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Gasthof Ellmauerのメニューと実物
【g081c.jpg:ガストホフEllmauerのおいしい夕食のメニュー(写真は食べたもの)】

Ellmau em Wilder Kaiser
エルマウ(ヴィルダー・カイザー):その2

絶品料理の腕を持つシェフまで、日本のカルチャーに興味津々・・モーツアルト街道!!

オーストリア:チロル州】[北村 峠一].(Kitamura)      


●食事のうまさは・・今年の旅で最高


 ディナーが5時以降いつでもOKという宿は珍しいのです。7時とか8時からが普通なのですが、旅をしているとこんな風に自由度のある時間設定は嬉しいものです。このこの宿Gasthof Ellmauerガストホフ・エルマウワーは道路沿いにあり、観光バスや、ドイツに帰りを急ぐ家族連れなどを相手にしているので、早くから夕食を出しているのでしょう。

 ところでここの宿代は、朝夕2食が付いて72eur(ユーロ)ですから、この旅行した時のレート「170円/ユーロ」の超円安でさえ2人分で約1万2千円。一人当たり6千円と日本ではまずない額。数年前には100円/ユーロでしたから、その頃ならさらに3,600円。考えられない額で旅行できたものでした。

Ellmau
【g039.jpg:朝食:パンがうまい、当然ハム・チーズフルーツ類も】
 朝食のビュッフェ方式はこの宿も他とほぼ同じで、日本で言うバイキングスタイル。パン、ハム、チーズ、コーヒー、紅茶などを、好きなだけ皿に盛り付ける方式です。オーストリアのパンはおいしいですよ。昼に食欲がないときは、たいてい朝のパンをつい食べ過ぎたときでした。

 一方夕食の方式は他の宿とちょっと変わっていて、レストランのメニューの中から自由に選び、10eurを越える料金分や飲み物代は毎食事後に支払う方式です。好きなものが選べるし、最後の日の清算が簡単なのでなかなか良いシステムです。
 が、10eur(1700円:一時なら1000円)ですから、食事のうまさはあまり期待できない(?)と思われるでしょう。ところが意外だったのです。

 最初にお断りしておきますが、私は料理オンチ。食べ物の写真は写せても、その説明なんてやったことがないのですが、今回あえて挑戦してみます。注文した品名は単語を単純に訳しただけなので、メニューを見るには、ここをクリックしてください。

●1日目


 初日、妻はやはりオーストリアだからと「ウインナ・シュニッツェル」(10.5eur)、私は「サーロインステーキ・ペテルスブルグ風」(11.9eur)を注文しました。こんな風に2人で違うものを注文し、場合によって入れ替えれば、いろんな料理が食べられます。それぞれにサラダと日替わりスープが付きます。
 「サーロインステーキ・ペテルスブルグ風」は、カマンベールチーズとキノコを薄切り牛肉でロールしたものと、フライドポテト、豆の付け合せ。なかなか美味しくて、ちょっと試食した妻も2日目に注文したほどです。ビール大ジョッキー3杯も飲んで、超過した額が13.7eur(≒2300円)。






Ellmau
【g083.jpg:2日目:手前:七面鳥・チーズクリームソースとヌードル、奥:サーロインステーキ・ペテルスブルグ風】
Ellmau
【g016.jpg:1日目:ウインナ・シュニッツェル、サーロインステーキ・ペテルスブルグ風】


Ellmau 【g080.jpg:2日目のサラダとスープ】

●2日目


 2日目は私が「七面鳥・チーズクリームソースとヌードル」(10.5eur)、妻は私が昨日食べておいしかった「ペテルスベルク・ステーキ」(11.9eur)を。麺好きな私は、こちらではパスタ系をよく注文します。サラダも新鮮だし、日替わりのスープにも麺が入っていて嬉しいですね。

 今日は2人で赤ワインの1/2リットル。それを入れて追加8.9eur(≒1500円)。

●3日目


 3日目は妻が「シュニッツェル、キノコとライス」(10.5eur)。私は「ヤギ肉のカレー味クリームシチュー、モモ・バナナ・コケモモ・フルーツ添えとライス」(11.0eur)をとったのですが、これが実に絶品。サラダとスープはそれぞれビュッフェ・スタイルなのでが好きなだけ取ってきて、幸せの満腹。今日は小ビールが2杯だったので、追加はたった5.6eur(≒900円)ですみました。

