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【4026.jpg:ロシニエール村:スイス最大の木造建築物グラン・シャレ】

Rossiniereロシニエール村

スイス最大の木造建築物グラン・シャレ、画家バルテュス夫妻、私のアンネットの村。
私にとっては、ライン・ローヌ川大分水嶺、山歩きの基地の村

スイス:ヴォー州】  [北村 峠一].(Kitamura)      


 ロシニエールを今回の旅の宿の場所としたのは、旅の2週間前のスイス・ベルナーオーバーラント地方の集中豪雨と、その水害被害があったからです。あまりに大きな被害で、出発時点でその周辺のいくつかの峠が閉鎖中。さらに以前オーストリア・ガルテュールの雪崩被害の跡を訪れた時受けたショックなどを考え、急遽このヴォー州・フリブール州の大分水嶺を目標に選んだからです。

 このローヌ川とライン川の分水嶺、レマン湖の東、モントルーの北のあたりは、2年ほど前から「デジタルアルバムまがじん」のぼっけいさんと、この付近の分水嶺の調査研究を行った場所でした。

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【赤はライン・ローヌ川の大分水嶺:
Rossiniereロシニエールはライン河流域で大分水嶺にも近い】



 地図でもわかるように、この付近の大分水嶺はレマン湖に極めて近寄っており、1500mを越える峠Col-de-Jamanジャマン峠(1512m)がそこにあるのです。ただしこの峠はMontreuxモントルー側からの西側の自動車道路はあるのですが、東側には自動車道がない行き止まりの道なのです。付近にはRochers-de-Nayeロッシェ・ド・ネー(2042m)という展望のよい場所に向かって登山鉄道もあります。

 宿をこの峠の東側に取り、歩いて登り、その先電車駅まで行って展望も楽しんだあと、モントルー経由でまた基地の宿に戻る計画を思いついたのです。

 午後2時チューリヒで車を借り、高速道路を一路南西へ。Fribourgフリブールの南、Bulleビュルで高速を降り5年ぶりのグリュイエールの城を見ながら南下、4時半にこの村に到着。

 ネットで事前に調べておいた「Hotel Elite」で部屋を見せてもらいます。なかなか眺めのいいホテル、部屋代もスイスなので仕方ありませんがダブル朝食つきで1泊130sfr(≒1.2万\)と高めでちょっと悩みましたが、結局3泊することにしました。

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【0017.jpg:泊まったHotel Eliteから見る村風景。右手に教会(1316年建造)】

 一晩中ライトアップされた村の教会は、周囲の山・谷の中に浮き出て美しい夜景でした。二日目、晴れて遠く西に見えるDt. de Corjon(1967m)の岩山の向こうあたりに位置する、ジャマン峠(1512m)、ロッシェ・ド・ネー(2042m)に出かけました。

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【0021.jpg:夜間照明に照らされた教会】 【1023.jpg:後ろの岩山はDt. de Corjon(1967m)だろう。ちょうどその延長線上にRochesde-Naye(2042m)や、Jaman峠(1512m)がある】

 3日目、この村と西にあるVernex湖一周の散策をします。この村は名作劇場シリーズ『アルプス物語 わたしのアンネット』(原作:パトリシア・セント・ジョン「雪のたから」)のアニメ舞台になったということが ぽぷらさんのサイト:ロシニエール訪問に出ていましたので、そのプリントを持参しての散策でした。その後隣町シャトー・デーでこれからの長旅に必要なものの買物に。

 村の主要な建物は地図に色を付けた場所です。
 まず村の中心。東西に走る11号線(東:シャトー・デー〜西:グリュイエール)があり、C:の位置に村の広場、Hotel de Ville、インフォメーションを兼ねた商店があります。
 道路北側の登り斜面には、6:教会(1316年)、7:司祭館(1770年)、8:時計塔(18世紀)、B:Hotel Elite、P:小学校などが点在します。

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【1042.jpg:村の広場とHotel de Ville(1645年)。右がインフォメーションを兼ねた商店】

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【黄色は主要な建物、建造年。
1:グラン・シャレ(1754年)、3:橋(1904年)、6:教会(1316年)、7:司祭館(1770年)、8:時計塔(18世紀)、14:バルチュスの墓、15:散策の丘、B:Hotel Elite、C:Hotel de Villa(1645年)、P:小学校、Q:駅】
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【4022.jpg:広場から見る時計塔】

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【4035.jpg:散策の丘から見る教会、司祭館、学校など村の風景】

