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Kitamura-flowers [ヨーロッパ アルプスの花]

解説・説明


花マルチIndex+色別Index
花のしくみ
離弁花と合弁花
花弁数:花びらの数
花序の形
葉の形
葉の縁の形・裂け方
葉の基部の形
双子葉類と単子葉類
草と木の違い
植物分類体系
学名/命名者/仏・伊・独・英名
種子・花粉の移動
イネ科:風媒花
裸子植物(別分類):マツ科など
白色・淡い色・斑入りの花
植物にも「血液型」がある
サイトLink:海外・国内・図鑑・ソフト
花マルチindex検索
参考:図鑑品質向上作業


★本サイト内を、地名などのキーワードで検索できます★

eu-alps.com内検索 WWW検索

●花マルチIndex+色別Index

花マルチIndexmulti-sort【学名,科名,花弁数,和名,色などソート】(★注:写真約3MBをPC内にダウンロードしますので、最初に時間かかります)

色別Index
coler-palet
Blue青色 Red赤色 Yellow黄色 Green緑色 White白色 Other他の色
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●花のしくみ

・めしべPistil:柱頭(ちゅうとう)Stigma、花柱(かちゅう)Style、子房(しぼう)Ovary
・おしべStamen:葯(やく)Anther/花粉(花粉)、花糸(かし)Filament
・花弁(かべん)Petal/花冠(かかん)Corolla
・萼(がく)Calyx/片(へん)Sepal
・花托(かたく)Receptacle/花床(かしょう)
・花柄(かへい)Pedicel
・苞(ほう)Bract/苞葉/小苞

  ○花と果実に関する基礎知識

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●離弁花と合弁花・・→このサイトでは「花弁数」は離弁して数えています。

・離弁花:花びらが4-5枚にばらばらになるもの
・合弁花:花びらがくっついていて離れないもの→このサイトでは「花弁数」は離弁して数えています。

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●花弁数:花びらの数・・→このサイトでは「花弁数」は見た感じで数えています。

・植物の生殖器官の花は、昆虫を引き寄せるため大きく目立つ必要があります。さらに花は短時間なので外部環境を受けず、形変化すると生殖効果が変わる事などから、あまり進化による変化はしなかったといいます。
・ラン=6枚、 ☆花の数字【花びら:0枚=裸子・イネ科、3枚=ユリ科、4枚=アブラナ科、5枚=多数】
花のタイプ【花の形:花被、相称性、花葉数、配列、性、偽花・・】

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キク科の構造

筒状花

舌状花

●キク科の花弁数は5?・・→このサイトでは「花弁菊5」と分類しています。

・キク科の花弁数は数えられないほどあるように見えますが、実は5個なのだそうです。
・筒状花は、花冠の先がいくつかにさけていて(キク科は5つにさけている)、5枚の花弁が合生したものということになります。これを歯と呼びます。
・舌状花は、花冠の一方だけが伸び、先端が5つの歯に分かれていて他はV字形。・・キク科の特徴
・タンポポの仲間は舌状花しか持っていない。ヒマワリは周囲に舌状花があり中心の丸い部分に筒状花がある。どちらも先が5つに分かれており、キク科の花びらは5枚あることがわかる。
・キク科の学名は「Asteraceae(保留名/代替名=Compositae」。asterは「星」の意味、Composは「合成された」の意味。
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●特殊な花冠の形:このサイトでは「唇形、蝶形、スミレ形、壷形、鐘形」と呼びます。


唇形
(シソ科など)

蝶形
(マメ科など)

スミレ形
(スミレ科など)

壷形
(ツツジ科など)

鐘形
(キキョウ科など)

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●花序の形


単頂

総状

円錐状

散房状

尾状

散形状

集散状

複集散状

頭状
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●葉の形


楕円形

卵形

へら形

腎形

心形

被針形

倒被針形

線形

●葉の縁の形               ●葉の裂け方


全縁

波状

鋸歯

重鋸歯

歯牙刃
欠刻

浅裂

中裂

深裂

全裂

くしの歯

頭大羽状

●葉の基部の形


切形

くさび形

ハート形

つきぬき
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●双子葉類と単子葉類

被子植物(種子が子房に被われている植物:cf裸子植物)は、葉脈、根の形、子葉の数などの特徴によって、双子葉類か単子葉類の2種類がある。
  双子葉類 単子葉類
子葉の数:
(種子が発芽していちばん最初に出てくる葉)
 
