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記事No : 193
タイトル フランスアルプス縦断データ
投稿日: 2001/09/09(Sun) 12:44:52
投稿者minakata_h

フランスアルプス縦断の旅(アルザスよりコート・ダジュールを目指して)

実施日:フランスアルプス−2001年8月27日〜8月30日(アルザス、コート・ダジュールを含む−8月24日〜9月2日)
使用車 SIXTレンタカー、ボルボS60(ガソリン車2400cc)オートマティック車
フランスアルプス縦断に先立ちColmarのromeosierraさん方にお邪魔させていただくことになり今回の旅行はBasel-Mulhouse-Airport(EuroAirport)からの出発となりましたが、ここで大問題が発生。この空港を含めてColmarやMulhouseではHertzやAvisはオートマ車を扱っておらずstrasbourgでないと手配できないとのこと。すっかり困り果てたところにromeosierraさんよりSIXTというレンタカー会社ならこの空港でも手配してもらえると教えていただき助かりました。当初はMercedes Cを予約していましたがイタリアには乗り入れられないとのことでボルボS60に変更となりました。この車2400ccのFFセダンで山岳道路でもパワー不足は感じさせず快適なドライブでした。

アルプスに出発の前々日romeosierraさん宅にお邪魔させていただいた折りに、昨年のアルプス縦断旅行の写真集を見せていただきました。「目指す先は険しい道のりの連続だが頑張って来いよ」との親心と受け止め、下調べしてきた情報をもう一度確認するように拝見させていただきました。アルザスでの楽しかったお話はヤフー・アルザストピで追々お話しさせていただきましょう。

1日目(8月27日)この日は早く出発しなければと思いながらも宿泊していたオーベルジュの川べりでの朝食にすっかりくつろいでしまい、結局出発が10時前と遅くなってしまいました。
Colmar北のIllhaeusernの村―Basel―Montreux(車窓からのレマン湖がとても綺麗でした)―Martigny手前、湖畔のSAで昼食―Col du Grand Saint Bernard(2473m)―Aosta―(イタリアの高速道路はクレジットカードで支払いできたかな?リラを持っていなかったのでやむなく一般道を、時間的な遅れを取り戻せない)―17:30頃宿泊予定のla Rosiereを目指してCol du Petit Saint Bernardを登り始めるが、最初のつづら折りの坂を登ったところで眼前に拡がるあまりにも綺麗なモンブラン山群につい車を止めて暫し見入ってしまう。時間も押してきていたのとモンブランの誘惑に勝てず引き返して結局この日はCourmayeurでホテルを探すことに。
この日の走行距離 約420km

Col du Grand Saint Bernard:途中トンネルルートと別れていよいよ峠道に入るも、センターラインがあり道幅も結構広く十分に整備されていて走り易い峠です。スイス側の景色は峠付近より少し手前の方が素晴らしいです。峠を少し下った所の国境あたりから湖越しの峠の写真もお忘れなく。博物館で娘は生後一ヶ月のセントバーナード犬を抱かせてもらい大満足。ここの入場料はCHFでもITLでも支払えます。kitamuraさんのHPにもありましたが、峠の標高はEuro Atrasでもミシュランでも2469mなのに峠の標識には2473mとありました。これはどういうことなのでしょう?

Courmayeur:Gallia Gran Baita hotel★★★★ Half Boardで200,000Lit/person、ただし9歳の娘はエキストラベッド、同じ食事付きで無料でした。モンブランの町としてはシャモニーが圧倒的に有名ですがイタリアサイドのこの町もなかなか良いですね。日本人にはまだまだ馴染みが薄いようですが、ホテルも結構たくさんあって町は大勢の観光客で賑わっていました。

