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【d02.jpg:国境の村ブレンナー。教会や古い建物・宿場が並ぶ街道】

Brennerpass/Pso del Brenneroブレンナー/ブレネロ峠(旧道:1375m)

かつて、文明の地ローマに向かって越えた旧道の峠道【●峠のDB
 「ロマンッチク」という夢・明るさへの期待と変化が、この峠にはあります・・

オーストリア・チロル州 /
イタリア・トレンティーノ・アルト・アデイジェ州】  
[北村 峠一].(Kitamura)      


 オーストリア・チロルのSeefeldゼーフェルト、Leutaschロイタッシュでの2日間は、聖体節Prozession行列の祭りを堪能したのです。この先、ドロミテをくまなく走るためイタリアに入るのですが、今まで高速道路ばかりで通過していたブレンナー峠を、今回は旧道を通ってみようと、インスブルックの南西のAxams、Muttersを迂回してブレンナーの旧街道に入りました。
高速道路でブレナー峠に向かう情報、 イタリア側からの帰りの情報もあわせてご覧ください】
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【Brenner街道map】

 旧道182号線は、ヨーロッパ橋の下を通過、Stubaitalシュトゥバイタールへの分岐を過ぎ、Sillジル川が作るWipptalヴィップ・タール渓谷を登っていきます。街道に沿った途中の町は、Matrei am Brennerマトライ・アム・ブレナー、Steinachシュタイナッハ(石の道/夜?)、Staffachシュタファハ(騎馬飛脚?)など、かつての宿場を連想できるような名前が付き、壁面に中世の紋章などが描かれた建物が続きます。

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【114.jpg:Matrei a Brennerの旧道の宿場町】

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【126.jpg:Matrei a Brennerの宿場町】
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Steinach am Brenner:1840年のSteinach am Brenner・・Anonymus, Kreidelithographie】

モ−ツアルトは3回のイタリア演奏旅行でこのSteinach am Brennerの町に宿泊した


・1769年(13歳):(第1回イタリア旅行:行き)
 〜インスブルック〜12.18シュタイナハSteinach am Brenner(泊)*1〜ブレンナ峠越え〜ブレッサノ−ネ〜
 (*1:Steinach am Brennerのページでは12/19泊-20発となっている)
・1771年(15歳):(第1回イタリア旅行:帰り)
 〜ロヴェレート〜ブレンナ峠〜シュタイナハSteinach am Brenner(3/24泊-25発)〜サルツブルグ〜

・1771年(15歳):(第2回イタリア旅行:行き)
 〜インスブルック〜シュタイナハSteinach am Brenner(8/15通過)〜ブレンナ峠越え〜ブレッサノ−ネ〜
・1771年(15歳):(第2回イタリア旅行:帰り)
 〜ブレンナ峠〜シュタイナハSteinach am Brenner(12/13通過)〜

・1772年(16歳):(第3回イタリア旅行:行き)
 〜シュタイナハSteinach am Brenner(10/27通過)〜ブレンナ峠〜
・1773年(17歳):(第3回イタリア旅行:帰り)
 〜ブレンナ峠〜シュタイナハSteinach am Brenner(2/12通過)〜

モーツァルトMozart生誕250年の記事も参考に>
<本:『ブレンナー峠を越えて―ヨーロッパ芸術の光と影:音楽選書』小塩 節(著)、出版社:音楽之友社 なども参考になります>


 このWipptalヴィップ渓谷には、今走っている旧道(国道182号)と、山の斜面・渋滞のトラック列の高速道路(ブレンナー・アウトバーンA13)、さらにオリエント急行も走る鉄道が並行して走っています。この渋滞と自然環境保護のため、2015年に向けトンネル計画があるそうです。

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【145.jpg:旧道の山側の斜面に高速道路(ブレンナー・アウトバーン)が見え、渋滞のトラックの列が見える】 【149.jpg:Wipptalヴィップ・タール渓谷は、狭いところに自動車・高速道・鉄道が並行して走る】

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【169/183.jpg:峠まで残り数km:Griesグリースは、右にObernbergtalの分岐】

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【189.jpg:いよいよ峠と雪山が目前に近づく】

 峠までもう200mほど、高速道路への導入路を過ぎると、国境検問所の建物。かつて2つの国の官吏が、いかめしい顔でチェックしていた国境の検閲も、EUで自由になった今では、無人の小さな建物が道路わきにポツンと建っているだけです。このような建物自体残っている場所も珍しくなりましたね。【●峠のDBへ

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【196.jpg:】 【1a9.jpg:かつての国境検問所】

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【ブレンナー峠: Albrecht Durer(1471-1528)アルブレヒト・デュラー(ニュルンベルクの画家)が1494年9月に描いた村風景。Das grosse Gluckクラウゼン銅版画】


 右の銅版画を見てください。1494年9月に、ドイツの画家Albrecht Durerアルブレヒト・デュラー(1471-1528)がこの峠を旅したときに描いた風景です。