 2

 1
葉脈の通り方
葉脈は網目状(網状脈

葉脈は平行(平行脈
維管束の並び方  輪の形  ばらばら
根の形
主根側根
ひげ根
花びらの数 4、5枚(4か5の倍数)が多い 3、6枚(3の倍数)が多い
おもな植物 アブラナ サクラ アサガオなど イネ ムギ ユリ トウモロコシ ネギなど


花弁と花冠【離弁/合弁、構造、タイプ・・】
「シソ科の唇形花」【写真で解説】
【とってもくわしい植物図鑑】
野草観察事典:キク科
花弁と花冠petal & corolla【写真説明】
植物 WORLD【双子葉類・単子葉類】
中学理科の攻略【双子葉類・単子葉類】
「ロゼットrosette/根出葉/タンポポのように、葉が放射状に地中から直接出ていること」

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ファルカーデ:Lilium bulbiferum(ユリ科)

●草と木の違い

 草:茎の中がやわらかく、あまり発達せず、木のように大きくならない。
   1年草(1年草生植物):春、種子→芽→葉→花→果→種子→冬の前に全体が枯れる。
   越年草:冬を葉の状態で過ごすもの。
   2年草:冬の前に発芽し、春から夏に花を咲かせて枯れるものを言うが、実質1年草。
   多年草:多年にわたって生育し続ける植物。
   宿根草:地上部は一年で枯れるが地下部(根)が春に芽を出すが多年草。種子でも繁殖する。

 木:茎の中の木質部が発達し、年とともに太くなり年輪を作る。
   発芽した年にはほとんど花が咲かず、寿命が数十年から数百年と長く、形成層
   (樹皮のすぐ内側に沿って生きた細胞の層)により年々太くなる。(サボテンは木)

   高木・・大木(スギ、ケヤキなど)
   低木・・たけが低く幹がはっきりしないもの(ヤツデ、ツツジなど)
   小低木・・高山にある30cm以下のもの(コケモモ、ガンコウランなど)
       ヤシやシダ植物なども、ひろい意味では、木として扱われる。

 竹:草の特徴と木の特徴の両方を持っている。
   花が咲くのは、数十年に一度、花が咲くと枯れる、形成層がない、硬い。(草に近い)


 ☆木と草の違い
 ☆22世紀の森づくり・神代 - 情報箱-草と木の違い
 ☆樹木と草の違い【森の七不思議】
 ☆草も木も無い種も実もある身も蓋も無いかもしれない話

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●植物分類体系(界→門→網→目→科→属→種)

 ・門(<網):被子植物(胚珠が子房の中。双子葉類 単子葉類 )、裸子植物(胚珠がむきだし:ソテツ類、イチョウ類、マツ類、イチイ類、グネツム類)、コケ植物シダ植物藻(ソウ)植物(海藻、植物プランクトンなど)

 ・目:APG 被子植物系統グループ(Angiosperm Phylogeny Group)【被子植物:1998年〜:ミクロなゲノム・DNA解析から実証的に分類】 ⇒★この体系で記述
   ・クロンキスト体系【被子植物:1980年代〜:アーサー・クロンキストArthur Cronquistより提唱】
   ・新エングラー体系【被子+裸子植物:1953年〜:単純→複雑に進化を系統的に配列分類。市販の植物図鑑等で使われる】
 ・科<属<種:
 (参考):植物学の科の総数は、属の総数より少ない。
     植物学の属の総数は、一般的には20万から30万種といわれている。
     植物の種の総数は、2004年時点で命名済みの種だけで200万種あり、実際はその数倍から十数倍以上の種の存在が推定される。

 (参考):動物の分類
   ・脊椎動物(無顎類、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)
   ・無脊椎動物(上記以外:ホヤ、カニ、昆虫、貝類、イカ、線虫その他)
   ・植物の分類が変わる!−植物の新しい分類について【新エングラー体系⇒APG体系】