2日目(8月28日)
いつかのromeosierraさんからのご提案を思い出し早朝のロープウェーでAigulle du Midiに登りそこで朝食を取ることに。7:40にホテルを出発、麓のla Paludから3回ロープウェーを乗り継いでAigulle du Midiに。ここで恐れていたことが起こる。標高3842mのAigulle du Midiは私にとっては高山病が心配(ユングフラウに行った三度とも軽い高山病に悩まされたから)だなと思っていたら、なんと娘の方が気分が悪くて動けないとぐったりしている。早々に下山することにするが娘をおんぶした私も妻も次々と気分を悪くする。何とか帰りのロープウェーに乗り込んで事なきを得る。

モンブラン:ホテルで「モンブラン」へのロープウェーの情報を問い合わせていたところ「モンテビアンコ」ときました。そうです、ここはイタリアでしたね。麓のla PaludからPointe Helbronnerまでの乗車券にはITLが必要ですがクレジットカードでも支払えます。その先のAigulle du Midiまではフランス領内となりますがFrFでもITLでも支払い可能です。4人乗りの小さなロープウェーで氷河の上を片道30分の空中散歩はとても素晴らしいですよ、ぜひお薦めしたいですね。もちろんパスポートはお忘れなく。

la Paludを11時過ぎに出発―Courmayeurのホテルに戻って朝食の振り替え分で昼食をいただこうとするもレストランは12:30からだと、時間がもったいない、あきらめて出発―Col du Petit Saint Bernard(2188m)―la Rosiere(これから向かうCol d’Iseran方面の眺めを楽しみながら昼食)―Seez(902号線への曲がり口に注意。Col du Petit Saint Bernard方面からだと右後方鋭角に細い道を入っていくことになるのでうっかりすると通り過ぎてしまう)―Val d'Isere―Col d’Iseran(2770m)―Bonneval(道沿いのお土産物屋さんで車を止めて今通ってきたCol d’Iseranを振り返る。峠を降りてからはずっと川に沿って下りの走り易い道が続く)―Lansleboug Mont-Cenis―St.Michel(町中のゴチャゴチャしたところで左折しなければならないので通り過ぎないように)―Col du Telegraphe(1566m)―Valloire ここで既に18:30、この先Col du Galibierを越えてla Graveまで行くのは無理と判断してホテルを探すことに。
この日の走行距離 約250km

la Rosiere:峠途中のちっぽけな町ですがromeosierraさんお薦めのように遠くまで眺望が開けていて(東方以外はどの方向も良い眺めが楽しめます)本当に良い所だなと思いました。洒落たホテルなども現在建設中でした。前日ここまで辿り着けなくて残念!でも当初予定になかったモンブラン観光のおまけが付いたので良しとしましょう。

Col d’Iseran:賑やかなVal d'Isereの町を出ると早速荒涼とした原野が開け、この先高度を上げるに連れて眼下の素晴らしい眺望が刻々と変化していきます。私たちは途中何度も車を止めて眺めを楽しみました。峠頂上はかなり広々としているため、峠手前からの景色が素晴らしいです。
ヨーロッパアルプス山岳道最高点のイズランなら残雪が沢山あるかと思っていましたが(昨年7月のステルビオ峠は道路以外は一面の雪景色だったので)峠にはまったく残っておらず楽しみにしていた娘はガックリ、峠を少し下った路肩に僅かな残雪を見つけて暫し雪遊びを楽しみました。この峠も道路標識やミシュランでは2770mなのにEuro Atrasでは2762m、どうなっているのでしょう?

Valloire:Christiania★★トリプル、室料のみ300FrF。ミシュラン・レッドガイドではこの町に★★★のホテルがあと二軒紹介されていますが、ここが一番洒落ていてレストランも賑わっていました。ただ、この町はTelegrapheとGalibierに挟まれた盆地のような所ですからお薦めしません。

