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マリーアツェル Mariazell
【r886.jpg:マリアツェル大聖堂:ハンガリー・オーストリア合同司教会の記念撮影】

マリアツェル Mariazell

オーストリアで一番有名な巡礼教会、そのミサの鐘が鳴り響き・・

オーストリア:シュタイアーマルク州】[北村 峠一].(Kitamura)      

●マリアツェル Mariazell


 チェコ1週間の旅からオーストリー・リンツに戻り、10日ほど前利用した高速道路でYbbsユップスで南下、マリアツェルに入ります。この町で3泊し、ヨーロッパアルプスがウィーンに向かって終わる付近の低い峠などを回って見ようと計画しているのです。
マリーアツェル Mariazell
【本日休業】

 まずは、町のインフォメーションで宿リストを貰いますが、安い宿(ガストフ)は3軒だけ。教会裏の1軒目は「本日休業」。  他の宿は少し外れるので、教会の真正面のホテルに立寄ってみますが、インフォメーションで教えてもらったよりはるかに高い値段(BB:52eur/人≒\7300)を示され敬遠。このところ急激にユーロ高・円安、この旅時点で140円/eur以上。2000年の90円/eurの1.6倍近くになっているのですから、かなり響くのです。

大きな地図で見る 【マリーアツェル周辺:サン・セバスチャン
 、Burgralpe、Erlaufsee】

 そろそろ薄暗くなるころ隣村でやっと見つけたガストフ2軒目は、ロビーで呼んでも誰も出てきません。そして頼みの最後3軒目、道路の反対側の駐車に車を置き、宿の入口に行ってみたのですが、電灯も灯いていず誰も出てこない。さらに脇の表示メモには、何かお断りのような文面も書いてあります。
 観念して車に引き上げ「仕方ない、あの高いホテルにする?」と相談しているところに、乳飲み子を抱いた奥さんが英語で声をかけてくれたのです。

マリーアツェル Mariazell

Gasthof Dietl-Bartelbauer:
  ガストフ・ディートル

http://www.bartelbauer.at
住所:Fam. Dietl - Schneider, St. Sebastian, A-8630 Mariazell.  Tel 03882 - 2459-0, Fax 03882 - 2459-42, Mail: info@bartelbauer.at
2006年6月19-21日、3泊利用。ツインルーム、ハーフペンション(夕・朝付)で66eur≒9.5千円/2人
マリアツェル教会:歩き約15分、エルラウフ湖:歩き約30分。スーパーも近い。大駐車場も完備。


オーストリーで利用したホテル一覧
マリーアツェル Mariazell
【r924.jpg:ガストフ・ディートルの若奥さん。上の子はママべったりの甘えん坊】

「宿を探しているのですか」 この夕暮れ時、知らない人が声を掛けて来たのですから、一瞬「ポン引き?」 かと疑ったのですが、どうやら僕たちの動きを見ていた人のようです。
「そうなのですが、あなたはこの宿の人?」 助かりました、何とかなりそうです。
「宿は空いています、ハーフペンションで33eur/人」 まるで僕たちにとって、聖母マリアに出会い、助けてもらったような・・嬉しさで3泊の宿を決めたのです。

 僕たちの3階の部屋は広めで清潔。窓からは広大な風景。夜は寝ながら星空も見ることが出来る快適な部屋でした。さらに感激したのが食事、3回の夕食を紹介しましょう。写真を見てすぐわかると思いますが、ここのおばあさんの作る料理のうまさは天下一品。そこへきて、飲み代のワイン・ビールまでも格安。後でも書きますが、本当に色々お世話になって、大感謝の宿なのです。

マリーアツェル Mariazell
【r888t.jpg:6/19夕食:チキン・シュニッツェル/ポークグリル+スイーツ。6/20夕食:ヨ−グルト・シュニッツェル/カリフラワーの揚げ物+アイスクリーム・コーヒー/スイーツ。6/21夕食:スープ=3mmほどの白ボール入り・ハム肉と肉団子、野菜サラダと豚肉+ケーキ】

マリーアツェル Mariazell
【s180.jpg:僕たちの部屋は3階の屋根に接した広めで清潔なところ。窓からは広大な風景、夜は寝ながら星空も見ることが出来ます】

