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【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】
  【国別地図】  【日本語ガイド本】

Agnel峠=2744m/2748m

Col Agnel/Colle deell'Agnello
  コル・アニュエル/コッレ・デッラニエッロ峠(2748m)
 ・・・ヨーロッパ・アルプス第3位の峠  【
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ハンニバルの進軍状況  これだけ眺望がきく峠は、あまりありません。
 ・・・2200年前・・・この小高い場所にハンニバルは登り、「我らカルタゴ軍は、アルプスを制覇した」と全部隊の指揮官に演説したのでしょうか・・・
フランス:(05)オート・アルプ県】 [北村 峠一].(Kitamura)     


 2700mを越えるヨーロッパアルプスの自動車道路峠はイズラン(2770m)、ステルビオ(2757m)、アニュエル(2748m)、ボネット(2715m)の4つだけです。もうすぐです。6月21日でまだ残雪が残っています、この雪もあと半月もするとほぼ消えるでしょう。・・・そして到着、駐車場に車を停めると・・・


【166.jpg:あの先が峠。その先がイタリアで、マークが出てくる。正面の高い山はPic de Caramantran(3026m)】


【199.jpg:峠:フランス側を見る。右はじにモン・ヴィーゾ(モンテ・ヴィーゾ)が見える。】

 ほぼ東9kmにあるモン・ヴィーゾ(モンテ・ヴィーゾ)(イタリアではモン・ヴィーゾ)の山の頂き二つが逆光気味に見えています。正午頃の太陽が、あの右の斜めに切った雪の斜面に反射したら素晴らしいでしょうね。

 国境の標識・・・海抜がイタリア表示2748m、フランス表示(国境表示も)2744m、IGNのMAPでは2746mとそれぞれ違っていました。測定の誤差について、あまり厳密でないようです。

  
【1c0.jpg:左=Viso - Punta Triesteモン・ヴィーゾ(モンテ・ヴィーゾ)(3841m)の頂上、右=Viso di Vallanta(3781m)モン・ヴィーゾ(モンテ・ヴィーゾ)の煙突】 【1d1.jpg:イタリア表示の海抜は2748m】 【237.jpg:フランス表示は2744m】



 峠に10人ほどのハイキングのパーティーが3台ほどの車で到着しました。そして「やあやあ、日本人か。ワールドカップは勝ったのか・・・え、トルコに負けた?それは残念。うちのフランスはだめだったよ・・・ジダンがね・・・負傷で」・・・こんな話を見知らぬ東洋人に声かけてくるのは女性達。なかでも活発な方は、国境プレートの上に飛び乗って・・・記念撮影です。
 男性も3人居るのですが・・・奥ゆかしく・・・遠くから見ているだけ。カメラに日があたらないように気を配ったり・・・きっと、疲れきっても運転させられるのでしょうね。


【233.jpg:峠で出会ったパーティの女性メンバー・・・下の写真と比較して・・・】


【240.jpg:国境の標識に乗る二人=積極的な人たち。カメラ側は静かな人たち。男の人は日陰を作ったり、遠方から見守ってやさしく消極的?】


 小高い場所に、山を表示したプレートが設置してあります。

 ・・・・・もし、この峠を越えたのだとしたら・・・
 こんな場所にハンニバルは陣取り、駐車場の場所にいる数百人の全軍の部隊長に向かって演説をしたんでしょう。10月末の、冷え切った見晴のよい朝・・・谷の遠くにジェノヴァ方面も見えたでしょうか。


【213.jpg:峠の脇の小高いところからの表示板:フランス側】


【1d7.jpg:北側:フランス側。右隅にモンテヴィーゾ。】

−−−−−−−−−−
 イタリア側です。氷河で削られVaraitaヴァライタ川が作った、急な斜面の渓谷が眼下に広がっています。深い谷の底にChianaleカナーレの村(1818m)付近が見え、谷底に下りていく道路が右・左とカーブして続いています。


