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タイトルスロベニアの峠・情報
記事No292
投稿日: 2002/08/12(Mon) 17:50:51
投稿者kitamura
スロベニアの峠に関する走行データ、旅の記録などを以下にまとめていきます

タイトルVrsic pass1611m、Boh.Sedlo1277m
記事No293
投稿日: 2002/08/12(Mon) 17:56:59
投稿者minakata_h
minakata_hさんの、スロベニアの峠に関する情報(峠の茶屋データ)を、以下に蓄積させてくただきました・・・


見知らぬ国の峠… 投稿者:minakata_h 投稿日:2002/08/04(Sun)

☆見知らぬ国の峠・・・
オーストリアから一泊二日でスロベニアに足を延ばしてきました。Villach南のWurzenpasからスロベニアに入国、そこから真っ直ぐ南下してスロベニアで最高標高のVrsic pass(1611m)に、ドロミテに似た2,500m級のゴツゴツした雄大な山々を間近に眺めることができます。このあたりはスロベニア最高峰のトリグラフ山(2,864m)を中心にユリアン・アルプスと呼ばれている地域でヨーロッパ・アルプス南東側はこのあたりで終わります。またSoca川沿いのこのあたりはなんでも第一次世界大戦で激戦が行われた所だそうです。峠道は南北から共にかなり狭くて急な坂道です。首都のリュブリャーナからはVrsic passへの日帰りツアーが出ているようです。帰りはPredil pass(1156m)を通って一旦イタリアに出てから戻ってくるようですが、これらの峠を観光バスが登り降りしているとは驚き!もっとも小型のバスだとは思いますが。

☆名もない峠・・・
Vrsic観光のあと予定では先述の観光バスと同じPredil passを一旦イタリアに抜けてBledに向かう予定でしたが、すでに日も傾いてきていたので距離的に近いTolminから山中をBledに直進するルートに変更しました。これがとんでもない判断ミス!何と言っても一昔前までは共産主義国だった国、生活道路と思われる三桁番号道路はとんでもない悪路、また聞いたこともないスロベニア語の地名の道路標識を確かめながら走りますがこれがなかなか頭に入ってこない。子音がいくつも続いたり「j」が多用されていたりと何と発音するのか分からないから何度も立ち止まっては地図で確認しながら走らなければならない。途中地図にものっていない、しかし明らかに1,000m以上の名もない峠を越えて夕暮れ迫る中をBledへ急ぎました。この日だけはBled湖畔のホテルを予約していたので致し方なかったのですが、それにしてもスロベニアでは道路事情が良くなさそうですので幹線道路から外れるルートは絶対に止めた方が良いと思いました。
Bled湖畔から北東方向には2,000m級の山々が屏風のように並んで見えていました。Klagenfurt方面に抜けられるLoibipasやSeeberg-sattelの方向ですね。これらの峠からは遠くまで見通しがきいて良い眺めが期待できそうでした。スロベニアではこの他ポストイナ鍾乳洞を観光してきました。
「スロベニアに行って来ました」って言うと周りの皆からは「昔チェコだった国ですね」と言われていますがそれは「スロバキア」。スロベニアは旧ユーゴスラビアから独立してまだ11年あまりでホテルもレストランもヨーロッパ諸国の洗練されたそれらにはまだまだほど遠いと感じましたが、どこに行っても皆さん素朴で親切な方たちばかりでとても好感が持てました。今はまだ日本からの観光客は少ないようですがこれからどんどん増えてくるものと確信しています。

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Re: ☆名もない峠・・・ kitamura - 2002/08/04(Sun)

minakata_hさん、旅・峠情報ありがとうございます。
それにしても・・・すごいですね。特に・・・スロベニアの
「Vrsic峠:1611m〜Soca川に沿って南・西へ〜Bovecで南へ〜
Tolmin〜Podbrdo〜Bohinjska〜Bled」のルート。

ここで、Podbrdo〜Bohinjska間にはカー・トレインがあるように
見えるのですが、峠越えしたとすると、Boh.Sedlo:1277mだと
思われます。

ここは、ヨーロッパ・アルプスの南東はずれ。この付近入り組ん
でいますが、地中海へのBaca川と、Sava川−ドナウ川で黒海へ
の分水嶺になっていますね。

それにしても「・・生活道路と思われる三桁番号道路はとんでもない悪路・・」
というのはどのような道だったんでしょうか?
林道レベルですか?RV社1/30万の地図では、細いのですが黄色い道路なのですが。
(私もこの峠を考えていたので・・・)

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Re: ☆名もない峠・・・  minakata_h - 2002/08/06(Tue)

kitamuraさん、こんばんは。

> 峠越えしたとすると、Boh.Sedlo:1277mだと思われます。
スロベニア行きのために今回購入したfreytag&berndt社の「Slovenija 1:250,000」には記載されていなかったのですが、Euro Atlas「Italy 1:300,000」にはちゃんと明記されていることを確認しました。そうです、その峠です!
kitamuraさんもこのルートを考えられていたとは・・・、ちょっと驚きと同時に光栄です。