 宿の南には広い庭と、どこまでも続く広大な牧草地。ガストフ、アパート、レストラン経営は女手3人が、大規模な農場は男手。有名な巡礼教会も、歴史的鉄道もあり、北に隣接した山はスキー場と、ディートルさん家族は年中大忙しなのです。働き者の家族は、この甘えん坊の男の子と、まだ数ヶ月の乳飲み児たちを活力に、大回転しているのです。


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●Burgeralpeビュルガーアルプ(1266m)へのハイキング【●峠DBへ


 翌火曜日、昨夜久しぶりに見た夢はずっと昔の楽しかったこと? でも体がだるく、いつまでも寝ていたい気持ち、旅に出て2週間の疲れがじわっと出てきているのでしょう。
「こういうときは歩いて汗かいて、ビールを飲んで早寝するのが一番」と、北側にある山ビュルガーアルプ(1266m)に登ることにします。

マリーアツェル Mariazell
【r971.jpg:宿の広大な牧場。右(北)に見えるのがBurgeralpe山(1266m)スキーリフトも見える】

 出発前、早くから夕食のためのおいしいデザートを料理している宿のおばあさんに、前日インフォメーションで貰った地図を見せて山への登り口を聞きますが、ドイツ語しかわからないらしく、近くに居たお客さんが通訳をしてくれます。

 1時間半ほど汗をかいて山頂へ。途中、登山道周辺の花をいくつか撮影しましたが、この山の花の種類は実に豊富で色もきれいですね。きっと地形や温度・湿度など花たちにとっても快適な場所なのでしょう。

Burgeralpeハイキング
【r834w.jpg:白系:  ●アルプスの花図鑑へ

Burgeralpeハイキング
【s206.jpg:頂上の展望台:0.7eur(100円)/人】
Burgeralpeハイキング
【r842y.jpg:黄系:●アルプスの花図鑑へ

Burgeralpeハイキング
【r847r.jpg:赤系:  ●アルプスの花図鑑へ

Burgeralpeハイキング
【r855b.jpg:青系:  ●アルプスの花図鑑へ

 頂上にある有料展望台に登りこの付近の地形360度を見ます。右下の「マリアツェル周囲の流域図と分水嶺」をクリックして見るとよく判りますが、ここマリアツェルはEnnsエンス流域の源流に位置し、Hochschwabホーホシュヴァープの雪山の水と一緒に、ウィーンと反対側・南西方向に流れていくのです。この景色を近くのお花畑の中で楽しみながら、パンと果物のお昼にします。

Burgeralpeハイキング
【s207.jpg:北〜東方面:ウィーンの方向はこちら】

Burgeralpeハイキング
【s214.jpg:左(南):ウィーン水道の源泉Hochschwabホーホシュヴァープの雪山(最高峰2277m)が連なる。 右(西):Erlaufsee湖、Gemeinde-alpe(1626m)、Gr.Otscherエッチャー(1893m)山脈】

alps-east-end
【周囲の流域図と分水嶺:クリックで拡大。
赤の▲が主な峠の位置。数値は100m単位・・例:12=海抜1200m台】
Burgeralpeハイキング
【s192.jpg:西に見える特徴的な山、Gr.Otscherエッチャー山(1893m)。この方向にリンツの町がある】

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●マリーアツェル巡礼教会 Basilika die Mariazell


 のんびりと花を見ながら山を下っていく途中、教会の鐘が 平日で定刻でもないのに10分以上も打ち鳴らされます。結婚式などのイベントがあったのでしょうか、ちょっと楽しみです。

Burgeralpeハイキング
【r867.jpg:黄色の花畑の中を、山を下る。右下に町と教会が見える】

Burgeralpeハイキング
【r877.jpg:巡礼教会が眼下に見えてくる】


マリーアツェル Mariazell
【s241.jpg:教会のお土産屋・・巡礼に関連するような小物が一杯】
 大きな教会が眼下に見えてきて、入ってきたことろは門前町。十字架やマリア像などのおみやげ屋が軒を連ねています。その先には大きな広場、何台ものバスやたくさんの観光客。

