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郵便馬車/乗合馬車/駅馬車の歴史と峠 Post-Omunibus/wagon

●ローマ時代の駅逓馬車

　ケルンテン州マリアザール付近で発見された浮彫には、BC2-3世紀のローマ時代の駅逓馬車が描かれています。
こんな古代にもすでにあったんですね。
ローマ時代の駅馬車

【BC2-3世紀のローマ時代の駅逓馬車：ケルンテン州マリアザール付近で発見の浮彫(道の文化史p191)】

●郵便・郵便馬車の制度

・1500年頃から整備され、順次郵便だけでなく旅行者も運ぶようになる。
・駅が12km(イタリア)、20km(フランス)、40km(フランス)間隔で整備される。
・17世紀後半には鋼鉄のバネ+クッション付きになり、乗り心地も良くなった。
　それでも、一日の距離は平地で70km、山岳地で40kmほどだった。
・19世紀半ば以降、鉄道が登場し、順次駅馬車は無くなっていく。
・山岳地帯を走るバスは(国鉄管轄でなく)郵政省管轄が多く「ポストバス」と言う理由はここから来ている。

【19世紀ごろの旅行馬車：宿場で馬を換える絵(道の文化史p190)】【19世紀：モンスニ峠を登る乗り合い馬車】

・駅(駅宿)毎に馬を換え、走った。
・アルプスの峠道の乗り合い馬車は、途中しばしば馬を取り替えなければならなかった。（モンスニ峠の例）
・馬は、個人の馬車より郵便馬車に優先権があった。
・路上走行、舟での渡しも郵便馬車の優先権があった。

●「塩の道：Solkpasセルク峠」の
荷馬車も参考に

・琥珀街道、塩の道、ローマ街道、タウエルン街道と郵便馬車

【St.Michael im Lungauザンクト・ミヒャエル・イム・ルンガウ(オーストリア：ザルツブルク州)の宿[ガストフ・ポスト]のカンバン】

・モーツァルト(13歳)：(第1回イタリア旅行)
　 Wolfgang Amadeus Mozartウォルフガング・アマデウス・モーツァルト：旅の始まり【1769年当時の旅は馬車でした。馬車は自家用、貸馬車、乗合馬車があり、時に応じて使い分けていたようです。しかし、道路は凸凹で馬車の乗り心地はひどいものでした。モーツァルトは、２４歳のときに夜行の駅馬車に乗ったときの事を手紙に残しています・・・】

【1890-1900年頃のCavalese市内。乗継ぎ用の乗合い馬車。　by www.serfon.it】

・Cavaleseカヴァレーゼの1890年頃の古い絵葉書には、たくさんの乗合い馬車が見えますが、このフィエンメ渓谷を経て、ドロミテのモエナやカナツェイに行く観光客のためだったのでしょうか。

　Via Fratelli Bronzetti. A destra il complesso Ancora che comprendeva: albergo, bar, ristorante, bagni di fieno, cinema, cambio cavalli e grandi stalle seminterrate. Si notano le mangiatoie dei cavalli di passaggio.
(Google翻訳) Fratelli Bronzetti経由で。右側には、ホテル、バー、レストラン、干し草バス、映画館、馬が変わり、大きな地下室があるAncora複合施設があります。渡す馬のフィーダーに気づくことができます。

＜参考書籍、Link＞

　本『道の文化史』Hermann Schreiberヘルマン・シュライバー著、関楠生訳、岩波書店1960.6
　本『ブレンナー峠を越えて』―ヨーロッパ芸術の光と影音楽選書小塩節(著)音楽之友社

　○「馬車」【つぼみしゅんさん：種類・駅馬車・乗合馬車・辻馬車・貸し馬車・速度など】
　○「乗り物はじまり物語」【ブリジストン社：牛車、荷馬車、人力車】
　○「ドナウの町レーゲンスブルクの宮殿と郵便とタクシー」【タクシス家は1516年から1800年半ばまで、中欧の郵便事業を独占していた】
　○「週刊フランスのＷＥＢ」【La Poste：http://www.laposte.fr/：フランスの郵便の歴史】
　○「Myswiss：国内交通」【スイスのポストバスpostbusは19世紀後半から。現在では約770路線、延べ10,000km】
　○「郵便馬車の馭者だった頃」【ロシア民謡：訳詞井上頼豊：メロディー付き】

【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】　 【国別地図】　【日本語ガイド本】