3日目(8月29日)
9:30頃ホテルを出発―Col du Galibier(2645m)―

峠を下りながらの車中の会話
妻「毎日、朝から晩まで登ったと思ったらまた下るの繰り返しやねー。さっき下ってたと思って気が付いたらまた登ってたりして、夢だったのかなと思うことも・・・(妻は酔い止め薬のためにうつらうつらしていることが多い)。山も良いけど町にも行きたい・・・。」
娘「お父さん、山道じゃなくて真っ直ぐな道を選んで走ったら楽やのに・・・。私も町に行きた〜い!」
私「・・・・・。ここまで来たらどこに行くにも峠を越えんと行けやんのやー・・・。(まずいな〜、ちょっと峠を減らして町を入れるか・・・)」

と言うことでla Meijeは峠を下ったCol du Lautaret付近から眺めることに(モンブランを見てきたことだし、La Graveに行くのは今回は諦めよう)
―Col du Lautaret(2058m)―Brianson(市内観光および昼食で約3時間を費やす)―この先N94号線を選択、したがってCol d'Izoardは通過せず―Guillestre―Col de Vars(2109m)―Barcelonnette(ホテルにチェックイン後市内観光に)
この日の走行距離 約150km

Col du Galibier:la Meijeなど南方面の景色は峠からがお薦めですが、北方面(ドロミテを思わせる鋭く切り立った山群も望める)の眺望は峠手前の方が良いと思います。

Brianson:城砦の町、旧市街地の一番高い所に大きな駐車場があるので、そこに車を止めて城門をくぐり町中へ。町の真ん中を急な下りの細いメインストリート(お店やレストランが建ち並び、真ん中にグラン・ガルグイユとよばれる排水溝を勢い良く水が流れています。)が麓に向かって通じており、町のいたる所に昔の水飲み場と「日時計」が残っています。

Col Agnel:実は今回Col Agnelをイタリア側に下って(romeosierraさんのレポートを拝見したら下ってみたくなりますよね)Col du Larcheから戻って来るという計画を密かに持っていました。Col d’Iseranと並んで楽しみにしていたCol Agnelを諦めるのは断腸の思いでした。残念!

Barcelonnette:Hotel Azteca★★★メゾネットタイプのトリプル、室料のみで560FrF。
中心部に進入していくと町(中心部の商店街は歩行者天国になっています)を取り巻くように左回りの一方通行になっています。中心部に進入して突き当たりの進入禁止で道なりに右折して突き当たり50mにホテルが現れます。このホテルのバルコニーからはこの先越えていくメルカントール国立公園の山々が一望のもとに眺められて素晴らしいですよ。3〜4のグループならメゾネットタイプのお部屋がお薦めです。私たちが泊まった時には夕食を食べられるレストランはありませんでした。町のレストランではMangeoire Gourmandeをお薦めします。19:30〜、人気のお店なのかこの日は満席で予約のないお客が何組みも断られていました。商店街中程から路地に入った所にインターネットカフェがあります。私が旅の途中「峠の茶屋」に現地報告させていただいたお店です。

4日目(8月30日)
Barcelonnette(ホテルを9時頃に出発)―Jausiers―Col de Rostefond(2678m、どこが峠だったか見逃す)―Col des Granges(2715m,Bonnette)−Cima de la Bonnette(2805m)―Isola―St. Sauveur-Sur-Tinee―Roubion―Col de Coullole(1678m)―Beuil(昼食)―ここから202号線を目指して真っ直ぐに南下、両サイドから赤い岩盤(岩の何かの成分が赤くしているのでしょうか?)が空を覆うがごとくにまで迫っている峡谷を進んで行きます。―Venceにてホテルを確保、市内観光に。
この日の走行距離 約250km

Cima de la Bonnette:今回私が通った峠の中ではここが一番道が細かったかな。峠の前後ではセンターラインも無いし、南への下りでは対向車とすれ違うのに崖っぷちに寄らなければならないのが怖かったですね。峠の周辺至る所でマーモットを見かけました。少し行くと今度は羊の放牧が見られたりと娘は大喜びで車はなかなか前には進めません。峠の北側の廃墟は対戦車の軍事施設だったんですね。所々に石で象られた星型マーク見かけましたが、上空からの目印か何かなのでしょうか?峠の南側には兵舎か倉庫のあとと思われる集落も見かけました。