Ellmau Ellmau
【g145.jpg:3日目のスープ・サラダ】 【g146.jpg:3日目:シャンピニオン・シュニッツェル、カシミア(ヤギ)肉、フルーツ(モモ・バナナ・コケモモ)、カレー味のソース・・絶品】

 料理はすべてこの宿のマスターが作っていますが、素晴らしい腕前で、ここは今年の旅で食事した7箇所中の宿の中で最高の味でした。宿代、料理、飲み代もすべて含めた1日の平均が、2人で81eur。1人約6800円で済むのですからと格安度も1〜2位です。どこもそうですが、ハーフボード付きの宿代のほうが、宿と食事を個別に支払うよりはるかに格安な仕組みになっているのです。
ヨーロッパアルプスのハイキング地図
【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】
  【国別地図】  【日本語ガイド本】



●男前の宿のマスターに・・妻も・・


Ellmau
【g150.jpg:プレゼントの「日本」の鉢巻をした日本びいきのマスター】
 3日目の夕食後、マスターが最後の夜だと言って、Schnapsシュナップス(リンゴ酒)の小グラスをサービスに持って話に来ました。そのアルコール度40%あるという蒸留酒は、味わう以前に喉が熱くなります。

 この宿に日本人が来たのは初めてとか。オーストリアを旅する日本人はたくさん居ますし、ここはスキーリゾート、キッツビールにも近いので意外に感じます。こんなに安くてうまい宿を知らないとは、もったいないですね。

 そして話は、なんとまたも「日本のカルチャー」。同名のドイツ語の本を持ってきて、飲み屋、旅館でのスタイルや、私の若い頃の下駄スケートなどにまで話が盛り上がります。

 さらにあの美人マダムも加わり、「うちの主人の日本のカルチャー熱はすごくて・・あきれている」など、さらに賑やかなおしゃべりが続きます。美人の女将さんってトクですね、話をしているだけでお客が嬉しくなってきてしまうんですから。

Ellmau
【g149.jpg:57%もあるシュナップスもいつの間にか・・】
 マスターは次に、57%もあるナッツのシュナップスを持ってきてくれましたが、
「ワインより強いアルコールは飲めない」と言っていた妻のグラスは、先ほどの40%のシュナップスも、今度のグラスもいつの間にか空。
 男前のマスターが横に座ってくれたので、ポッとあがってしまい、いつの間にか一気飲みしてしまったのだそうです。

プレゼントした日本の鉢巻を巻いて、マダムと男前(?)のマスター二人の写真を撮ったのですが(前ページのTOP写真)、いつの間にか膝にすわり、肩を抱いて・・美人って・・いいなー。




【Ellmauエルマウ付近の地図】

●この3日間は、しっかり雨だったけれど・・


 この宿をベースに、2日目はHintersteiner-Seeヒンターシュタイナー湖(奥岩湖)へ雨の中をハイキング。3日目もやはり霧・小雨の中、11年前に泊まったThire-seeティア湖(涙湖?)付近をハイキング。さらに近隣のBrixentalブリクゼン渓谷、Hopfgartenホッフガルテン、Sollゼルなどのドライブで、いくつもの教会に立ち寄り壁画を見たり、小雨のけぶるアルムを散策したりしたのです。

 期待していたヴィルダー・カイザーの見事な姿は見られませんでした。でも時差対策や、こちらでの生活ペースに身体をかなり合わせられたような気がします。

Ellmau
【g020.jpg:泊まったガストホフとチロル民家】

Ellmau
【g010.jpg:初日、宿の部屋からのヴィルダー・カイザー。正面の高い山の右付近が最高峰のEllmauer Halt(2344m)】

●モーツアルト父子が、1769年12月14日(木曜日)夕方、この道を馬車で西に・・


壁絵の松味先生から次の情報を頂きました>
・・エルマウの辺りは、かつてモーツアルトがザルツブルクからロヴェレートへ行った時馬車で駆け抜けた道ですね。彼の母親への手紙を読むと、そんな気がしていました。・・

1769年(モーツアルト13歳)の時、第1回イタリア演奏旅行をしました。その中で最初の頃の日程などを調べて見ました。 その結果、
モーツアルト父子は1769年12月14日(木曜日)夕方、この道を馬車に乗って快適に西に向かっています。
ヴェルグルから母と姉にあてた手紙に「僕の心は大きな喜びに溢れています」「雪の道中が全然寒くなく、馬車の中は経ヤン中と同じくらい暖かだった」とのことですから、雪道を快走していたのですね。


