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Sils-Baselgiaシルス・バセルジア〜Surlejスールレイ〜Ova dal Sagl滝

この美しい風景は氷河の作った地形、さらに大規模な土砂崩れも・・

スイス:グラウビュンデン州】[北村 峠一].(Kitamura)      

Surlejスールレイ
【h072.jpg:SurlejとSilvaplanaの間にあるCastle Crap da Sassクラップ・ダ・サース城。左にマロヤ峠方面の雪山、右にユリヤ峠方面の雪山】
カレンダーの教会
【カレンダーにはシルスマリアの教会と説明があった】

シルス・バセルジア周辺の地図
【周辺の地図と大分水嶺:クリックで拡大】


●Sils-Baselgiaシルス・バセルジア


 Passo del Malojaマロヤ峠から、宿をとってあるビッビオに戻る途中、Lago di Silsシルス湖の東にあるSils-Baselgia/シルス・バセルジアに立寄ります。

 ここの地名Sils-Baselgia/シルス・バセルジアは、Sils i E.(Sils im Engadin)とも言うドイツ語、Segl-Baselgiaと言うロマンシュ語が併記されているように、ロマンシュ語圏内ですがドイツ語も同時に使う人が多いのです。

 実は以前見たカレンダーに「シルスマリアの教会」と説明されていた教会の写真を撮ろうと思って、このすぐ東にあるSils-Mariaシルス・マリアに立寄ったのは1997年7月1日のこと。ところが目的の教会はそこになく、周囲をビデオ撮影して帰ったのです。実際にはそれはシルス・バセルジアという湖岸の西側にあったのです。

Sils-Baselgia
【g719.jpg:シルス・バセルジアの教会】
 あの1997年の旅紀行が12年以上も未完成なのは、きっとこんな事があったから・・

 さらに当時はアナログのビデオHi-8で、キャプチャーしても解像度が悪く、今では見たく無いほどの画像のせいでもあるでしょう。

 そして2001.7.1には、ソーリオから北に通過するときに車中からそのシルス・バセルジアの教会を撮影できました。でも一度じっくりと撮影したいと立ち寄ったのです。ところがこの教会付近、駐車する場所がなかったのです。違反に懲りている私は、仕方なく妻を車に残しちょっと撮影して・・引きあげます。残念ながら、あのカレンダーの角度からの撮影は出来ませんでした。

ヨーロッパアルプスのハイキング地図
【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】
  【国別地図】  【日本語ガイド本】
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●Surlejスールレイ


 Silvaplanaseeシルバプラナ湖の西湖岸をさらに北に・・時間があるので・・Silvaplanaシルヴァプラーナの町には以前入った事があったので、今回は対岸のSurlejスールレイに行って見ました。

 早速みえてきたのが、SurlejとSilvaplanaの間にあるCastle Crap da Sassクラップ・ダ・サース城。スイスを代表する風景のひとつで、あまりに有名な眺めです。

Surlejスールレイ
【h0722.jpg:Castle Crap da Sassクラップ・ダ・サース城と左にマロヤ方面の山Piz da la Margnaピッツ・ド・ラ・マルニャ(3159m)などとシルバプラナ湖】

●Silvaplana、Champfer、Surlejと1772-1793年の土砂崩落

・Silvaplanaシルバプラナ、Champferシャンプファー、Surlejスールレイは以前はひとつの村だった。
・1772年と1793年に大規模な土砂崩れが起き、イン川沿いにあった谷と人家を埋め尽くした。
・そのため2つのSilvaplanaseeシルバプラナ湖とChampfer湖ができた。
・逃げ延びた村人は安全な3個所の場所に別れて定住し、別の村になった。
・Castle Crap da Sassクラップ・ダ・サース城は、落盤の岩石の上に、落石を用いて1906年に建造された。

http://www.panoramio.com/【Silvaplana, Champfer,Surlej村の歴史解説】
http://en.wikipedia.org/【wiki/Moraine:エンガディンのモレーンの写真】
 このCrap da Sass、ロマンシュ語を調べると「crap=岩塊、sass=岩塊」と言う意味でした。さらにネットで過去の歴史を調べて見ると、
「この付近一帯のSilvaplana、Champfer、Surlejは以前はひとつの村だったが、1772年と1793年に大規模な土砂崩れのため、逃げ延びた村人は3個所に別れて住みついた」
「クラップ・ダ・サース城は、その落石を用いて1906年に建造された」とありました。

 このイン川の両側は地図にも書いたように、
 東側が<ドナウ川とポー川の大分水嶺アルプス>、
 西側が<ドナウ川とライン川の大分水嶺アルプス>に挟まれています。
 それぞれのアルプスの氷河のMoraineモレーン、氷河による岩と土の堆積は膨大なものでしょうし、それにより川が堰き止められた地形が、現在のオーバ・エンガディンのたくさんの湖だと考えられます。

 そこに1772-1793年とまだ200年ほどしか経っていない最近、大規模な土石流でイン川が堰き止められるような地形の変化で、住民すら村を捨てざるを得ない自然の恐怖だったのです。

 古代ローマから中世にかけての、エンガディン・イン川に沿う街道の旅は、今のような湖岸をゆっくり観光できるような道ではなく、急斜面で落石があり、ぬかるんだ細い道を通過しなければならない、大変難儀な状況だったと想像します。

Surlejスールレイ
【g730.jpg:南方向:左から、Rosatschの山並、Piz Corvatschコルバッチュ(3451m)、シルバプラナ湖のむこうにマロヤ方面の山と谷】

Surlejスールレイ
【g732.jpg:北方向:左から、Piz Polaschin(3013m)、ユリア峠、Piz-Albana(3100m)など、サンモリッツ方向、Rosatschの山並】

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●Ova dal Saglサグル滝へ


 クラップ・ダ・サース城の脇、シルバプラナ湖に沿って南に散策路があり、はるか遠くにPiz Corvatschピッツ・コルヴァッチュ(3451m)の雪山が光っています。稜線にはロープウェイも見えます。

 そして林の中に、豪快な音で滝が落ちているのが見えます。コルヴァッチュの氷河からの水でしょう。あの滝のどこまで登れるのか・・時間つぶしの挑戦です。

Ova dal Sagl Ova dal Sagl
【h074/h075.jpg:林の中を、Ova dal Saglサグル滝が流れ落ちています】

Ova dal Sagl滝

【Castle Crap da Sassクラップ・ダ・サース城から、Ova dal Sagl滝への地図】
Ova dal Sagl Ova dal Sagl
【g733/g735.jpg:滝に沿って登っていく】

Ova dal Sagl
【g739.jpg:残念ながら高さ170mほどの滝、残り50mほどで引き返します】

 地図の海抜差は湖岸が1791m、滝上部は1968mと170mほどの滝、すぐ到達出来そうに思えたのですが・・かなりの急勾配。滝のしぶきでところどころは道もぬかるんで来ました。急に思いたったので、ストックも車に置きっぱなし。残念ながら、残り50mほどで引き返すことにします。

<関連するサイト>

<近隣のサイト>
http://en.wikipedia.org/【wiki/Sils_im_Engadin/Segl】
http://www.panoramio.com/【Silvaplana, Champfer,Surlej村の歴史解説】
http://en.wikipedia.org/【wiki/Silvaplana解説】
http://en.wikipedia.org/【wiki/Moraine:エンガディンのモレーンの写真】
http://www.photok.ch/【SurlejのOva dal Sagl滝:写真】

<関連書籍・地図>

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