マリーアツェル Mariazell
【s240.jpg:門前町にはお土産屋が並ぶ】

マリーアツェル Mariazell
【r879e.jpg:教会前広場】

マリーアツェル Mariazell
【r882e.jpg:門前には観光客目当てのお土産屋が連なっている】

 そしてたくさんの黒い衣装の司教さんたちが、教会の周りで信者たちと語らっていました、やはり何かイベントがありそうです。
 教会の内部に入るとその豪華な内装、きらびやかな祭壇に設置されているのは黒っぽい聖母子のマリア像。チェコのミクロフ・ロレタ巡礼教会で黒マリアに出会い、ダビンチコード、マグダラのマリア? と興奮したのですが、ここも黒マリア?

 実はこの設置してある像は、1727年にマリア・テレジアによって奉納された銀製のコピーのため黒っぽく見えていたのです。オリジナルは高さ22インチの菩提樹の彫像で黒くはなさそうです。

マリーアツェル Mariazell
【s246.jpg:司教と信者たち】
マリーアツェル Mariazell
【聖母像:パンフより】


【菩提樹で作られた像:】

マリーアツェル Mariazell
【s252:教会内部】

●マリアツェル伝説と、巡礼ルート


 ある僧侶が布教の途中、盗賊に襲われ、逃げ道も岩で塞がっていた。持参していたマリア像に祈ると目の前の岩に隙間が一瞬でき、無事に逃げることが出来た。これに感謝し1157年この地に小さな祠を建てた。
 以来ボヘミアやハンガリーの王侯、特にオーストリア皇帝から重きを置かれ、ハプスブルグ家の結婚式や、マリアテレジアが初の聖体を受けたのもこの教会だった。彼女は1727年銀製の聖母マリア像を寄贈した。
 この教会に向かってオーストリア国内、ハンガリー、中欧各地から多数の巡礼の道が作られている。またスペイン:サンチャゴ・デ・コンポステーラへ巡礼路もある。

マリアツェル巡礼ルート

http://www.mariazell.at/【巡礼ルート】

 教会前の広場でコーヒーを飲んでくつろいでいると、司教たちの記念撮影が始まりました。教会で貰ったチラシから「ハンガリー・オーストリアの司教が集う祈りの会」が3日間にわたって行われ、今日11時15分からは「Festgottesdienst 教会での礼拝祭」 あの鳴り続いていた鐘は、その祈りが終わった合図だったのです。

 皆さん白髪で黒衣装ですが、丸い帽子と腰の幅広の紐は、後の司教がピンクに対し、前の2人だけが赤なので、きっとウィーン・聖シュテファン大聖堂と、ハンガリー・ブタペスト・聖イシュトバーン大聖堂の大司教なのでしょう。

 マリア・テレジアなどハプスブルク家の人たちから、繁栄の守護として熱狂的に崇拝され、かつての大帝国のあちこちから巡礼の人たちがこの教会にやってきたのです。オーストリー・ハンガリー2重帝国が終わったのは1918年、それは第一次大戦終結ですから88年前。歴史を越えたつながりは今も続いているのです。

マリーアツェル Mariazell
【s267.jpg:ハンガリー・オーストリア合同司教会】

<マリアツェル関連サイト>

 ☆「ウィーンからマリアツェルへの 200km 山越え」【マリアツェル巡礼紀行:いわれなども】
 ☆http://wien.cocolog-nifty.com/【マリアツェル「門前商店街」】
 ○http://www.mariazell.at/【マリアツェル:いわれ、町紹介など】
 ○http://www.sacred-destinations.com/【マリアツェルの聖女・歴史】
 ○http://en.wikipedia.org/【Mariazell by wikipedia】
 ○http://www.mariazell.at/【巡礼路地図】

<関連書籍・地図>

 本:『ウィーンとオーストリア―地球の歩き方』 :  
 本:『「うたかたの恋」の真実―ハプスブルク皇太子心中事件』 :  
 本:オーストリア ハプスブルクに関する書籍
 DVD:『世界遺産 オーストリア編出演: 緒形直人 』 

<オーストリア・ワイン>

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<関連HOTELなど>

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