Roubion:ここは以前romeosierraさんからスライドを見せていただいた時から興味を持っていた所でSt. Sauveur-Sur-Tineeの町で迷わず横道にハンドルを切りました。それにしてもRoubionに続く山道のなんと細いことか!和歌山の山奥でも今時こんな道は残っていません。這うように車を進めRoubionに、ここは山中深くひっそりと佇む空中都市で「魔法使いのお婆さん」のような人が座り込んでいて一層不思議な雰囲気をかもし出していました。20分もあれば村を一回りしてしまえる小さな村落です。

Beuil:14時頃Restaurant L'Escapadeで遅い昼食、村を車で一回りしたところここだけがやけに賑わっていたので入ってみましたがなかなかいけました。ミシュランにも紹介されているホテルレストランです。食事中突如低空飛行のジェット戦闘機のものと思われる爆音が轟き渡りお客が皆顔を見合わせました。フランス軍の訓練空域なのでしょうか?

以下、蛇足ですがこの後のコート・ダジュールでの旅程です。
8月30日
Vence(夕方から市内観光)

8月31日
Vence―St.Paul(市内観光、マーグ財団美術館など)―Villefranche-sur-mer(Hotel Le Versaillesにて昼食)―St.Jean-Cap-Ferrat(岬まで一回りした後ロスチルド邸を見学)―Eze
エズ村泊

9月1日
午前中エズ村を散策、昼食後空港に向かい夕方の便で帰国の途に。

旅行中の全走行距離1310km(8日間)

感想
フランスアルプス縦断ルートは結構タフなコースですね。一旦このコースに入り込んでしまうとどちらを向いても峠道からの逃げ場がなく否が応でも峠を越えて前進するしかない、という点からすれば初めて峠を走られる方にはお薦めし難いコースかも知れません。私たちも途中疲れて峠を避け一般道を走ったこともありましたが、取り敢えずIseran、Galibier、Bonnetteといった主要な峠は走破することができてたいへん満足しています。
またYahooでも話題になった「北上」ですが、より急斜面の登坂路をよじ登る感じが味わえるのと、常に順光で山が綺麗に見えるのでよりお薦めかなと思いました。
ただ、今回走破してきた達成感は感じているのですが、どこか今までのアルプスと違って何かが物足りない・・・。振り返ってみれば「雪の白さ」がちょっと少なかったように思いました。8月下旬という時期が問題だったのでしょうか?今年7月に走られた高橋さんの写真では結構白いものが見られていますよね。それなら7月中までがお薦め?あるいは今年のヨーロッパは例年になく暑かったのでしょうか?昨年もっと遅い時期の9月末に走られたれたromeosierraさんの写真でも結構残雪が見られたように記憶していますが・・・。
このルート、最終的にはニースあたりで車を返すことになると思いますが、山中ばかりを駆け巡った後コート・ダジュールの真っ青な海を見ながら暫し旅の疲れを癒やすのも宜しいのではないでしょうか。
ニースからパリへのフライトではしっかりと右窓側の席をお願いして、走ってきたばかりのフランスアルプスを上空から楽しみました。
やっぱり良いですね、アルプスは。
さて、次はどの峠を目指しましょうか。

あとがき
一昨年スイスでのドライブを計画中にkitamuraさんのHPに出会うことができ、ユリア峠を皮切りに私のヨーロッパアルプス峠の旅が始まりました。昨年はベルニナ峠、ステルビオ峠、ドロミテの山々などを楽しんで来させていただきました。今年はこのHPを通じてお知り合いにならせていただきましたromeosierraさん御夫妻にアルザスをご案内していただいた後にフランスアルプスを巡るといった私たち一家にとりましては一生の思い出に残る素晴らしい旅行となりたいへん喜んでおります。
最後になりましたが、今回の旅でも多大な情報とアドバイスを頂戴いたしましたkitamuraさん、そしてromeosierraさん、高橋さんに心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


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