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Pso.del Cason di Lanza カソン・ディ・ランツァ峠(1552m)
 カフェで、笑顔で教えてもらった「アスファルトのいい道」。さわやかな気持でスタートです。【●峠のDBへ

 町を出たとたん細い山道、すぐに人家が終わり、山からの土石流の生々しい跡も見え・・・あやしい風が山から下りてきます・・・
[北村 峠一].(eu-alps)      


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【Cason-di-Lanza峠-Map】
 ポンテッバのカフェで、笑顔で教えてもらった「アスファルトのいい道」に向かう分岐点は、カフェの横。店のテラスにいるお客さんの見送りの中、さわやかな気持でスタートです。

 国鉄のトンネルを抜けると、前方には白い岩肌に緑の山。空も青空、ポンテッバ川の上流に向かう道は爽快です。 が、車が2台ゆったりすれ違い出来る道幅の道路はすぐに終わり、対向車が来たら脇に寄ってやっとすれ違うような田舎道になりました。周りの人家も急激に減って、舗装? アスファルト? 心もとない整備で、心なしか雲も暗く。

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【e9.jpg:国鉄線路の下をPontebbana川上流、Cason-di-Lanza峠に向かう】

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【118.jpg:しばらくはいい道・・・徐々に人家が減ってきて・・・山が近づき・・・】

 最後の家が見えたあたりから、山のふもとの川に沿った砂利道。かなりこの冬の雪は荒れたのでしょうか、応急の工事の跡も見られます。この先、ちょっと心配です。

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【134.jpg:最後の家が見えた頃は道幅も狭まり、舗装も時々切れる。冬の雪でやられたのか、道もかなりひどい。まだ補修中の道が続く】

 山からの石が雪崩れた場所、土石流で林もろとも、かなりやられたように見えます。  もともとこの付近の山、砂利のような、もろい石、崩れやすいく毎年被害が出そうな地形。そこに来て春先の雪崩が、毎年こんな風に道に向かって土砂を流すのでしょう。あやしい風が山から下りてきて?

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【296.jpg:山からかなりの石がなだれていて、やっと除いたばかり】

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【285.jpg:横の山肌はこんな風に、崩れてもあたりまえの風景。もろい岩で、冬はこの道も閉鎖になるのだろう】

 でも、少し頑張ってこの砂利を避けながら登ってきたのですが、傾斜がきつくなり出したあたりで、車の腹に石が当たりそうな状態が何度か。彼女の言う「アスファルトの舗装道路」とは、その材料がてんこ盛りのこと?

 車を置き、先に見えるカーブまで状況を偵察に歩きますが、ますます道は荒れていて・・・残念ですが・・・ギブアップすることにします。
「林道で、冬の雪崩れの後で未整備のまま。これ以上は危険、断念」
と自分を納得させます。付近を見るとこのフリウリ州のカンバン。「この先の道、危険!」と書いてあればいいなー・・・と思ったのですが、「渓流の魚保護、環境・自然保護に関する注意書き」のようです。

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【117.jpg:道のカーブの個所はひどい状態。車の腹をこすりそうに幾度かなって・・・車を降りてこの先の角まで偵察に歩く】

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【144.jpg:ひとつ先のカーブまで歩き、さらにその先を見るが、ますます道は荒れている。ここで断念する】 【145.jpg:周囲にを見るとカンバンがあります。Friuli-Venezia-Giulia州が出した、渓流の魚の保護に関する注意書きのようです。一連の環境・自然保護なのでしょう】


 帰国後、どの付近であきらめたかを確認しました。この2・3度カーブしたあたり、あと2kmほどで峠でした、残念です。6月半ば、まだ雪崩などの雪害の補修が終わっていない時期だったのでしょう。7月半ばを過ぎていれば、レストランのあの娘の言う、アスファルトの快適な道が峠まで続いていたのでしょうか。

<付近のWeb-Site>

「Bicycling Trip in the Dolomites」
 【この周辺を自転車で】
「Tourenland 」
 【峠へバイクでの写真】

  (両者とも、悪路に
   悩まされています)

【Michelin社のWeb地図】

●フリウリ付近は、なぜこんなにもろい・けわしい地形のか?(一部推測)


アルプスの主要な川
【ヨーロッパアルプスを源にする主な川】
 この付近のKarnische-Alpsアルプスの分水嶺は、南側にTagliamentoタグリアメント川が、約100kmで地中海・アドリア海に流れ込みます。
 一方、北側のGailゲール川は、ドナウ川として黒海に流れ込むまで約1500km以上の距離があります。

 このように海まで近いということは、その勾配が急になり土砂が削られ流されやすいはずです。特にフリウリ地方は海まで最も近い場所で、他の地域に比べ、山の斜面が雨・雪などで削られ、えぐられ、道路の決壊などが頻発するように感じます。

 このヨーロッパアルプス全体の峠を走っていても、Poポー川に流れ込むイタリア側の斜面は、ドナウ川、ライン川、ローヌ川の流域への勾配より急です。同じようなことは、海に近いフランスアルプスの南にある、ケヨル峠、アロス峠などでも感じます。
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 ちなみに、こんなに削られたら、山が低くなってしまいますが、アルプスは年間約1mm隆起しているとのこと、相対的には高くなるのでしょうか?

 フリウリ地方の川と傾斜
【フリウリのアルプスと海の距離・傾斜】

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 暗い気持ちで人家のある付近まで下ってきて、やっと少しあきらめがつきます。途中、馬に乗った人を見ましたが、道路がこんな状態だと、馬がないと生活できないシーズンもあるのでしょう。

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【2a8.jpg:コンクリートの廃屋は、農家ではなく兵舎だったのかもしれません。馬での移動風景。ポンテッバの町に戻ってきた】


<あらためて、オーストリア国境のナスフェルド峠に向けて登りはじめます・・・・>
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