【g788.jpg:ロヴェレートのEremo di San Colombanoサン・コロンバーノの隠れ家】

Roveretoロヴェレート～San Colombanoサン・コロンバーノ岩窟教会

モーツアルトのコンサートと、聖人の隠れ家と・・

【イタリア：トレンティーノ・アルトアディジェ州トレント県：ドロミテ南部】[北村峠一].(Kitamura)

●Leno di Terragnoloテッラニョーロの渓谷も、第一次大戦の　・・

　スキーリゾート、そして「須賀敦子」のFolgariaフォルガリア、Serradaセッラーダを後にして、南の急な斜面をジグザグに下っていきます。崖のはるか下、木々の間から教会や人家が見えます。

【g766.jpg:Leno di Terragnoloの渓谷には、立派な村や教会があちこちにある】

　この1000m近い標高差を、一定の傾斜で、道路巾もかなり確保した九十九折の道路の造り方。もしかするとここはかつて電車が走っていた道路か、またはナポレオンが整備した、大砲などを運ぶために作ったと思うほどの道。この谷の向かいはMonte Pasubioパズビオ山地、最標高はCma.Palonパロン(2235m)。この付近は軍事的にも重要な国境だったわけですから、第一次大戦前にオーストリアが作った軍事道路なのだろうと推測します。

【v123.jpg:Leno di Terragnoloの渓谷が眼下に】

　遠くには雪山も見え、崖のあい間の絶好な景勝地に建つ家。こんなところの家は眺めは良いけれど、どうやって生活しているのでしょう。子供は崖から転がり落ちないでしょうか。Croce、Zencheri、Valle、Costaなどという集落への分岐が出ています。

【v128.jpg:Leno di Terragnoloの渓谷：急斜面をジグザグに下る】

【v137.jpg:Leno di Terragnoloの渓谷：右、左に分岐が現れる】

【v144.jpg:真下にRoveretoの町。向かいにMonte Stivo(2059m)がそびえる。この山がアデジェ川とポー川との分水嶺】

　何ヶ所か現れる分岐先の表示に、目的のRovereto手前の岩の壁にある教会、＜San Colombano＞の名が出てくるのではと、目を凝らすのですがなかなか見つかりません。

　町が近づき、前方眼下には広い谷が開け、そして左に降りる道も出て来ず、Noriglioの分岐はあまりに狭いのです。

【g781c.jpg:RoveretoのCassa di Risparmio貯蓄銀行(Sede bancaria)】

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●Roveretoロヴェレートで、モーツアルトはイタリアでの最初のコンサート・・

　道は突然、街の広場に出てきました。きっとロヴェレートの旧市街の中心広場でしょう。S.Colombano教会は左手のはず・・がその方向の道は一方通行＋工事中で先にいけません。仕方なくロータリーを１周して・・さてどうする・・広場の一角に車を停め、あたりを見回します。

　周囲の目立つ建物にはCassa di Risparmio、Sede-Bancariaと書いてあり、銀行でしょうか。屋根に近いところの壁画などは見事で、雨風にも耐えて色鮮やかです。【●アルプスの壁画】

　でもこの広場ロータリーの中では、車を停めのんびりとは出来ません。日本でプリントしてきた「Eremo di San Colombano」の写真を歩いている人に見せ、道を聞きくことにします。

　ちょうど来た、ピザなどを出前途中のように見えるレストランのボーイらしいお兄さんに声をかけます。
「ここに行きたいのだが、一方通行で行けない。どの道なら？」
　教えてくれたのはかなり複雑なルート。イタリア語は全然わからないけれど・・でも大体ジェスチャーで・・ぐるっと迂回が必要そうです。

【g781.jpg:Roveretoの旧市街中心ロータリーの東側。左端の道から町に入るが、行きたい南は進入禁止】

【v159.jpg:Rovereto旧市街中心ロータリーの西側。左端がインフォメーションで、やはり進入禁止。右手にしか出られない】

　最初、言われた通りに「角を曲がってすぐに左」の道は、どうも一般者通行制限。仕方なく大きく一周しているうちに、インフォメーションを見つけます・・が昼休みで・・そして何とそこは、このロータリー広場の西側。またも広場を一周し、あのおじさんの教えに従って、住民のみ利用可能の道路を通過して・・やっと教会方面のルートに出たのです。
　自分ながら・・「結構、土地勘あるんですねー」

●RoveretoロヴェレートとMozartモーツァルト・・

・モ－ツアルトの第1回イタリア旅行で、このロヴェレートの町（1769.12.24-26）がイタリアでの最初のコンサートだったそうです。
　1769.12.24(日)：夜到着、Corso San RoccoのDella Rosa宿泊
　　12.25(月)：ロベレート市長Nicolo Cristani宅で昼のレセプション。下院のコンサートの夕べ：男爵Gianbattista Todeschi宅でコンサート
　　12.26(火)：San Marco教会でオルガン演奏
・モーツァルト音楽祭がこの町で毎年開かれるようです。
＜関連サイト＞
○http://www.musikland-tirol.at/【Roveretoとモーツアルト】
☆モーツァルトと旅【久元さん】
i モーツァルトMozart生誕250年関係
○http://www.festivalmozartrovereto.com【ロヴェレート国際モーツァルト祭】
☆ロヴェレート国際モーツァルト祭情報

【右からRoveretoの町に入り、かなり道を探し回って
S.Corombano(ピン印)へ。クリックでGoogle地図へ】

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●Eremo di San Colombano聖コロンバーノの隠れ家・・

　やっと旧市街の狭い建物の間を抜け、目的の教会方面に。が、その先の表示がなかなか出ず・・Lenoレーノ川に沿って登って行く(この道はさっき下ってくるときに下に見えた道？）・・渓谷を遡り・・やっとSan Colombanoの表示が出ました。

●Rovereto Eremo di S. Colombano聖コロンバーノの隠れ家と伝説

・この教会は1319年頃からの記録が残っています。
・S.Colombanoサン・コロンバーノ(543-615)は、ヨーロッパ各地にケルト系修道院制度を伝えた聖人。
　【●峠の聖人】参照

＜教会にまつわる伝説＞
・ここは、魚と鳥が半々で、そのくちばしから炎を吐く恐ろしい怪獣の巣の場所だった。
・この怪獣は、毒を川に流し周辺の人々を病気にした。
・聖コロンバーノは鎌で武装し、化け物の巣に登り退治した。

　でも周囲には車も人も見えません。あまり有名なところではないようです。この先に駐車場あるのか、Ｕターンできるのか不明のため早目の角に駐車して歩き始めましたが、しばらく歩くと・・まだ先まで車で行けそうです。車に戻ってさらに先まで走ります。

【v161.jpg:San Colombanoはここを折れる：発電所の建物が見える】

　対岸の垂直の岩壁に目的の教会がありました、ここが「Eremo di San Colombano聖コロンバーノの隠れ家」です。2004年の旅の途中で買ったカレンダーにこの礼拝堂の写真があったのですが、ガイドブックなどにはどこを探しても紹介されていなかったのです。ネットで見つけることは出来たのですが、場所はGoogle地図でなんとか特定し、こうやって４年目に対面できたのです。苦労したところは会えた時の喜びも強いですよね。それになかなか良い構図です。

　小さな発電所のような建物の近くの場所に車を置いて、その崖の壁にある教会を撮影します。教会までの道は一般者は入れないので、対岸からの撮影ですが、木陰の間で、なかなか全景は撮影しにくいのです。だからこそ「隠れ家」なのですね。【●アルプスの壁画】も参照