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●学名/植物命名者/仏・伊・独・英名

 ・学名例:Habenaria radiata (Thunb.)  K.Spreng.
      (属名)   (種小名)  (原命名者名*) (命名者名) ・・*学名を変更した場合は命名者名を()内に示す。
 ・「植物の学名一覧 (ラテン語)」・・植物の学名は「属名+種小名」(リンネ提唱の二名法)で表現され、「科名」は含まない。
  「科名一覧(日本語)
 ・「sp.=species種の略」は〜属の一種、 「spp.=sp.属の複数形」、 「ssp.=subspecies亜種の略」 、 「var.=variety変種の略」、 「f.=forma品種の略」、「cv.=cultivar栽培品種」、 「x」 は種間交雑種、 「X」 は属間交雑属。
 ○wiki/学名
 ○「生物の名前と分類」・・呼び名、学名、読み方(表)
 ○属名・種小名の意味と由来【My self:Index属名から花、など多情報
 ○日本の高山植物の命名者索引
 ○日本産・植物学名著者(命名者TOP20人など)
 ○植物学者の略記一覧

 ・「ラテン語の発音」【ローマ字読み:cは[k](Caesarカエサル) ,g は[g] (cogitoコーギトー),tubaトゥバ,j は[j](Jupiter ユピテル),vは[w](Venusウェヌス),(Catullusカトゥッルス)】【ja, je, jo, juは「ヤ、イェ、ヨ、ユ」】【x, xa, xe, xi, xoは「クス」「クサ」「クセ」「クシ」「クソ」】
 ・「ラテン語の発音」【発音の基本:母音/二重母音/子音/発音早見表/アクセント】

 ・学名のカタカナ表記はマルチIndexなどで誤差ありのため:vaバ、viビ、vuブ、veベ、voボ, diディ としています。
 ・ラテン語→発音:Google翻訳
 ・各花の説明には仏名/伊名/独名/英名欄がありますが、アルプスの花は各国共通種が多いので、
  swiss web flora ( http://www.wsl.ch/land/products/webflora/)を使うと便利です。
  例えばEnglish →distribution of species → Latin: V でViola calcalata を調べると分布図と一緒に独名/仏名/伊名が同時に分かります。
  英名が?なのはcalcarataが英国に分布していないためでしょう。・・・(Takagiさん情報提供)
 ・Schede di botanicaでも仏名/伊名/独名/英名が表示されます。

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●種子・花粉の移動

<種の移動>
:空気や風を利用して飛ぶ
 ・種子を包む果実が回転翼を持っているもの・・カエデ、マツなど
 ・種子を包む果実などに綿毛が付いているもの・・タンポポなど
 ・種子に綿毛の付いているもの・・ガガイモなど
 ☆種子の飛行【回転翼をもつ種子の飛行】
:動物に運ばれる


<花粉の移動>
:風に運ばれる
 ・風媒花
:昆虫に運ばれる
 ・虫媒花

 ・『旅をする木』とは・・「星野道夫さんの作品:本の名・・一羽のイスカがトウヒの木に止まり、ついばみ落とした幸運な種子の物語・・ユーコン川を旅し、ベーリング海まで」


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●イネ科:風媒花


 
【イネ科の花の構造】

 イネ科などの地味な花は、花粉を虫に運んでもらう「虫媒花」に対し、風に運んでもらう「風媒花」という・・

 「虫媒花」とは、虫を引き寄せるために、美しさ、派手さ、香り、蜜などを分泌したりするのですが・・蝶や虫や人の目にはあまり魅力が感じられない「風媒花」は、本当は合理性を追求した「進化した花」。

 イネ科の穂、花の構造:小穂は小花の集合で、めしべ(柱頭)は長くて毛が生え、花粉をとらえやすいしくみになっていることが多く、おしべ(やく)はほとんどのものが3本。

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●裸子植物(別分類):マツ科など・・ 


【マツの花のつくりと種子のでき方】
 マツ、ソテツ、イチイなどは、今まで主に扱ってきた「被子植物」とは別の、「裸子植物」に分類される。「マツの花のつくりと種子のでき方」の図解。

 「裸子植物」は、胚珠が剥き出しになっているものをさし、種子を作るようになった最初の植物。恐竜が多種多様な進化を遂げた白亜紀(1億5千年前)以降、裸子植物に代わって、胚珠が子房に包まれて保護されている「被子植物」が広がり始めた。

