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【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】
  【国別地図】  【日本語ガイド本】

Sestriere セストリエール峠 (2035m)
 ・・・2006年の冬季オリンピックはイタリア・トリノ。その会場にもなる峠の村 セストリエールは、フランス国境にも近い、ゆったりした尾根の上に 突然できた、巨大なスキーリゾート・・・

 イタリアは、まるでバブルの真っ最中。過大に思えるこの設備はどうするのでしょう。

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【Agnel〜Costigliole〜Saluzzo〜Cavour
 〜Pinerolo〜Sestriereのルート】

 Costigliole〜Saluzzoサルッツオ〜Cavour〜Pineroloピネローロの約40kmの道は、ほぼ直線です。古代ローマの道は、こんな風に直線が多いとどこかで読んだことがありましたが・・・。この道幅狭いのに(センターラインのない道)、対向車は150kmくらいでぶっ飛ばしてきます。ちょっと怖気ついて・・・こちらが100kmほどで走ると、後ろに長蛇の車の列に・・・すぐなります。ピネローロから、Valle-del-Chisoneキゾーネ渓谷に入る道をちょっと迷って・・・。ポーの平原から徐々に海抜が上がるにしたがい、当然車も少なくなってか?運転に余裕が出てきます。

 午後1時、まだ食欲は出ませんがコーヒー休憩をと、街道沿いの店を見るのですがなかなかないのです。朝から約150kmほど走ったCastel-del-Boscoの村で道路わきに、小さな人気のないレストランを見つけ、そこでコーヒーを。イタリアのコーヒー安いのです。2人で1.66ユーロ(≒\180)と。でちょっとトイレを借りようと奥に入ったら・・・道路に面したバーからは気がつかなかったのですが、なんとそこにはたくさんのお客さんが、肉・ワインで豪勢な昼食中でした。いちげんの旅行客がいい店を見つけることって、難しいですね。

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 Colle-delle-Finestre フィネスト峠の分岐の標識が出てきました。地図を開き、さてどうしようかと悩みます。



【02.jpg:Finestre峠への分岐点】


フィネスト峠セストリエレ峠ルートの不思議と魅力・・・

 このColle-delle-Finestreフィネスト峠(2176m)と、Colle-di-Sestriereセストリエレ峠(2035m)の二つの峠は、僕にとっては疑問と興味がわく峠でした。RV社のEURO ATLAS(1/30万)地図の100の峠一覧表に、フィネスト峠が記載されていたのです。しかし地名からのIndexで見つからず、85ページもある全ページを升目を切って峠を塗りつぶし、ようやく見つけたところでした。地方道/林道レベルの道です。そして同時に見つけたのがセストリエレ峠で、こちらは国道レベルなのに一覧表に載っていないのです。

 かつこの場所、フランス・イタリア国境からちょっと離れ、地形としても主要山系から離れた場所です。さらに時間をかけ、調べるにしたがい、フィネスト峠からセストリエレ峠にむかうルートに、2000mを越える複数の峠が連続していることで、きっと嶺の上を走っているルートだろうと・・・興味が一杯でした。

 北東のSusaスーザから、 Colle-delle-Finestre(2176m)〜 Colle-dell-Assietta(2472m)〜 Colle-di-Lauson(2497m)〜 Colle-Blegier(2381m)〜 Colle-Costa-Piana(2313m)〜 Colle-Bourget(2299m)〜 Colle-Basset(2424m)〜 Colle-di-Sestriere(2035m) でセストリエレの村に到達するルートです。



 イタリア旅行協会のガイドブックには、「未舗装・道狭い・曲がりくねり・・・とあり、通行不能の場合も・・・」と。結局、今日はセストリエレの村に行き、道路状況聞いてスーザに抜けようと決めます。この判断、結果よしでした。

 駐車した道の下に見えるのがChisoneキゾーネ川ですが、あまり眺めが利かないのです。ポー平野でもそうでしたが、なぜか山の方向に濃いモヤがかかっているようで、山がはっきり見えませんでした。なぜなのでしょう?


【07.jpg:フィネスト峠への分岐付近:左が西】


【17.jpg:キゾーネ川の渓谷:左が下流=東】


 途中、工事だらけの狭い道が続きます。左前方に雪山が見えはじめ、あの山の向こうは今朝出てきたモンテヴィーゾの方向かなと考えながら走っていると・・・突然大きな建物群が現れ、なんだろうと思います。ここがセストリエール(セストリエレ)のスキーのリゾート村でした。そしてその中心ポイントが峠でした。


【126.jpg:山が見え始め、スキー場が、そして】

  
【144.jpg:ホテル群】 【150.jpg:左はリゾート設備・・】 【192.jpg:セストリエレ峠2035m】


 インフォメーションは2:30というのに休憩時間でした。Openは3時とゆっくりなので、それまで少し中心街を散策します。・・・すごいホテル群です、高そうです。そして公共設備、リゾート設備・・・いかにも「国際リゾート地だよ」と各国の旗が色鮮やかにひらめいています。・・・が、人はほとんどいないのです。金曜日の午後なのにゴーストタウン?時々オリンピックマークが見えて、あ、トリノの冬季オリンピックの会場なのか。こんなはずれに作ったのか、と気づきます。


