく登っていきますが、途中から未舗装道路になっており引き返さざるを得ませんでした。

 戻って「Castel-Savoiaサヴォイア城」の入口にたどり着きましたが、残念ながらクローズ。シーズンの限定時間帯のみの開館のようです。

gressoney gressoney
【r294/r293.jpg:Castel-Savoiaサヴォイア城の門:閉鎖中だった】


【Savoia/Savoieサヴォイア/サヴォワの歴史地図】
gressoney
【r296.jpg:サヴォイア城は深い林の奥】

 このCastel Savoiaサヴォイア城は1900年頃に建造と新しいものです。が、サヴォワ王国は11世紀中ばに「白い手」と呼ばれたウンベルト1世がサヴォイア家(サヴォイア伯)を創って以降、リヨン付近から順次東へと領土を広げて行き、右図のように13世紀にはすでにアオスタの地もその領内に入っています。

 一方先に通過したIssimeイッシムのWalserヴァルザ人は、13世紀頃スイスからこの谷に移住してきたのです。当時サヴォイア王国との間に争いは無かったのでしょうか? さらに彼らヴァルザ人の移住エリアは、東にリビーニョ、トレンティーノ・アルトアディジェ州、フリウーリ・ベネツィアジュリア州と広がっているのです。

 仮説ですが、順次東へと領土を広げ、サルディーニャ王を名乗り(1720年)、ついにはイタリア全体の統一の軸になりイタリア国王(1861年)にまでなったサヴォワ王国は、ヴァルザ人と何らかの連携があり、サヴォワの拡大に前後して、同じようにイタリアの東へとその居住エリアを広げて行ったのではないか?と ・・今後の課題です。【お分かりの方がおられましたら、教えてください】


gressoney
       【r281.jpg:お昼時、開いているレストランは唯一ここだけ】


<大理石>


・イタリア語でMarmoマルモ、英語でMarbleマーブル
・主な産出国は、イタリア・ギリシャ・スペイン・ポルトガル・イラン・アメリカなど。
・大理石は石灰岩が変成作用を受けて、石材中に含有する方解石が再結晶し、粗粒の方解石結晶の集合体に変わった岩石で、変成岩の一種である。鉱物学的には「結晶質石灰岩」と呼ばれる。

http://marmiziche.freeservers.com/【Gressoney・Monterosa一帯は marmo大理石の産地でもある】
大理石一覧【Gressoney・Monterosa一帯は marmo大理石の産地でもある】
−−−
 途中、唯一開いていたレストランでの昼食は、建設労働者などの昼の時間帯と重なり1時間近い待ちになりましたが、田舎風の料理は曇り空の寒い気候に、温まるものでした。

 さらに北に行く途中、道路わきにあったのは大理石の石切り場。

gressoney gressoney-marmo
【r279.jpg:石切り場】 【グレッソネイの大理石】


−−−
 長い渓谷の道路は、Gressoney-la-Triniteグレッソネイ・ラ・トリニテ(1635m)の北、Stavalスタヴァル(1823m)で行止まりになります。東のAlagnaアラーニャ(ピエモンテ州)との州境の山が、霧の間から見えますがもうすっかりすかり雪です。【●峠DBへ

gressoney
【v677.jpg:渓谷の道路はここGressoney-la-Triniteグレッソネイ・ラ・トリニテ(標高1635m)・Stavalスタヴァルで行止まり。東方面の眺め】

gressoney gressoney
【r269/v698.jpg:東方面:Alagnaアラーニャ(ピエモンテ州)との州境の山が、霧の間から見えた。もう雪だ】

 谷の奥、Lyskamm(4527m)などのMonte-Rosaの山の見えるのを待ったのですが、霧の間からやっと見えたのがこの写真の恐ろしげなモンテローザの氷河と岩壁でした。

gressoney
【v686.jpg:右手の谷奥にLyskamm(4527m)などのMonte-Rosaの山が見えるはずなのだが・・】

gressoney
【v725.jpg:しばらく待っていると、巨大なモンテローザの氷河と岩壁が雲の間から覗く】

gressoney gressoney gressoney
【v714/v689.jpg:Gressoney-la-Triniteのケーブルカーの夏の運転は7/2-9/4。Monterosa-Skiは西のAyasアヤス渓谷から、東のAlagnaアラーニャまでも広がる大きなエリア】 【r267.jpg:モンテローザの雲の切れ間を待って山の中へ。まさに秋の実の時期。ブルーベリーなどたくさんつまみ食い】

<Gressoney/付近のサイト>

 ○http://www.digital-holidays.com/【Gressoney_ゲレンデmap】
 ○http://www.alagna.it/lifts/skirama.htm【Gressoney-ski-map】
 ○http://www.monterosa-ski.com/【Gressoney:Monterosa-ski】
 ○http://www.gressoneyonline.it/【Gressoneyガイド】
 ○http://www.regione.piemonte.it/【GressoneyのWalserの歴史】
 ○http://www.inalto.org/【Issimeガイド】
 ○http://www.prolocoissime.it/【Issimeガイド】
 ○Colle Ranzola【Colle Ranzola峠(2170mは、ハイキングに絶好の道】
 ○CastelCastel the Savoia
 ○http://web.tiscali.it/teses/places/vc/albano.html【Cast. Savoia】


<関連書籍・地図>
4840108196ロンリープラネットの自由旅行ガイド イタリア
ダミアン・シモニス

Amazon
4840114382ベスト・オブ・トリノ
サリー オブライエン Sally O’Brien

Amazon
3259012214Aostatal-Piemont Aosta-Turin-Genoa (Map)

Amazon
Piedmont and Valle D'Aosta (GeoCenter Euro Maps S.)
8836506410
Amazon
Aosta City Map
8841556412

Amazon
Kompass地図

紀伊国屋
で[洋書 Kompass Karten Aosta] のキーワードで検索)
他:
アオスタ州
に関する洋書

Amazon


<ポン・サン・マルタンを基点にさらに・・ >

EU-Alps 峠の茶屋・掲示板:
EU-ALPS.com
旅のGET:
旅のGET
★本サイト内を、地名などのキーワードで検索できます★

eu-alps.com内検索 WWW検索

ヨーロッパ アルプス 峠ドライブ紀行 TOPに戻る この旅のtopへ戻る 前ページに戻る 次のページへ