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●白色・淡い色・斑入りの花

白色・淡い色・斑入りの花:解説

 ・⇒●淡い青色のGentiana acaulis
 ・⇒●淡い青色のGentiana alpina
 ・⇒●白色系のGentiana clusii
 ・⇒●白色系のGentiana orbicularis
 ・⇒●斑入り、色差混在のGentiana pumila
 ・⇒●斑入り、グラデーションのGentiana verna

★白色・淡い色の花
 ●albinaアルビノ=白
 ○植物学の分野においては、光合成色素を合成できない突然変異個体のことを指す用語として用いられる。このような個体は独立栄養が営めないため、種子中の栄養を使い切ってしまった時点で枯死することになる。【wiki/アルビノ
 ○http://www.naturamediterraneo.com/【白、淡い青色のGentiana acaulis花映像あり・・酸性の土壌で変化したのではないかとのこと】
 ○https://www.google.co.jp/【Gentiana clusii albinaをGoogle画像で検索】

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★斑入りの花はなぜできるのか:(斑= ハン・ふ・まだら・ぶち・むら)
 ●「日本植物生理学会-みんなのひろば」によると、
  ・遺伝学的な理由(トランスポゾンという動く遺伝子の作用、細胞質ゲノムの突然変異)
  ・生理学的な理由(ある遺伝子が欠損することで斑入りが起こる、外的要因:強い光・ウイルス感染など)
  ・発生学的な理由(周縁キメラ:茎頂分裂組織で特定領域で色素の形成の分化がおかしくなる)
  など、その理由ははっきりしていない旨が書かれています。
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 ●質問:植物の斑入りの葉 登録番号: 0727  2006-06-02
 ・植物の斑入りの葉はどのようにしてできるのですか?  永野
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 回答:本質問コーナーでこれまでに植物の葉や花の斑入りについて2回、ご質問があり、これについて、何が原因でどうして生ずるかなどについて、詳しく研究されておられる岡山大学・資源生物科学研究所・坂本 亘 教授からそれぞれ解説していただいています。
  学会ホームページの質問コーナーに、質問番号0235、0397に対する回答として掲載されていますが、ここに0397、0235の順にもう一度掲載しますのでご覧下さい。二つ目の解説は少し難しいかも知れませんが、よく読んで下さい。斑入りを単に眺めるだけでなく、それがなぜかといった疑問をもつことが科学にとって最も大切です。  浅田 浩二(JSPPサイエンスアドバイザー)
 (回答1)主に葉の斑入りについて
 斑入りの葉で、緑のところと白いところで何が違うかというと、細胞の中にある「葉緑体」が違っています。
 ふつう、緑の細胞の中には、光合成を行うための、膜でおおわれた器官が発達します。それが葉緑体です。
 葉緑体には光合成を行うための、  (1)光エネルギーを受け取る装置、  (2)光エネルギーを化学エネルギーに変える装置、  (3)そのエネルギーで二酸化炭素から糖を合成する装置、があります。
 緑に見える理由は、上の(1)にクロロフィルなどの色素(葉緑素)があるからです(色素が吸収しない光が緑なので、緑色に見えるのです)。つまり、斑入りの葉には葉緑体がある細胞と、そうでない細胞とがかたまりになっているため、緑と白に見えるのです。白いところには、上の(1)(2)(3)がありません。
 では、白い細胞には何があるかというと、葉緑体のかわりに「白色体(プラスチド)」という器官があります。一般に、プラスチドは葉緑体の前駆体で、プラスチドに光が当たると、上に書いたような装置が発達して葉緑体になります。白い細胞では、葉緑体になることができなかったプラスチドがそのまま残っているか、あるいは、葉緑体が上の装置を維持できずに壊れてしまったプラスチドが残っています。
 葉緑体は、細胞内共生といって、植物の起源となった細胞にシアノバクテリアという光合成細菌が入り込んでしまったことに由来します。したがって、葉緑体は細胞内でバクテリアのように動きまわったり、増殖を続けたりしますが、細胞自体がそれをうまく制御しているのです。
 斑入りの植物でも、おそらく、このようなプラスチドは増殖していますが、葉緑体への分化、あるいは葉緑体を維持することがうまくいかない部分ができ、その結果、白と緑のところができてしまいます。
 緑のところは光合成をするので、デンプンが蓄積しますが、白のところでは蓄積しません。中学校の教科書では、デンプンを紫に染めるヨウ素反応でテストすると、緑のところだけ染まることが紹介されています。
 なぜ斑入りになるか、私はその専門家なのですが(>_<)、残念ながら、その理由はよくわかっていません。ただ、原因はある程度わかっています。
 解明されたものの多くは、突然変異、つまり遺伝子の働きが違うことでそのような斑入りになることがわかっています。
 また、生理的な理由、つまり、植物が病気にかかったときなどに症状として斑入りが現れることもわかっています。
 どちらにせよ、自然界にたくさんの斑入り植物が存在するので、植物が様々な環境条件(例えば、熱帯地方とか乾燥地帯など)に適応して繁殖するときに、有利になる場合があるのだと考えられています。
 植物の斑入りは、見るだけでもいろいろあって楽しいですが、科学的にわからないこともたくさんある面白い材料です。なぜ、自然界にいろんな斑のパターンができるのか、興味深いですが、同時にわからないことばかりです。
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 回答(2)どうして花や葉に斑入りが生ずるのか
 植物の斑入りがなぜおこるかについては、現在でもわかっていないことが多いですが、一般的な現象としては以下のような理由が挙げられます。