 道路の南には、1:グラン・シャレ(1754年)、3:橋(1904年)、14:バルチュスの墓、15:散策の丘、Q:駅 などが緩やかな下り斜面にあります。

 グラン・シャレはこの村の代表的な建物で、1754年に建造されたスイス最大の木造建築物。現在この建物は「バルテュス財団」の所有管理となっています。あの画家、故バルテュスと節子夫妻の住居です。
 夫妻がスイスに住むきっかけとなったのはバルテュスがモロッコ時代に患ったマラリア。「スイスの山なら発病しない」という医者の助言でヴォー州で一夏を過ごし、立ち寄ってお茶を飲んだホテルが丁度売りに出ていたこのグラン・シャレ。屋根の傾斜など日本の合掌造りを思わせる古い木造建築で、1977年に改装し移住したといいます。

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【4028/4027.jpg:グラン・シャレ(1734年建造)】

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【4034.jpg:駅から見るグラン・シャレ】

 このグラン・シャレの内部見学は水〜日の14〜18時となっていましたが、僕たちが訪れたのは午前中、湖一周の散策と隣町シャトー・デーの買物に時間をとられ、内部見学はしませんでした。

 朝日の逆光に光っているのが、東のシャトー・デー方面とその南にあるGummfluh(2458m)や、Rocher du Midi(2097m)方面です。4日目朝、Col-de-Mossesモス峠(1445m)の大分水嶺峠を経由し、イタリアに向かいます。

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【1030.jpg:朝日の逆光に光っているのは、シャトー・デーの南のGummfluh(2458m)や、Rocher du Midi(2097m)だろうか】

<●画家バルテュス夫妻とロシニエール>

Balthus con la seconda moglie giapponese Sestuko :swissinfo.orgより 夫:Balthazar Michel Klossowski de Rolaバルタザール・ミシェル・クロソウスキー・ド・ローラ(1908 - 2001)、通称Balthusバルテュス。
妻:Setsuko Klossowski de Rola節子・クロソウスキー・ド・ローラ(1942 -)
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・バルテュス(バルテス/バルテュス)は1908.2.29パリ生まれ、人物画(主に思春期の少女の静的なポーズ)などを描き、「今世紀最後の具象画の巨匠」と言われることもある。2001.2.18ここスイス、ロシニエールのGrand Chaletで亡くなる。
・節子K.R.は1942年東京生まれ。バルテュスの二番目の妻とし、1967年結婚。自らも画家として活躍。現在画伯の遺志を継ぎバルテュス財団会長とし世界中を駆け廻っている。

<ロシニエール村、グラン・シャレ周辺のWebサイト>

 ○http://www.rossiniere.ch/【ロシニエール観光局 】
 ○http://www.rossiniere.ch/hotels-restos/【村の宿一覧】
 <宿泊したHotel Elite ☆☆ のこと>
  住所:1836 Rossiniere。tel:026.924.52.12 fax:026.924.52.34
  2005.9現在:130sfr(ダブル朝食つき)
  村の高い場所にあり、眺めが良い

 ☆ロシニエール訪問【ぽぷらさん:「アルプス物語 わたしのアンネット」の舞台を訪ねて】
 ☆アルプス物語わたしのアンネット【のりおーさん:世界名作劇場地理的大解剖】

 ○http://www.fondation-balthus.com/【Fondation Balthusバルテュス財団】
 ☆松岡正剛の千夜千冊【クロード・ロワ著、與謝野文子 訳『バルテュス』】
 ☆ムートンに愛された画家たち【:バルテュス夫妻】
 ☆グラン・シャレの光から生まれた絵画【seinan-gu.ac:フランス文化コース選考者報告】
 ☆Balthusバルテュスの作品・画像【Google images】

『バルテュスの優雅な生活』節子K.R.(編) 新潮社:とんぼの本
『バルテュス』阿部,与謝野(編) 白水社。
『見る美 聞く美 思う美―「画家バルテュス」とともに見つけた日本の心』節子K.R.(著) 祥伝社。
『グラン・シャレ夢の刻』節子K.R.(著) 世界文化社。
『「和」をつくる美』節子K.R.(著) 祥伝社。
『アルプス物語 わたしのアンネット』株田, パトリシア セント・ジョン(著) ぎょうせい
『アルプス物語 わたしのアンネット』 パトリシア・セント・ジョン, 三田 ゆいこ 竹書房文庫
『わたしのアンネット』DVD バンダイビジュアル

<西にあるジャマン峠(1512m)にハイキングで登ります・・・>


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