【151.jpg:東の山(左)=M.Blanchetta(2823m)にむかってスキーリフトが何本も、南東の山(山の間の雪山)=Pta.Rognosa(3280m)、南南東の山(中)=M.Sises(2658m)にむかってもスキーリフトが】


【166.jpg:ホテル群と、右にインフメーション、その奥のガスっている山がMonte-Freiteve(2701m)】


【1a8.jpg:リゾート設備だらけです・・・そして人影は・・・なし】


 インフォメーションが開いて、がらがらのカウンターに。Hotelは4つほど開いていました。B&B一人60-29EURと比較的安い宿もあり安心します。ところが、スーザへの例の峠づたいのルートはオフロードで、乗用車では無理との説明を受けます。さて明日はどんなルートを取るか?今晩ゆっくり悩むことにします。そして、やはりこの付近がオリンピック競技の一番の中心になるとのこと。まわりの山にむかうたくさんのスキーリフトと、このホテル群はそのためでした。(ワールドカップ・アルペンが2002.12.16ここセストリエールで男女とも開催されました)

  
【SestriereのMap】  【トリノ冬季オリンピック会場の一覧・・・クリックで拡大します】



 宿を決め、果物などの調達に村の中を歩きます。雲・ガスの流れが激しいところです。風がそんなに強いとか、寒いわけではないのですが、あっという間に山や、周囲を霧・モヤのようなものが流れていきます。イタリアに入ってからの、あの遠望がきかない原因はこれだったんですね。地中海からの熱波・ポーの盆地の湿度・熱せられた大地と地形などからなのでしょうか? →【●ピエモンテ・ロンバルディアの霧について


【1b7.jpg:周囲を霧・モヤのようなものが流れていく】


【179.jpg:宿の部屋から見る:東の山(左)=M.Blanchetta(2823m)スキーゲレンデが、南東の山(雪山)=Pta.Rognosa(3280m)、南の山(右)=Roc-del-Boucher(3285m) とその手前の雪渓】

 泊まった宿(Hotel-Olimpicオリンピック:3☆,B&B=31Eur/人)は、今シーズンの初日とのことで、家族総出でアプローチに花植えの最中でした。夕食は村のレストランでポーク・スパゲティなどをとったのですが、残念ながらやはり「観光地の味と値段」で、グルメでない僕でもわかるぐらい美味しくない、明らかに高いものでした。・・・宿のベランダから、夕暮れ風景を見ながら、明日のルートを検討します。

 見えている山、1/10万の地図と見比べてみると、東の山(左)=M.Blanchetta(2823m)にむかってスキーリフトが何本も、南東の山(中:山の間の雪山:手前の建物のむこう)=Pta.Rognosa(3280m)、南南東の山(中・右)=M.Sises(2658m)にむかってスキーリフトが、南の山(右)=Roc-del-Boucher(3285m)〜M.Gran-Roc(3050m) とその手前の雪渓、北西の裏山=Monte-Freiteve(2701m) のようです。
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 そして翌朝の素晴しい眺めです。朝日で山が焼けだして・・・雲ひとつない青空の山々を、ホテルの裏の小高いところまでに見に行きます。


【216.jpg:宿の部屋から見る:南東の山(左の雪山)=Pta.Rognosa(3280m)、南の山(右の岩山)=Roc-del-Boucher(3285m)】


【230.jpg:左側に大きなスポーツセンター、正面の三角の山(南南東)=M.Sises(2658m)にむかってスキーゲレンデがいくつも】


【218.jpg:左=泊まったHotel-Olimpic、右(北西)裏山=Monte-Freiteve(2701m)にもリフトがある】


【219.jpg:この道を行くとBasset峠(2424m)からスーザ方面に】


 イタリアは、ここ数年すっかり国力をつけ、まるでバブルの真っ最中のようにみえます。この北イタリア、野菜・果物などの物価は周辺国に比べすごく安く、ユーロという単一通貨流通でその安さがまさに比較できます。そんなことも隣接国への輸出などにつながっているのでしょう。

 でも、2006年の冬季オリンピックが終わり、そしてユーロ経済圏が広がったとき、このトリノ付近はどのように変化しているのでしょう。長野も作りすぎた設備の維持などに、苦労をしているようですが。

★★→各国別(アルプスエリア)とヨーロッパで、一番標高の高いところにある通年定住の村は?


【241.jpg:南の山=Roc-del-Boucher(3285m)〜M.Gran-Roc(3050m) 、手前は郵便局などの入っている大きな建物】

参考URL:
●イタリア・トリノ:2006年冬季オリンピック関係

http://www.torino2006.orgオリンピック・トリノ情報
アルペンスキー・ワールドカップ【コースmap】
http://www.montagnedoc.com/
http://www.sestriere.it/【Sestriere】
セストリエール峠付近のホテル検索
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<関連書籍・地図>
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<フランスのモンジュネーヴル峠まで折り返して、スーザにむかうことにしました・・・・・>
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