 遺伝学的な理由:
 花色で最も有名な例は、絞りアサガオなどの斑入りで、これはトランスポゾンという、動く遺伝子の作用により引き起こされることがわかっています。トランスポゾンとはDNAの中を動くことができる(つまりあるDNAの領域から他の領域へ転移できる)遺伝子のことです。例えば、これが、花の色を紫にする遺伝子に入っていると、遺伝子が不活化されるため、全ての花弁が白い花になりますが、もし花弁の発達中にトランスポゾンが転移して遺伝子の働きが回復するとその部分だけが紫になります。
 転移性のトランスポゾンは、多くの植物に存在することが明らかになっており、トウモロコシ、イネ、ペチュニア、キンギョソウなどでよく研究されています。トランスポゾンが原因となる葉の斑入りは、あまり報告がないですが、ないことはないです。
 それから、細胞質ゲノムの突然変異による葉の斑入り、という例も知られています。遺伝子の殆どは核ゲノムの染色体にありますが、植物細胞では葉緑体とミトコンドリアにもDNAゲノムが存在し、遺伝子を持っています。1つの細胞にはたくさんの葉緑体とミトコンドリアが存在し、それぞれがDNAを持っています(つまり通常は突然変異があってもマスクされて出てきません)。ところが、葉緑体やミトコンドリアDNAに突然変異が生じ、それらが分離して蓄積すると、その変異が生じた部分が白い組織になってセクター状になる、という斑入りの例が知られています。
 以上のような例は、遺伝的に起こる斑入りの典型例ですが、一般的な斑入りがこのようなしくみでおこるかはわかっておらず、筆者らはむしろ例外的だと考えています。
 生理学的な理由:
 上の様な例の他に、ある遺伝子が欠損することで葉に斑入りが起こる現象も多く知られています。
 この場合は、トランスポゾンと違って遺伝子が動くことはなく、均一に突然変異が起こりますが、葉緑体の機能が何らかの影響を受けることで一部の細胞は白くなり、一部の細胞は緑のままになります。原因となる遺伝子については、光合成の機能に関係すると言われていますが、様々な例があります。この場合、原因となる遺伝子についてはもっと詳しく話すことができますが(詳しくは参考文献を見て下さい)、ご質問のように「なぜ斑入りになるか」はよくわかっていません。
 植物の葉は、光や温度などの条件に応答して光合成やその他の代謝機能を変化させます。その結果として、強い光で育てると斑になったりすることがあります。また、外的要因の一つとして、ウイルスなどの感染に応じて組織に斑入りの様な「病候」を作ることもあります。これらは植物自体の適応反応として斑を作るわけですが、なぜそうなるかはよくわかっていません。植物は、生長点という分裂組織から再生するために、葉の一部が白くなって死んでも生き延びることができます。このように、植物は斑入りになることで劣悪な環境条件から自分自身を守っている、と考えることもできますが、科学的には証明されていません。
 発生学的な理由:
  遺伝子の影響が詳しく調べられる以前の、教科書などに書いてある葉の斑入りには、例えば「周縁キメラ」という例が書いてあります。これは茎頂分裂組織(葉を作るもとの細胞)において、特定の領域で色素の形成や葉緑体の分化がおかしくなると、その結果として葉の周縁部のみが白い斑入りとなる例で、発生段階における変化が結果として斑入りとなる、ということが書かれています。このように、ある種の斑入りによっては「パターン」を示すので、発生学的に原因を考えるべきです。ただし、葉の発達には光が必要であり、そのような意味で上述した生理学的な理由とも関連するので、葉緑体の発達がどうして特定の段階で異常となり斑入りを生じるのかは、遺伝子のレベルではわかりません。
 おわりに
 園芸植物や山野草などで斑入りの植物は珍重されていますが、斑入りといっても、いろいろなパターンがあるので一言でどのようなものを指すのかあいまいなことがあり、注意が必要です。さらに、花の斑入り、葉の斑入り、また、単子葉や双子葉植物の斑入りでは異なっています。ここではわかる範囲内でこれまでにわかっている斑入りのメカニズムについて書きましたが、他にも様々な現象があるかもしれません。筆者は、そのような植物の多様性が興味深いと思っています。
参考文献(少し古いですがもう少し遺伝子に興味があれば読んで下さい)
武智克彰・坂本 亘 (2002) 「斑入り」葉緑素突然変異体を用いた原因遺伝子の研究と最近の知見. 育種学研究. 4: 5-11.
坂本 亘(岡山大学資源生物科学研究所) 2006-06-08
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 ●質問:アサガオの雀斑、吹掛絞、獅子など  登録番号: 0941
一方、アサガオの雀斑、吹掛絞、獅子などはトランスポゾンによる枝変りが出現します。 たとえば雀斑は、花色の生合成に必要なDFR遺伝子にトランスポゾンTpn1が挿入した劣性変異です。雀斑変異をホモに持つ細胞では色素合成が起こりませんが、Tpn1の転移が茎頂で起こるとDFR遺伝子の機能が回復(復帰変異)した細胞が生じ、この細胞が細胞分裂を繰り返して枝となれば枝変りとなって有色の花が咲きます。茎頂ではなく発達段階の花の細胞で転移が起これば、復帰変異した細胞群と変異型の細胞群が入り交じったキメラになり、絞り模様や咲き分けとして観察できます。
 雀斑のようなトランスポゾンによる遺伝子の発現変化が明らかにされている植物は、トウモロコシ、キンギョソウ、ペチュニア、イネ、ブドウ、バラがあります。アサガオではTpn1類縁のトランスポゾンが非常に活性ですが、これらのトランスポゾンだけが活性な点は、他の植物に比べて特徴的です。これはアサガオ栽培の歴史と関連があると考えています。詳細は少し長くなりますから、私たち、もしくは九州大学の仁田坂先生の総説をお読み下さい。それぞれのHPに論文、総説のリストがあり日本語でも書いております。(仁田坂先生には、石畳の性質について教えて頂きました。)
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●植物の約1割のものが血液型をもっている