> Podbrdo〜Bohinjska間にはカー・トレインがあるように見えるのですが・・・
数キロにも及ぶ鉄道トンネルはありますが、カー・トレインの取り扱いはどうでしょう?このあたりは車の通行量も極めて少なそうでしたしまがりなりにも道路があるわけですから。

> ここは、ヨーロッパ・アルプスの南東はずれ。この付近入り組んでいますが、地中海へのBaca川と、Sava川−ドナウ川で黒海への分水嶺になっていますね。
そんな大分水嶺の所を走っていたのですね。いつもながら勉強になります。

> 「生活道路と思われる三桁番号道路はとんでもない悪路」というのは・・・
日本でも山間部に行くと大昔から人や荷車が通っていてそこをただ舗装したような道がありますよね。幅員が一定でなく妙に曲がりくねっていて、車を通すために設置したものではないと一目で分かるような。車同士がすれ違えないほど狭い所は数え切れないくらい、しかも路面状況が極めて悪い!一応は舗装しているのですが掘り返した跡や部分的に補修した跡があちこちにあって走れば未舗装道路以上にガタゴト道です。


以下はWurzenpasを越えてスロベニアに入国してからBled湖畔までの道程です。ご参考までに。

Kranjska Goraの町から望むユリアン・アルプスの雄姿は感動ものです。町を出てSava川支流を渡ってすぐ右手にエメラルドグリーンの湖が、その向こうに2,500m級の山々が屏風のように立ち並んで見えます。しばらく行くと傾斜角14%の峠道に入りますが、短い間隔でヘアピンを繰り返す所々石畳の険しい峠坂が続きます。
Vrsic(1611m)では峠としては珍しく駐車料金が必要です。ビューポイントは両サイドの降り口に分かれていますので二度のストップが必要。時間が許せばハイキングが楽しそうな所です。
南側へは再び14%の険しい下り、幅員はかなり狭いので慎重な運転が要求されます。九十九折りの坂を下り終えた所からBovecまでSoca川に沿ってダラダラと下りが続きますが、やはり幅員が狭いのでスピードはのりません。
Bovecからは203号線に変わり北に折れればP.d.Predil(1156m)からイタリアに、そのまたすぐ北のP.di Fusine(854m)からGoraに戻って来られます。Bovecから南への203号線は引き続きずぅ〜っと下りが続いて80km以上で快走できます。
Tolmin手前でリュブリャーナ方面に分岐、Tolmin先のBaca pri Modrejでリュブリャーナへの102号線(首都に通ずるこちらの道は良く整備されてるのでしょう)と分かれて403号線へ。ここからしばらくKoritnicaあたりまでが「とんでもない悪路」です。先に道を譲った数台がすごい勢いで疾走するのですが、私一台で走るよりはよほど安全とばかりにしばらくついて行ったのですがあえなく同乗者がダウン。しばらく休息した後一台でのろのろと、Baca川に沿ってPodbrdoまでダラダラと登り続けます。Podbrdoを過ぎると傾斜角8%の九十九折りの道(この期に及んでまた峠だ〜)が4km、表記804mの峠(名称不明)を過ぎればPetrovo Brdo、Y字分岐部を左手に進むと地図では色無しながら新設されたと思われる道を尾根づたいに進みます。4kmほどでT字路を左に折れて910号線に、さらに登って(夕暮れが迫ってきたのにまだ登ってるよ〜)kitamuraさんご指摘のBoh.Sedlo(1277m)、さすがにこのあたりでは峠の標識を探す余裕などありませんでした。峠付近はしばらくの間未舗装の荒れ道が続き(この先本当に道が続いているのかな〜)そこからBohinjska Bistricaへは一気に下ります。このあたりからスロベニアのシンボル、トリグラフ山が望めるはずでしたが・・・。
Bohinjska Bistricaからは209号線に、ほとんど真っ直ぐな道が続き100kmで疾走しますがバイク軍団がものすごいスピードで追い越して行きます。Bled湖畔までは20kmありますがあっという間の到着でした。

道路番号が大きくなればなる程ひどい道でしたね。Baca pri Modrejからの「とんでもない悪路」からBohinjska Bistricaまでの峠道は同乗者に言わせれば「今まで行ったどの峠よりもきつかった」そうです。ホテルに着いた後「帰りもまた同じ道を帰るの?」との不安げな表情が忘れられません。VrsicからBledまでは直線距離にするとわずか30kmたらずですが4時間以上にも及ぶ難行でした。単に移動だけを考えればP.d.Predil経由が妥当なルートだったのでしょうが・・・、kitamuraさんはもちろん走られるのですね。
地図を見ておりますとユリアン・アルプス山中にはこの他にも恐ろしげな?峠道がたくさんありそうです。またオーストリアとの間のカラヴァンケの峰々にも高い峠があるようですのでまた詳細な旅行記を楽しみにいたしております。