【219.jpg:イタリア側】


【1c1.jpg:南側:イタリア側の急激な下り】 【アルザスromeosierraさんからの情報


<付近のWebサイトなど>
Col Agnel, Molines-en-Queyras, France付近のホテル検索
モリーンヌ=アン=クイラ Molines-en-Queyras付近のホテル検索


<関連書籍・地図>
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●イタリア・トリノ:2006年冬季オリンピック関係



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Elephants

●ハンニバルと象が「アニュエル峠」(推定)を進軍した状況など

 −− ポリビオス(BC200-BC118)の記述による。「」は推定の地名 −−
 ●前のポイント「Fontgillarde村」← 【●ハンニバルの有力推定ルート】 →●次のポイント「Agnel峠を下る」





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<ここまでの経緯>
 約4カ月半前、スペインを出たカルタゴ軍は、「ギル川支流」の源流まで来た。この先の峠道路の工作の間、この地で2日間の休養をする。

 しかし軍の食糧は底をつき、荷役動物や疲労しきった軍馬などを食べて飢餓をしのいでいた。また、時々雪、朝夕の凍る寒さをしのぐテント・衣類なども失っていて、軍の士気も衰えていた。

 実はハンニバルのもとに、前方の道路工作隊から・・・峠のイタリア側下り斜面はあまりにも厳しく、象・荷車を含む全軍を通過させることは無理だ、との報告があった。


<この地のハンニバル軍>

 紀元前218年10月21日早朝:ハンニバルは、軍の最前線のイタリア国境の「トラヴェルセッテ」峠の頂上近くの平坦地に、全部隊の部隊長・指揮官を召集する。

 朝9時の指示の時間に合わせて・・・前年の残雪が所々に残り、さらに今年の雪も降り積もった峠道。登ってくる隊長達の、革布で覆った足元も、昨夜の雪で冷たく滑りやすい。朝日がようやくフランス側の山肌を射しはじめる。

 500人を越える全部隊の指揮官達がこの平坦地に集まる。ハンニバルはその先の高い岩の上にいる。

 ハンニバルは彼らを、その集結地から峠の頂上に連れて行く。
 ・・・・・・・・・・
 峠の稜線に立つと、眼下に「ポー川支流ヴァライタ」川の源流、イタリアに下る渓谷、そしてイタリア・ピエモンテ平野全体を越えて、遠くジェノヴァ方面のの丘陵地まで見渡せた。

 ハンニバルは彼らを奮起させ、この険しい崖を下山させるため、大声で演説をする。

 ・・・イタリアを指差し、「この先のすべては、我らカルタゴ軍のものだ。ローマを守っていたアルプスをすでに制覇したのだ」と。

 そして・・・翌朝、全軍で下る・・・と。


 アルプスの登り道から11日目。イタリア国境の峠越えまで残り4日。

 軍の規模は、歩兵2万9千、騎兵6千9百、象20頭。


 ●前のポイント「Fontgillarde村」← 【●ハンニバルの有力推定ルート】 →●次のポイント「Agnel峠を下る」
・・・皆さんの想定、推測情報などありましたらお願いしますハンニバル応援

参考資料:
 この記載情報はポリビオス(BC200-118)の記述による。これをもとにルートを推定・解説している本は以下のものである。
 ・Gavin de Beerギャヴィン・デ・ビーア 『ALPS and ELEPHANTSハンニバルの象』時任生子訳:博品社(G-page)
 ・John Prevasジョン・プレヴァス『HANNIBAL CROSSES THE ALPS ハンニバル アルプス越えの謎を解く』村上温夫訳:白水社(J-page)
 ・Hans Baumannハンス・バウマン『ハンニバルの象つかい』大塚勇三訳:岩波書房:(H-page)
 ・The Green Guide:『French Alps』2001 Michelin:(M-page)
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<アニュエル峠の急なイタリア側を下ります・・・・・>
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