 12.13ザルツブルグ発〜
 12.13ローファー(ハックルターフェルン、今のガストーフ「ポスト」泊)〜
  <12.14(木)に現在の道路距離で57kmを走っているので、エルマウ通過は夕方の時刻でしょう>
 12.14ヴェルグル(泊)〜
 12.15インスブルック着(Zum Weisses Kreuz白十字館に泊、12.17キューニグル伯爵邸でコンサート)12.18発〜
 12.18シュタイナー(泊)〜
mozart-italytour-1770Verona  12.19ブレンナ峠越え〜12.19ブレッサノ−ネ(泊)12.21発〜
 12.21ボルツァーノ泊〜トレント〜
 12.24ロヴェレート着(GBトデスキ男爵邸でコンサート=○イタリアでの初演奏。翌日サン・マルコ聖堂でオルガンを弾く)12.26発〜
 12.27ヴェロナ着(1.5アカデミア・フィラルモニカ演奏会など多数のコンサート)1770.1.10発〜

<参考サイト>
モーツアルト生誕250年:モ−ツアルトの年表(イタリア旅行・峠の旅を中心に記載)

<参照URL>
https://www.musikland-tirol.at/【Mozartとチロルに関する多数の情報・写真】
www.japanitalytravel.com
nifty.com/pietro/
www.yuko-hisamoto.jp
本:『ブレンナー峠を越えて』小塩節著


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●雨天の恨みは晴らさねば・・


Ellmau
【シュナップスの小瓶を土産にもらう】
 残念ながら出発の朝も、しっかり降っている雨の中をイタリアに向かい出発です。マスターからシュナップスの小瓶を土産にプレゼントされ、2年後にまた来ますと挨拶して。

 今回の旅の前半2週間は日本の梅雨のような天候(ただしベタつかない)が続いたのですが、後半はカラッとした晴れ空の連続でした。1ヵ月後、セルデンからミュンヘン空港に向かうルートは、やはりヴィルダー・カイザーの岩山を見なければと。

 そしてうらみは晴らせたのです。執念で再度トライした、7月3日のエルマウからのヴィルダー・カイザーは完璧な晴れ。真ん中の高い山(Treffauer:2304m)の右が最高峰のEllmauer Halt(2344m)です。

Ellmau
【g984.jpg:執念で再度トライした7月3日のエルマウからのヴィルダー・カイザー・・完璧な晴れ。真ん中の高い山(Treffauer:2304m)の右が最高峰のEllmauer Halt(2344m)】

宿情報●:オーストリー:(チロル州):
Ellmauエルマウ
<Gasthof Ellmauerhof ガストホフ・エルマウワーホフ(☆☆☆)>


Gasthof Ellmauerhof 【Gasthof Ellmauerhofのパンフより】
・2008年6月4-6日、3泊利用。
・ミュンヘンからドロミテへの途中:
・家族経営。1954年からの経営。
・ツインルーム、ハーフペンション(夕・朝付)(72eur(約12千円/2人)
・10eur以上の料理、ワインなどは毎日追加料金を支払う方式。
・夕・朝とも料理は最高にうまい。
・バスタブの部屋を選ぶが、なかなか良い宿。
・晴れればヴィルダー・カイザーが北正面に見える。キッツビールへの幹線に面しており、各地への基点になりうる。
・駐車場は建物前・横。
・マダムは超美人。
私のお勧め度:5.0
https://www.ellmauerhof.at/
https://www.bergfex.at/【Gasthof Ellmauerhof】Familie Platzer
・住所など:Steinerner Tisch 30,A-6352 Ellmau / Tirol
  Tel.: +43 (0) 5358 / 22 13 Fax: +43 (0) 5358 / 36 01
Email: gasthof@ellmauerhof-tirol.com
地図
Gasthof Ellmauerhof

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<関連するサイト>

<近隣のサイト>
https://www.ellmau-tirol.at/【Ellmauの観光ガイド】
https://www.wilderkaiser.info/【Wilderkaiserの観光ガイド】
https://www.kufstein.at/【Kufsteinの観光ガイド】
https://www.wilderkaiser.info/【Wilderkaiserの観光ガイド】

<関連書籍・地図>

ヨーロッパアルプスのハイキング地図、ガイド洋書  山渓など:日本語編

<関連HOTELなど>

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