・糖タンパク質が植物にもある。しかしすべての植物にあるわけではなく、約1割の植物にだけ存在するらしい。
・植物の血液型(糖タンパク質の型)は人間と同じ、A・B・O・ABの4タイプ。代表的なものは、
 A型:アオキ・ヒサカキ(ツバキ科)
 B型:アセビ・セロリ・ツルマサキ
 O型:キャベツ・ダイコン・サトイモ・ゴボウ・イチゴ・ブドウ・ナシ・ツバキ・サザンカ
 AB型:バラ・アケビ・スモモ・ソバ・カエデ
・血液型で色が変わる:カエデには真っ赤に紅葉するものと、黄色に紅葉するものがある。これも血液型の違いによるもの。O型のカエデなら真っ赤に、AB型のカエデだったら黄色くなる。
しかし、1本の同じカエデで真っ赤に紅葉している部分と黄色く紅葉している部分があるが、気候・外気温・日当たりなどで、植物の糖タンパク質の型が変わって、色も変わるということらしい。同じ木でも、部位によって血液型が異なるということは多々ある。
 ○雑学カンパニー

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花・木・高山植物のサイト :海外・国内・図鑑・ソフト


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●Index:花マルチ検索

花マルチIndexmulti-sort【学名,科名,花弁数,和名,色などソート】(★注:写真約3MBをPC内にダウンロードしますので、最初に時間かかります)