 上に城壁があり、多分そこが検問所だったのでしょう。すぐ下ったところには立派な教会の建物。付近にある何軒かの家が2階建てなのに比べると、4階ほどもある避難・救援所を兼ねたHostel(ホステル)としての建物だったのでしょう。小川にかかる橋、切り出された用材が積み重ねられていますから、川下の村・町にいかだや馬車などで運ばれていったのでしょう。500年前の峠の風景の面影を、今の峠に見つけることはなかなか出来ません。

 「ブレンナー峠のDB」にも整理しましたが、この峠はアルプスの歴史の中でも大変重要なものだったのです。石器時代のアイスマンの時代にはすでに利用され、古代ローマの道にもなり、中世の神聖ローマ帝国の皇帝たちがローマへの道として通過します。ルネサンス以降のたくさんの芸術家たちも、イタリアに文化を求めてこの峠を通過したのです。さらにアルプス越えの鉄道開通、第一次・第二次大戦とも、この峠の持つ重要さは格別なのです。

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【d06.jpg:峠の村にある教会。500年前のものとは違うようだ】

 通りに面した道を歩いてみると、やはり、イタリアのにおいが感じられます。店先のイタリア人も陽気、周囲の風景を撮るカメラに向かってポーズをしてくれます。オーストリアやドイツのお硬い人種とは、がらっと変わるのです。

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【d05.jpg:村の通りに面したお土産屋の列と、陽気なイタリア人】

 ちょっと脇に入った駅前の広場には、かつての国境の免税店を思わせるアルコール類や、カラフルなたくさんの果物であふれています。僕たちも、軽い昼食にとフランクフルト・ソーセージを載せたパン(3.9eur≒500\)を立ち食いしながら、店先を冷やかして歩き、この先のおやつにと、リンゴとチェリーを1袋づつ(計11eur≒1500\)購入します。

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【1b5.jpg:駅前の広場・路地には、かつての国境の免税店を思わせるアルコール類、たくさんの果物であふれている】

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【214.jpg:ブレンナー駅周辺の眺め:北側に村が広がる】

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【201.jpg:駅南側:暖かいイタリアに向かって】

 イタリア側も高速道(A22)ではなく、一般道(国道12号)をゆっくりと下ることにします。Eisacktalエイザック渓谷の幅は、オーストリア側のWipptalヴィップ渓谷とそれほどに変わりませんが、まわりの風景の色など暖かい気持ちになります。

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【d07.jpg:列車の整備駅舎と、正面の雪の残る山Amthor-Sp(2749m)】

 1999年の秋に散策したVipitenoビピテーノ/Sterzingシュテルツィングの町への看板が現れます。アルプス越えの交易で栄えた、中世の古い建物がたくさん並ぶ町です。

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【224.jpg:】

 南国のポプラ並木が街道に植えられ、まもなくGiovoジオボ峠/Jaufenpassヤウフェン峠や、Penser Jochペンサーヨッホ峠への交通標識が出てきます。さらに下り、渓谷の左右には歴史の道・交通の要衝を感じさせる古い城がいくつも見え、Bressanone/Brixenブレッサノーネの町を越え・・・

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【237.jpg:ヴィピテーノの町の塔・中世の建物、ポプラ並木、右はGiovo峠、古城、ブレッサノーネ付近。歴史の道・交通の要衝で、古い城・建物がたくさんある】

<ブレンナー峠 付近のサイト>

 ☆ブレンナー峠【ブレンナー峠:旧道の情報】
 ○http://de.wikipedia.org/wiki/Brennerpass【wikipedia:ブレンナー峠情報】
 本:『ブレンナー峠を越えて―ヨーロッパ芸術の光と影:音楽選書』小塩 節(著)、出版社:音楽之友社 中古本から探す
 ○http://www.eisacktal.info/【Eisacktal/Vale-Isarco:ハイキング情報
 ○http://www.tibs.at/wipptal/projekt2/wege/tiroler/content1.htm【Der Tiroler Hohenweg:関連地図】

 ○http://www.asg.co.at/brenner_autobahn.htm【A13:オーストリア高速道路】
 ○http://www.autobrennero.it/default.aspA22高速道路】

 ☆Bressanoneブレッサノネなどのホテル検索イタリア全域のホテル:地図から検索も】

<アルブレヒト・デューラー関連のサイト>

 ☆http://www.ne.jp/asahi/art/dorian/D/Durer/Durer.htm【Arts at Dorian:アルブレヒト・デューラー】
 ☆http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/durer.html【Salvastyle.Com:アルブレヒト・デューラー】
 ☆http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/browse/-/656982/249-5553663-1126739【デューラーに関する本】

<Bressanone/Brixenブレッサノーネ 付近のサイト>

 ○http://www.brixen.org/【Tourrist-Office-Brixen】
 ○http://www.bressanone.it/【Comune-di-Bressanone】


<Val di Funes,フネス渓谷からS.Maddalenaサン・マッダレーナ村に向かいます・・・>

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