色Index
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図鑑とページ:以下の本の該当ページをさしています。
 本:『スイスアルプス高山植物ポケットガイド』岡田季代子著、RottenVerlag社発行(2002年:2版)262種・・花ごとの「学名」で、(スイスPG:p)はこの本
   <ISBN:3-907624-20-3 スイスのサイトで販売されているようです。会員登録必要>
 本:『アルプスの花を訪ねて』小島潔著、朝日新聞社発行(2003年:1刷)187種・・花ごとの「学名」で、(花訪:p)はこの本
 本:『Fleurs des montagnes』de W. LippertWolfgang著、NATHAN社発行(2001年)600種・・花ごとの「フランス名」で、(Fleurs:p)はこの本
 本:『I Fiori Selvatici』Peter D.Moore著、A.Vallardi社発行(1991年)1000種・・花ごとの「イタリア名」で、(Fiori:p)はこの本
 本:『Alpenblumen』Elfrune Wendelberger著、BLV Buchverlag GmbH社発行(2004年)90種・・花ごとの「ドイツ名」で、(Alpenb:p)はこの本
 本:『The Alpine Flowers of Britain and Europe (Collins Field Guide) 』C.Wilson+M.Blamey(著)、Viking Pr社発行(1979年)1500種・・花ごとの「英語名」で、(AlpenF:p)はこの本
 本:『日本の野草 山渓カラー名鑑』山と渓谷社発行(1986年)1534種。・・花ごとの「類似の日本の花名」で、(日本の野草:p)はこの本
 本:『葉・実・樹皮で確実にわかる樹木図鑑』鈴木 庸夫著(2005年):450種。・・花ごとの「類似の日本の花名」で、(樹木図鑑:p )はこの本
 本:『原色高山植物図鑑 1(コンパクト版11)』北隆館発行・・花ごとの「学名」で、(北隆館:p)はこの本
 本:『原色高山植物図鑑 2(コンパクト版12)』北隆館発行・・花ごとの「学名」で、(北隆館:p)はこの本

・その他:追記などに用いている本
 本:『Mountain Flower Holidays in Europe』Lionel Bacon(著)
 本:『Alpine Flower Finder: The Key to Rocky Mountain Wildflowers Found Above Timberline』Janet L. Wingate/Loraine Yeatts (著)
 本:『日本の高山植物 山渓カラー名鑑』山と渓谷社発行1988年・・953種
 本:『日本の樹木 山渓カラー名鑑』山と渓谷社発行1985年・・1446種
 本:『スイス・アルプス花の旅』講談社カルチャーブックス、山田 常雄+鈴木 光子 (著)
      ・・・新中古本:検索・入手の方法

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今週の作業:2010.11.7 【花図鑑DB品質向上のための作業】
◆参考:花図鑑DB品質向上のための作業・・
・以前、「すべての色別の整理、花の分類・同定・追加などに・・内容の不確実さのため・・過去の花もあわせ一通り再チェックをしたい」などと書きましたが、とても短期間で終わるような代物ではないことがわかり、以降の作業方針などを列記します。
キク科>黄色系>属>種一覧:キク科の中で、黄色系の花は大量(写真130枚以上)で分類などが不十分だったので、再Pl@ntNetなどで同定。属単位に、種の一覧を整理。(2023.4)
「Pl@ntNet」https://identify.plantnet.org/jaで各花の写真をドロップすることで、高確率の同定をし、撮影した場所、標高、時期などをチェック。
・「青色系の花」70種について、「FLORA ITALIANA」http://luirig.altervista.org/と比較し、写真が類似であること、花の分布が撮影地付近であることをチェックしました。(残:約400種)
・「●花・高山植物がたくさん登場するサイト内のページ」を別ページにし、今までの主な撮影地を国別に、Google地図にその場所をポイントし。「花図鑑DB」で書いた撮影地の図示で、理解しやすくして行きます。(2001〜2010年全数約150地点完了)
  ・花検索の色別Indexと、マルチIndexで用いている写真画像は小さな画像(160*120pic)にすることで表示速度を早くしていますが、時々モレチェックと加工をし、全数の縮小を行います。
・「花INDEX」に、「花図鑑DB、峠DB、紀行記事の関連図」を追加。

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Kitamura-flowers [ヨーロッパ アルプスの花]

解説・説明


ヨーロッパ アルプス峠ドライブ 写真・絵本
ヨーロッパ アルプス 峠ドライブ・写真・絵本
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